「ダイワ欧州高配当株ファンド」8月30日新規設定 大和証券投資信託委託

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「出遅れ、割安、高配当」の欧州株投資を実現

磯辺孝弘氏

磯辺孝弘氏

商品企画部 課長代理 磯辺孝弘氏

長らく続いた欧州経済の低迷。その原因である欧州債務危機は沈静化し、回復の兆しが。大和証券投資信託委託は8月30日「ダイワ欧州株高配当株ファンド(為替ヘッジあり/為替ヘッジなし)」を新規設定する。ファンドの概要と欧州経済の現状を、商品企画部課長代理の磯辺孝弘氏に聞いた。

――まずはファンドの概要を教えてほしい。

「世界の投資家から再評価され始めている欧州株を投資対象とする。欧州の金融商品取引所に上場する株式など(※REITを含む)の中で、予想配当利回りが高い銘柄を中心に投資し、株式投資の醍醐味ともいえるトータルリターンを当社の運用力で追求する」

「対象国はアイルランド、イギリス、イタリア、オーストリア、オランダ、ギリシャ、スイス、スウェーデン、スペイン、デンマーク、ドイツ、ノルウェー、フィンランド、フランス、ベルギー、ポルトガルの16カ国(※2013年6月時点。今後変更されることがあります)。分配は年2回(2月、8月)。『為替ヘッジあり』『為替ヘッジなし』の2種類を用意した」

――欧州株投資の魅力は。

図1 各国・地域の株価推移

図1 各国・地域の株価推移

「欧州株は相対的に“出遅れ”ている。米国の株価がリーマン・ショック直前の水準(08年6月末)から30%超上昇しているのに対し、欧州はいまだ10%ほど下回った状態にある(図1参照)」

「株価バリュエーションも割安だ。配当利回りは米国株2.1%、先進国全体2.7%に対して欧州株は3.8%と高水準。予想PERは12.4倍と、米国株14.8倍、先進国全体13.9倍を下回る」

「これまでの経験則上、割安なバリュエーション水準が修正される過程では、過去平均を目指した株価上昇が期待される。欧州株の場合、PER、PBR(株価純資産倍率)の直近の水準を100とすると、1999年1月末から2013年6月末までの過去15年間の平均値は、PERが177、PBRが124となり、バリュエーションの水準訂正が期待される。また、予想EPS(1株利益)成長率は12.4%と、米国11.1%、先進国全体11.6%を上回る。欧州株は“割安修正”“利益成長”の両面から今後の株価上昇が期待される」

――なぜ今、欧州株なのか。

図2 欧州株式とイールドスプレッド

図2 欧州株式とイールドスプレッド

「現在、欧州は株式の配当利回りが国債利回りを上回る『逆イールドスプレッド』状態にある。株式が債券に対して割安な水準にあるわけだが、過去、逆イールドスプレッド状態の時に欧州株に投資したとすると、大きな投資収益を獲得できた(図2参照)」

「さらに欧州株の中から『高配当株』を切り出すことで、リターンの上乗せが確認された(図3参照)。当ファンドは市場全体を上回る反発力を備えた高配当株に特化することで、効率の良い運用を目指す」

――高配当株投資の魅力は?

「高水準の配当利回りに加えて、そもそも高配当である企業の特徴自体に魅力がある。(1)継続的に配当を行うことが期待できる企業の業績は、景気に左右されにくく、安定的に推移する傾向がある、(2)高水準の利益と配当を継続的に生み出せる企業は、競争力があり、今後の成長が期待できる、(3)安定的な業績や高水準の利益を獲得できる企業は、強固な財務体質を背景に増配や自社株買いなどの株主還元に積極的に取り組む傾向があり、今後の株価上昇が期待できる――といった特徴を備える」

――銘柄選定など運用体制について。

図3 イールドスプレッド水準ごとの株価騰落率

図3 イールドスプレッド水準ごとの株価騰落率

「銘柄選定に当たっては予想配当利回りに加えて、企業の利益成長性や財務内容などについても独自の定量・定性分析を行う。運用は当社東京オフィスで行うが、当社のロンドン現地法人であるダイワ・アセット・マネジメント(ヨーロッパ)リミテッドの助言を受ける」

「ロンドン現地法人では運用・アナリスト歴約30年のヘッドを中心に、経験10年以上のメンバーでリサーチ・チームを構成。全組入銘柄について常時、企業にコンタクトをとりながら得た情報を、東京の運用チームと共有する。この結果、導き出された独自予想と市場コンセンサスとの比較を行うことで、市場価格に反映されていない価値を見いだす」

――ソブリンリスクなど欧州経済には不安を感じる。

「リーマン・ショック、欧州債務危機などの影響を受けて投資が敬遠されていた欧州株も、足元は上昇傾向にある。ギリシャ10年国債利回りは11年末に35%ほどにまで上昇したが、足元では10%台前半に落ち着いている」

「昨年7月ドラギECB(欧州中央銀行)総裁が『ユーロ安定化のためなら何でもする』と発言。以降、欧州は危機を沈静化するため、流動性の供給やセーフティーネットの整備などを行い、欧州安定化への道筋をつけた。具体的には、昨年9月に無制限に国債を買い入れる『OMT(国債購入プログラム)』を導入。10月には恒久的な救済基金『ESM(欧州安定メカニズム)』を発足させた」

――欧州経済の現状は。

「信用不安による金利高騰リスクの後退などから、欧州各国の中には緊縮財政一辺倒の対応から成長に配慮した政策運営を目指す動きも。緊縮財政の緩和は、個人や企業の負担軽減→マインドの回復による消費・設備投資の改善→雇用・所得環境の改善と、実体経済にプラスの影響を及ぼすと考えられる」

「欧州の輸出額はリーマン・ショック時に大幅に下落したものの、その後は通貨安を背景に順調に回復。足元ではリーマン・ショック前の水準を上回っている。欧州は12年8月以降10カ月連続で外国からの証券投資の流入が続いており、その総額は約4,000億ユーロに上る。力強い回復を見せる欧州の株式に世界が注目している」

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