好成績の毎月決算型に追加 NISA活用にも効率的 「ピクテ資源国ソブリン・ファンド(1年決算型)」9月13日設定 ピクテ投信投資顧問 

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石原豪氏  北根久之氏

     石原豪氏                        北根久之氏

“運用の根幹”愚直に守る
資源国のソブリン債に分散投資

プロダクト・マネジメント部部長
商品開発チーム・ヘッド 石原豪氏

マーケティング部マーケティング戦略Aチーム
マーケティング・オフィサー 北根久之氏

ピクテ投信投資顧問は13日に、「ピクテ資源国ソブリン・ファンド(1年決算型)」〈以下、当ファンド(1年決算型)〉を設定する。このファンドは、2008年6月に設定された「ピクテ資源国ソブリン・ファンド(毎月分配型)」〈以下、当ファンド(毎月分配型)〉に、新たに1年決算型を追加したもの。資源国の国債(ソブリン債)を投資対象とする同ファンドの特色や魅力、そして、なぜ今、1年決算型を追加することになったのかなどについて、プロダクト・マネジメント部の石原豪部長(写真左)と、マーケティング部マーケティング戦略Aチームの北根久之マーケティング・オフィサー(写真右)に話を聞いた。

――そもそも08年時点で資源国のソブリン債に着目した背景は何か。

北根 「従来、機関投資家の債券ポートフォリオの大半を占めていたのが先進国債券だが、先進各国は、高齢化などに伴う成長鈍化に直面し、さらに財政問題も抱えるため、債券もリスク・リターンの両面で構造的なパフォーマンス劣化に見舞われていた。かといって、高成長の新興国でリターンを追求するには、相応のリスクが伴う。そうした中、成長率で先進国を上回り、財務面も比較的良好な資源国が投資対象として浮かび上がってきた」

――当時、資源国債券への投資をうたったファンドは初めてだったとか。

北根 「それ以前にも、単一の資源国に投資するファンドはあった。また、オーストラリアやカナダなどの保有割合が高く、結果的に資源国主体となっていたファンドはあったが、ファンド名に『資源国』を冠し、かつ資源国の債券に『分散投資』をするファンドの設定は当社が初めてだろう。その後は資源国債券投資を掲げるファンドもいくつか登場しているが、純資産総額は、当ファンド(毎月分配型)がトップに立っている」

――投資対象となる具体的な資源国名は。

北根 「7月末時点では、ノルウェー、オーストラリア、インドネシア、マレーシア、ブラジル、チリ、メキシコ、ロシアの8カ国に分散投資している。08年の設定直後に起こったリーマン・ショックにより市場が混乱していた時期には17カ国に分散投資し先進国の比率も高めていたが、市場の回復に伴い分散は保ちながら国数の絞り込みを行った。その後は2度の投資対象国変更(カナダ→ノルウェー、南アフリカ→マレーシア)を行った。状況が変化した際には機動的な変更を実施していく」

――直近の投資国変更はいつか。

石原 「5月の後半にかけて、南アフリカを外し、マレーシアを組み入れた。南アはもともと、昨夏の鉱山スト発生以降リスクが高まっていたが、地域分散の観点から組み入れを続けていた。しかし、(1)経常収支赤字幅拡大、(2)外貨準備減少、(3)資本流出――と、過去のアルゼンチン危機、アジア危機などで生じた“危険的な兆候”が見られたため、比較的安定的と見なされたマレーシアと入れ替えることになった。5月下旬といえば、日経平均が急落するなど世界の金融市場がリスク・オフムードを強めていたことも背景にある」

――毎月分配型として設定されてから5年が経過し、純資産総額も当初の25億円から1,100億円規模に達してきた同ファンドに、今あえて「1年決算型」を追加する背景は何か。

北根 「分配金に対する投資家ニーズは依然として高いが、資産形成の観点から1年決算型を望む声も生じていた。いずれかの時点で1年決算型の設定を考えていたため、来年のNISA(少額投資非課税制度)導入のタイミングもにらみ、設定を決めた。ちなみに、当社の基幹ファンドの1つである『ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド』も、当初『毎月分配型』のみでスタートし、後に『1年決算型』を追加した経緯がある」

――NISAを意識したのは、どういう点か。

北根 「もちろん、毎月分配型ファンドでNISAを活用する選択肢もあるだろう。ただ、分配金として受け取ってしまうと、NISAの非課税枠を再利用できない。制度を最大限に活用するなら、1年決算型の方が効率がいいだろう。また、NISAの制度面から言えば、5年後のリターンがプラスにならないと意味がない。その点でも、リスク・リターンのバランスが取れたファンドであり、NISAにも適した商品だと自負している」

――来週17、18日の米国FOMC(連邦公開市場委員会)では、QE3(量的緩和第3弾)縮小開始が取りざたされている。多くの新興国と同様、各資源国も資金流出による経済混乱から債券安・通貨安に見舞われるリスクがあるのではないか。

北根 「当ファンド(毎月分配型)は08年の運用開始以来、約5年間で3回、今回のような大きな下落を経験している。最初は(1)08年9月に生じたリーマン・ショック時。この時は3割強の急落となり、新興国の中に資本流出から通貨取引が止まる国も出た。次が(2)一昨年春のギリシャショック時で、約15%下落した。さらに(3)昨年のユーロ圏債務危機による約13%の下落。しかし、過去3回いずれも、それほど長い期間を待たずに下落前の水準を上回ることができた。リーマン・ショック直前の設定にもかかわらず、直近7月末時点での設定来騰落率はプラスの15.91%に達している。もちろん、今後も投資対象国が一時的な資本流出に見舞われるような局面はあるだろう。しかし、そのまま一方的な流れが続くことは考えにくい。また、商品の特性・優位性を損なうものでもなかったことが、これまでの運用成果にも表れていると言えるだろう。事実として、悲観一色だったリーマン・ショック後でも、結局、1年余りで基準価額の急落分を帳消しにすることができた」

石原 「過去を振り返っても、例えば04年に米国FRB(連邦準備制度理事会)が金融引き締めに動いた際、また06年に日銀が量的緩和解除に乗り出した際など、いずれも新興国の金利が上がり(債券価格が下がり)、通貨も大きく下げたが、その後の懸念からいったん売られた後は、債券も為替も緩やかに戻すパターンをたどっている。一時的に過剰反応しても、それはあくまでもテクニカルな動き。いずれファンダメンタルズを反映した動きに戻るものだと思う。なお、IMF(国際通貨基金)による各国の経済成長率見通しで見ると、例えば、過度な期待の集まる米国経済にしても、来年度でせいぜい2%台後半。これに対し、オーストラリアは3.3%に達する。短期的な思惑で動く通貨の上げ下げと、国の盛衰は必ずしも一致しない」

――投資対象国やウエート、具体的な銘柄の選定、投資タイミングなどの決定、実行する運用体制はどうなっているのか。

石原 「『グローバル債券運用チーム』と『新興国債券運用チーム』という2つのチームで運用を担っている。2つのチームそれぞれが専門分野に特化してのチームアプローチは、このファンドの大きな特徴と言っていいだろう。また、当社の豊富な運用実績に基づいた定量モデルも力を発揮している。先ほど、南アフリカを外した背景として“危険的な兆候”を指摘したが、当社の『通貨リスク予測モデル』による通貨のウォー二ングで、暴落の可能性が示唆されたためでもある」

――ほかに、ファンドの特色などがあれば一言。

北根 「近年、設定されるファンドには、『分かりやすさ』を前面に出すなど、販売しやすさに比重を置いて商品設計されたものも多いように感じる。例えば、説明負担を軽減するための投資対象国の限定や固定などは、運用の根幹に当たる分散投資を放棄するものだと思う。運用面における地域分散の重要性にこだわった当ファンド(毎月分配型)は、当初の資金流入はスローペースだったが、地道にパフォーマンスを上げることによって、結果的に13年7月末現在、純資産総額1,131億円にまで成長した。金融市場全体が大暴落に見舞われた、リーマン・ブラザーズ破たん(08年9月15日)の前日に購入していただいた投資家でも、現在まで保有してくださっていれば運用成績はプラスになっていることが、有効性の証しではないかと考えている」

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