「グロソブ」にNISA向け資産成長型が登場 国際投信投資顧問

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「グローバル・ソブリン・オープン」(資産成長型) 愛称:グロソブN

堀井正孝氏

堀井正孝氏

債券運用部長 堀井正孝氏に聞く

国際投信投資顧問は11月15日に「グローバル・ソブリン・オープン」(資産成長型)愛称:グロソブNを設定する。「グロソブ」でおなじみ、日本の公募投資信託を代表するファンドの「グローバル・ソブリン・オープン」(毎月決算型)と同じマザーファンドを通じて運用を行う。今回、来年1月から導入されるNISA(少額投資非課税制度)向けに新たに資産成長型を投入する。同ファンドの特徴は、1つ目は世界主要先進国の信用力の高いソブリン債券を主要投資対象とし、国際分散投資を行うこと。2つ目は安定的な利子収入の確保と、金利・為替見通しに基づく運用戦略で収益の獲得を目指すこと。3つ目は信託財産の十分な成長に資することに配慮して収益の分配を行わないことがあること。そこでこの資産成長型の設定を前に、グロソブの最近の運用状況と当面の投資環境、資産成長型の魅力などについて、グロソブの運用を担当する同社債券運用部長の堀井正孝氏に聞いた。

■当面のグローバル景気と通貨見通し

景気は引き続き、世界的に回復傾向にあると考えている。特に今回はアメリカ、ユーロ圏、日本などコアの先進国主導で回復していくと予想している。世界の株式市場もこの流れを織り込んでいる。為替市場も対円で過去1年間のパフォーマンスで最も上昇しているのがユーロで、ポーランド、スウェーデンの通貨も上昇しているが、ユーロの景気が良くなると恩恵を受ける国々だ。さらにアメリカや、アメリカの景気の恩恵を受けるメキシコといった国で通貨は上昇しており、ドルとユーロがその中心にある。リーマン・ショック以降の世界景気をリードしていた新興国や、オーストラリアなどの資源国は成長が一服、為替のリターンも劣後しているという状況にあり、今後もこうした傾向は続くとみている。

■グロソブの最近の通貨配分

グロソブの運用戦略においては、債券の変動価格より通貨の変動が基準価額に与える影響が大きいため、通貨配分が重要となっており、リーマン・ショック以降は通貨の配分をダイナミックに変更してきた。リーマン・ショック前まではドルとユーロの比率がかなり多かったが、危機はアメリカとユーロが震源地ということもあって両通貨の比率を大きく落として、オーストラリアやカナダといった財政が健全な国、今年になってメキシコやポーランドといった先進国入りした成長率の高い国を増やした。昨年からは、それまで増やしていたオーストラリアなどの資源国の比率を減らして、米ドルやユーロの比率を増やしている。現在は、米ドルが3割強、ユーロが3割弱の構成比率となっている。イギリスポンド、日本円を含めると、この4通貨でポートフォリオ全体の7割ほどを占めていることになる。このほかメキシコやポーランドといったアメリカとドイツの景気回復によって恩恵を受ける国々を多めに持っているのが現状だ。一方、オーストラリアは鉄鉱石などを輸出していているが、過去の設備投資によって2014-2015年にかけて生産能力が上がっていく。これに対し中国を中心に需要が鈍化してきており、供給過剰の状態にある。世界景気の動向から判断して資源価格自体がここから上昇していくトレンドにはないと判断し、現在は3%程度まで保有比率を引き下げてきた。

■アメリカとユーロ圏の最近の投資環境

アメリカ経済は財政の問題で政府機関の一時閉鎖などの影響を受け10-12月期の経済成長率は若干下押す可能性は考えられるが、実際は住宅、自動車、エネルギー投資関連の3つの柱をけん引役に回復してきているし、直近の米企業決算も良好で、すそ野が広がってきたとの印象を受ける。財政の問題がいつ決着するかによって来年1-3月期の動向が多少変わってくる可能性はあるが、仮に経済成長が抑えられた部分はその反動でいずれ喚起されることから、政府機関の閉鎖などによる要因はアメリカの経済成長率を左右する要因にはなりにくいと予想され、基本の部分は徐々に良くなっている。こうした見通しの下、アメリカの資産構成をここ数カ月は増やしており、売られた場面は買い場かとも考えている。

ユーロ圏については、利下げの可能性が出てきた。インフレ率の低下や失業率の上昇と、欧州の銀行がECB(欧州中銀)から借り入れた資金の返済で短期金利が上昇しているため、これを抑える要因もある。しかし、インフレ率や失業率は遅行指標であり、むしろユーロ圏は輸出主導で景気が良くなっているため、経常収支の改善や、財政状況の改善に着目している。ドイツはもちろん、このところスペイン経済が輸出や不動産などで回復しつつある。また欧米主要企業の決算では、自動車関連などで欧州部門の底打ちについて確信を持つ経営者が増えてきており、株式などのグローバルな資金はここ2、3カ月アメリカから欧州に向かっていると分析している。現状はアメリカも欧州も景気回復の途上にある。リーマン・ショックの後には欧米と比較するとオーストラリアなど相対的に小さいマーケットの通貨に資金を移さなければならなかったが、現在の状況は、米ドル・ユーロなどの主要に通貨の資産に分散する戦略が最適かと考えている。

■安定した運用実績と最近の動き

パフォーマンスについては、グロソブが運用を開始して間もなく16年目を迎えるが、金融危機と言われる局面では、ほかの資産より下落幅は小さいものの、ロシア危機やリーマン・ショック、欧州債務危機時には円高によって1年間を通して見るとマイナスリターンで終わった。しかし、こうした危機以外の時には安定したプラスのリターンとなっており、平均して年間約8%のリターンとなっている。今年も10月末までの段階では9.1%と、高いリターンを確保している。また、毎月の分配を再投資(課税前)した前提で、トータルリターンを計算してみた。各年末ごとに投資を始めた場合これまでの累積ではどうなったかを見ると、2007年末に投資された方はまだ若干マイナスだが、おおむねプラスとなっている。

今後のわれわれの見通しとしても、金融危機を乗り越えて、世界景気は回復傾向にあることから、安定的なリターンを確保できる投資環境にあると考えている。

■資産成長型ファンドの投入

毎月決算型の運用実績を見ると、分配金を受け取ってすぐに再投資した場合と、分配金を受け取って再投資しない場合を比べると、再投資をしている場合の方がリターンが高くなっている。分配金を受け取るのがいいのか、再投資するのが良いのかは人それぞれ投資目的によって違うと思う。毎月毎月分配金をもらって楽しむファンドがあってもいいが、来年1月から始まるNISA(少額投資非課税制度)では、非課税枠をフルに利用するために分配金を受け取らない形のファンドである資産成長型のファンドがあったほうがよいというニーズに応えて、今回、「グロソブN」という資産成長型のファンドをあらためて開発した。同じマザーファンドで運用することで運用は毎月決算型と同じだが、分配金を受け取るのか、受け取らず複利効果を生かした運用を行うかの違いがある。

■販売会社の動向

当ファンドの当初から販売に参加していただいているのは、現時点で実に60社以上に上っている。新規設定ファンドの当初の販売会社数としては異例と言えるのではないか。今後もお取り扱いいただける販売会社を増やすことで、より身近な金融商品としてNISAでご活用いただけるように努めていきたい。

■NISA向けマッチの理由

グロソブの毎月決算型は、「貯蓄から投資へ」の流れの中で、銀行窓販を通じて初めて投資をする方々を中心に残高を増やしてきたが、NISA向けのグロソブNは、NISAをきっかけに初めて投資する方々にぜひ選んでいただきたいと考えている。グロソブの毎月決算型の16年近くの運用実績では、単年で見るとロシア危機やリーマン・ショックなどで基準価額が下落する局面もあったが、ある程度時間をかけて持ち続けていただくことで、グローバルな信用力の高い債券に投資するというスキームによりリスクが分散され、プラスのリターンが出やすいファンドという実績が示されているといえる。また、分かりやすい投資対象に加えて、かなり通貨分散されていることやソブリン債とあってリスクリターンが比較的マイルドであることなどで、投資信託が初めてという方にとっても購入しやすいと考えている。当社では、NISAでご投資いただく商品としてこのような経緯で「グロソブN」の設定を決めた。

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