昨年の国際株式型・最優秀F ピクテ投信投資顧問「ピクテ・プレミアム・ブランド・ファンド(3カ月決算型)」

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大和証券販社加入でさらに脚光
ブランド企業の利益成長享受

根尾真砂理氏

根尾真砂理氏

マーケティング部部長 商品企画チーム・ヘッド
根尾真砂理氏に聞く

ピクテ投信投資顧問が運用する「ピクテ・プレミアム・ブランド・ファンド(3カ月決算型)」が好パフォーマンスを持続中だ。グッチやルイ・ヴィトンといった、先進国主体のプレミアムブランド企業株式に投資する、このファンドの8月末時点の騰落率は、2006年6月設定来で+58.9%。この間に生じたリーマン・ショックを乗り越えての成績であり、直近3年間では+95.51%に達している。従来、地銀中心に販売されてきた同ファンドだが、10月からは大和証券も販売会社に加わる。ピクテ投信投資顧問の根尾真砂理マーケティング部部長、商品企画チーム・ヘッド(写真)に、基準価額上昇の続く背景や、主な商品設計などについて話を聞いた。

――ここ数年、先進国株式は全般に上昇基調をたどっている。いわば、追い風の環境にあるなかで、ファンドの運用成績が「特に良好」と言うことはできるのか。

「たとえば昨年は、『モーニングスター・ファンド・オブ・ザ・イヤー2012』の国際株式型部門で、最優秀ファンド賞を受賞できた。対象ファンド数836本のなかでの『最優秀』であり、ファンドの運用内容が高い評価を受けたと考えている」

――とはいえ、相場は、上がったり下がったりするもの。これまで良かったにしても、そろそろ“高値警戒感”も生じてきそうだが…。

株価パフォーマンス比較

株価パフォーマンス比較

「その辺は、誤解されやすいのだが、ファンドの基準価額が上がったと言っても、決してバリュエーションが割高になっているわけではない。組入銘柄の予想PERにも、はっきりと現れている。昨年5月から今年8月末までに、円安効果も加わり基準価額が72%上昇する一方で、同期間の予想PERは8%切り上がったに過ぎない(グラフ参照)。8月末のPER16.6倍は、直近10年間の平均値(17.5倍)にも達しておらず、むしろ、まだまだ上昇余地があると言ってもいいだろう」

――割安銘柄への入れ替えを順次進めている結果なのだろうか。

「『プレミアム・ブランド』と言える企業は、世界にもそれほど多くはなく、上位銘柄の順位に変動はあるが、中身がガラッと変わるようなことが少ない。基本的には、現在約40程度の、厳選された組入銘柄に集中投資していくスタンスだ」

――つまり、プレミアムブランド企業は、株価上昇率を上回る高い利益成長が期待されているということになるが、その背景は。

プレミアム・ブランド企業の予想PER推移

プレミアム・ブランド企業の予想PER推移

「高い利益成長を可能にする『ブランド企業の強み』は2つある。まず、ブランド品は高くても買われるため、値下げ競争が生じにくく、高い利益率の確保が期待される。そして、新興国の経済成長を背景に、市場の拡大が続いていることが挙げられる。日本でも高度成長を経た1970-80年代に『あこがれのブランド品』に手が届くようになったが、中国などの新興国でも同じ現象が生じていると考えている」

――最近は、一時期の新興国礼賛論も、やや影を潜め、米国QE3(量的緩和第3弾)縮小観測などを背景に、新興国からの資金流出、成長鈍化を懸念する声も生じているが…。

「もちろん、新興国の所得水準が上昇することも重要だが、現状は限定された層だとしても、お金持ちがさらにお金持ちになっていくような状況は、プレミアム・ブランド企業にとって好ましい。そういう人たちがリピーターになってくれるので、たとえ景気が悪くなっても落ち込みにくい。日本で言えば、景気が悪い時でも特定の顧客層が訪れる『老舗の高級旅館』のようなイメージか」

「先進国で、これだけの利益成長が期待されるセクターは非常に珍しい。先進国株式に投資しながら、新興国の経済成長の恩恵を享受でき、安心感と成長期待が両立しているのが、このファンドのユニークなところと言えるのではないか」

――「プレミアム・ブランド企業」のなかには、日本企業も含まれるのか。

「現在の組入銘柄ではないが、投資対象ユニバースのなかには、たとえば資生堂やアシックスといった銘柄も含まれている」

――3カ月決算型ということは年に4回、分配を実施するのか。近年は複数分配型ファンドに対して、何かと風当たりが強い面もあるが…。

「分配を行うのは、あくまでも基準価額が1万円を超えている時のみ。リーマン・ショック後には、長らく実施できなかった時期もある。分配金は、3カ月間ごとの基準価額の上昇分や、過去の平均パフォーマンスなどを考慮して決めている」

――他に、ファンド設計上の特徴などはあるのか。

「通貨分散を図っている点だ。具体的には、米ドル、ユーロ、その他通貨が、それぞれ3分の1ずつになるようなガイドラインを設け、そこから大きく逸脱することのないようなアロケーションを行っている」

――これまで聞いてきた内容は“いいことづくめ”の感もあるが、あえてリスク要因を挙げると、どのようなことが考えられるのか。

「ブランド品消費は海外旅行者に負う部分も大きい。たとえば、NY同時多発テロや、2003年にかけて生じた中国のSARS(新型肺炎)騒動の時のように、海外旅行需要が急減する事態ともなれば、プレミアム・ブランド企業の株価は、実際の業績面より、短期的に大きな悪影響が及ぶ可能性も想定されてこよう」

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