「東京圏」の経済活性化で恩恵受ける企業に着目 三菱UFJ投信

個 別


「不動産・インフラ」「消費・サービス」「交通・物流」「観光」をテーマに

「三菱UFJ 東京関連ファンド(米ドル投資型)/(円投資型)2014-01」(愛称:東京Wランナー)

種本周二氏 中井和弘氏

種本周二氏         中井和弘氏

商品企画部開発グループ
シニアマネジャー 種本周二氏
アシスタントマネジャー 中井和弘氏に聞く

日本経済は東京(東京圏)が中心という意識があるため、投資信託でも、日本株ファンドといえば、東京圏を含めた日本全体を投資対象とするのが普通のイメージだ。ことさら東京圏という枠組みをはめることは少ない。しかし、「東京圏」という切り口にすると、また別の視点が出てこないか。三菱UFJ投信は来年1月17日に、単位型の日本株投信である「三菱UFJ 東京関連ファンド(米ドル投資型)/(円投資型)2014-01(愛称:東京Wランナー)」を新規に設定する。日本株とREIT(不動産投信)を主要な投資対象にしたファンドだ。日本全体ではなく、なぜ東京圏に限定したのか、同ファンドの設定の背景や、特徴、仕組み、魅力などについて、同社商品企画部開発グループのシニアマネジャーの種本周二氏と、アシスタントマネジャーの中井和弘氏に聞いた。

■「東京圏」とは

当ファンドでの東京圏は東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の一都三県を指す。投資対象となる企業は、東京圏の経済活性化で恩恵を受けることが期待される企業と位置付けている。もう少し具体的に言えば、東京圏における売り上げ・収益依存が高い企業、または東京圏における今後の売り上げ・収益の拡大が期待される企業に投資するのが当ファンドの基本コンセプトだ。単に東京圏に本社機能があるということに限定されず、将来性も含めビジネスの主体が東京圏にあるかという点に着目している。一方で、例えば、本社が東京圏にあっても、売り上げや収益の大半を海外に依存している企業で、かつ将来的にもその傾向が変わらないと判断される場合は、当ファンドの投資対象にはならないだろう。

■4つの投資テーマが切り口

投資対象の業種配分については特段制限を設けてはいないが、投資テーマとして東京圏の経済活性化によって恩恵を受けると思われる「不動産・インフラ」「消費・サービス」「交通・物流」「観光」の4つを設定している。いずれかの投資テーマに合致し、かつ、東京圏への現在および将来の売り上げ・収益の依存度から銘柄をピックアップするという切り口である。こうしたテーマは、必ずしも一般的な業種別のセクターと完全に対応するものではない。テーマ設定により一般の日本株ファンドとは異なるポートフォリオの特徴が出てくると考えている。投資家の方々への参考として作成しているモデルポートフォリオでは、10月末時点で「不動産・インフラ」「消費・サービス」のテーマに分類される銘柄が多くなっている。一般的な業種別の構成比率では、10月末時点で、不動産が約27.5%、REIT(不動産投信)が約15.0%、サービスが約13.0%、小売が約12.5%などの順。ただし、REITは純資産総額の3割以下に組み入れが制限されている。10月末時点では、TOPIX組み入れ上位の電気機器、輸送用機器、銀行業などの銘柄は組み入れられていない。このように、一般の日本株ファンドの上位組入銘柄の顔触れとはやや異なることが分かる。また、大・中・小型株の規模別の制限はないが、流動性なども考慮した上で、銘柄の選択を行う。

■東京圏の中長期的な魅力

2020年の東京オリンピック開催が決定したことは、東京圏の発展に向けた1つの追い風ではあるが、当ファンドは、東京オリンピックのみに着目した銘柄選定を行うファンドではなく、オリンピックはあくまで1つの材料にすぎない。そもそも東京圏は3,500万人超の人口を擁し、名目GDP(国内総生産)でも日本全体の3割程度あり、世界有数の人口・経済の集積地と言える。都市政策やアベノミクスについても、東京圏がその恩恵を最も受けるだろうと判断しており、当社は東京圏の発展を中長期的なテーマと考えている。

日本の株式市場全体が好調で、モメンタムも強い状況にあって、東京圏の活性化が今後注目すべき大きなテーマの1つになるのではないかと考えている。日本経済に対する悲観論の根拠の1つに人口減少が挙げられるが、東京圏に注目すれば、継続的に人口は流入している。また、日本全体に比べて東京圏は地価底打ちの傾向が顕著である。百貨店売上も同様に東京圏がおおむね全国平均を上回って増加している。有効求人倍率を見ても、おおむね全国平均を上回り、1.0倍超が継続している。これらの点などから見ても、東京圏にスポットを当てることで、中長期的に成長が期待でき、売り上げ・収益を伸ばせる企業を見つけていくことができるのではないかとの視点に立っている。

こうして先に挙げた「不動産・インフラ」「消費・サービス」「交通・物流」「観光」の4つの投資テーマに基づき、当社運用チームによるさらなる企業調査・分析によって、中長期的な成長が期待できる銘柄を厳選して、最終的には40-80銘柄程度で当ファンドのポートフォリオを構築していく方針だ。

なお、今回の単位型に加え、同様の運用コンセプトである追加型ファンドも設定予定となっている。

■基準価額が1万2,000円以上で繰り上げ償還

当ファンドは信託期間が約5年の単位型投信(注・設定前の申込期間のみ購入が可能で、運用期間中は追加購入ができない投資信託)だが、単位型投信の一般的なメリットであるお客さまへの買い時のタイミングの提案に加え、今回は繰り上げ償還条項を付けていることで、値上がりのイメージも訴求しやすい商品性となっている。当ファンドは、信託期間満了前でも、株式相場の上昇などで基準価額が1万2,000円以上になった場合、安定運用に切り替えた後、速やかに繰り上げ償還を実施することで、値上がり益を享受してもらうという特徴がある。ただし、基準価額が1万2,000円以上になってから安定運用への移行が完了するまでの市況動向や組入株式などの売却状況などで1万2,000円を割り込むことがある。

■米ドル投資型では為替面からも収益狙う

当ファンドは日本株ファンドであるが、為替対応への方針により、保有する円建て資産について為替取引を行わない「円投資型」と、保有する円建て資産について円売り・米ドル買いの為替取引を行う「米ドル投資型」があり、お客さまによる今後の市況見通しに応じて、為替面でもファンドの選択肢を提供していることも特徴だ。

米ドル投資型では、株やREITの価格変動に加え、為替変動と、為替取引に伴う日米金利差分のプレミアム/コストという3つの収益機会がある。為替変動に関しては、円に対して米ドル高になれば、為替差益の発生から基準価額の上昇要因、米ドル安になれば、為替差損の発生で基準価額の下落要因となる。また、為替取引を行うために、日米金利差に基づく為替取引によるプレミアム(金利差相当分の収益)は上昇要因、日米金利差に基づく為替取引によるコスト(金利差相当分の費用)は下落要因となる。

このように今回は「円投資型」「米ドル投資型」を用意している。もちろん東京圏の魅力は両方のコースで訴求できる上、特に「米ドル投資型」は為替差益を狙うお客さまにとっても非常に効果的と考えている。

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