東京海上AM投信 9月3日新規設定  「東京海上・米国新興成長株式ファンド(愛称:グローイング・アメリカ)」

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米国の「新興成長株式」への投資で米国の成長を享受

本荘和宏氏

本荘和宏氏

マルチマネージャー運用部長 本荘和宏氏

世界経済は依然として方向感が定まらぬ展開が続くが、引き続き米国の影響力が大きいことには変わりない。東京海上アセットマネジメント投信は9月3日「東京海上・米国新興成長株式ファンド(愛称:グローイング・アメリカ)」を新規設定した。ファンドの概要と米国株式市場の現状などを、マルチマネージャー運用部長の本荘和宏氏に聞いた。

――まずはファンドの概要を教えてほしい。

「投資対象は米国の取引所に上場する中小型株。中でも、売上高や収益の拡大など成長が見込まれる『新興成長株式』にフォーカスして、キャピタルゲインを狙う。決算は年2回。原則、為替ヘッジは行わない」

「数々の技術革新により世界をリードしてきた米国がこれから見せてくれる『夢』に期待する。1903年にライト兄弟が世界初の有人飛行に成功、それからわずか66年後には人類が月に立った。西部開拓時代に培われたフロンティア・スピリット(開拓者精神)は今なお受け継がれており、リーマン・ショック後の金融危機からいち早く立ち直ったのも米国だった。足元、米国企業の1株当たり利益は過去最高水準にあるが、引き続き拡大傾向が続くとの予想がある」

――米国新興成長株式の魅力は?

図1

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「米国の新興成長企業といえば、数々の技術革新で世界を席巻したマイクロソフト、シスコシステムズ、アマゾンドットコム、グーグルなどが代表格。例えばマイクロソフトは1986年3月の上場当時は時価総額6.3億米ドルだったものが、5年後には115.3億米ドルと約18倍になり、シスコシステムズは上場から5年で約83倍になった」

「各社とも上場後に飛躍的な成長を遂げ、株価もこれに伴って上昇した。当ファンドはこれらの企業に続く将来の米国を代表する企業を発掘して、より大きな投資成果獲得の機会を投資家の皆さまに提供したいと考える」

――新興成長株式、足元の状況は。

「近年、世界経済が低迷する中でも、米国の新興成長企業は独自の利益成長を続けている(図1)。『高い技術力』を持つ企業も多いため、競争力が高く業績が経済環境に影響されにくいこと、得意分野への経営資源の集中などニーズの変化への対応が素早いといったことも大きな強みとみている」

図2

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「『高い技術力』はM&A(企業合併・買収)というプレミアムの可能性をも秘めている。リーマン・ショック後の景気低迷下で米国企業はリストラを行って内部留保をため込んだ。結果、足元では米国企業の現預金保有額は9,700億米ドルほどと、直近10年間で過去最高水準に(図2)。今後は大企業が競争力・収益力の向上のため、潤沢な現預金を元手に新興成長企業に対するM&Aを活発化させることも想定される(図3)」

――そもそも「新興成長株式」とは?

「中小型企業には(1)技術革新など高い競争力を武器に新規上場を果たした直後の『発展期』と、(2)その後の知名度向上、収益の黒字化などに伴う『成長期』という2段階の大きな収益機会があると考える。これを狙える企業の株式を、当ファンドでは『新興成長株式』と定義している」

図3

図3

「新興成長株式は、大型株と比べて担当アナリストが少ないことも大きな魅力だ。米国企業1社当たりの平均担当アナリスト数は、時価総額100億米ドル以上の企業533社については平均約20.8人がカバーしているのに対し、時価総額30億米ドル未満の3,175社については平均約5.8人にとどまる。しかも3,175社のうち501社はゼロという。当ファンドではこの『情報格差』にも着目。小型企業のリサーチに特化した運用会社とタッグを組むことで、市場で注目される前の段階で企業の実力を見極めることを目指す」

――ファンドの肝である運用会社について。

「当ファンドの運用は米国株式運用に強みを持つ2社に委託する。1社はRSインベストメンツ。起業家の聖地・シリコンバレーを臨むサンフランシスコに本社を置く、中小型成長株を専門とする独立系の運用会社だ。アナリスト1人が年間500社を訪問するなど、ファンダメンタルズ分析に基づくボトムアップ・リサーチを徹底。最先端技術を持つような企業や新興セクターの早期発見を得意とする」

「もう1社は、世界有数の資産運用会社レッグ・メイソン・インク傘下のクリアブリッジ・インベストメンツだ。こちらは金融の中心ニューヨークに本社を置き、米国株式全般を対象とした運用を長年手掛けている。こうして拠点も米国の東西に分かれ、セクターや規模別などの縛りを設けず、さまざまな視点からの分析を2社が並行して行うことで、精度の高いポートフォリオの構築が可能になると考える」

――米国経済の現状と今後の見通しについて。

「これまでの米国経済低迷は、住宅バブル崩壊に端を発する雇用環境の悪化など『消費低迷』、大きく膨らんだ『双子の赤字』、インドや中国といった新興国の台頭による『米国製造業企業等の競争力低下』――などが主な要因だったが、これらは『構造変化』によって徐々に解消されつつある。実質GDP(国内総生産)成長率は過去20年間の平均が2.5%となっているが、2014年以降これを上回る水準で推移すると見込まれている」

――構造変化とは?

「『生産年齢人口』と『シェールガス革命』だ。日本とは異なり移民政策を推進する米国では今後、生産年齢人口(15-64歳)の増加が見込まれている。生産能力の拡大とともに消費を拡大させるなど、中長期的な経済成長支える原動力になるとみている」

「そして米国はシェールガス革命により、2020年ごろには天然ガスの純輸出国に転じると見込まれている。足元ではシェールガス増産を受けて天然ガス価格が低下。例えば米国の産業用電気料金は2011年時点でkW当たり7セントと2007年当時とほぼ変わらないのに対し、フランスは過去4年で2.2倍の12.2セント、日本は1.5倍の17.9セントとなっており、米国は他国と比べて圧倒的に安い水準にある。これを武器に、製造業を中心とした米国企業の世界的な競争力が高まっている」

「企業収益の改善に伴って国民の所得も向上。住宅価格も反転して、消費マインドが改善傾向にある。なにより、エネルギーコストの低減は双子の赤字縮小にも貢献。米国では貿易赤字額の6分の1をエネルギーコストが占めると言われている」

――米国株投資、今後の留意点は。

「こうして徐々にではあるが景気回復が進む中、今後は、過剰マネーが勢いで作り出す流動性相場が一段落して、業績相場に移行するとみられ、銘柄選定の重要性がより際立つだろう。大企業はグローバル展開しているケースが多く、新興成長株式は、米国成長の恩恵をより享受できるという点でも、当ファンドのコンセプトに合致している」

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