NISAにマッチしたファンドとその活用方法 三井住友アセットマネジメント

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「コーポレート・ボンド・インカム(為替ヘッジ型/1年決算型)/(為替ノーヘッジ型/1年決算型)【愛称:泰平航路1年決算型】」
「グローバル・マルチボンド・ストラテジー(1年決算型)【愛称:債券ナビ】」など

伴野清志氏

伴野清志氏

営業企画部長 伴野清志氏に聞く

2014年1月の制度開始に向けNISA(少額投資非課税制度)への注目度が高まっている。その中核商品になると予想される投資信託では、その活用方法に投資家の関心が寄せられている。投資入門者から既存の投資家までどのような対応が適切なのか。三井住友アセットマネジメントは、NISAが幅広い投資家に活用されることを想定し、多様な商品ラインアップをそろえている。NISAにマッチしたファンドとその活用方法について、同社営業企画部長の伴野清志氏に聞いた。

■投資家の特性とニーズ

NISAは、中長期的な資産形成を支援することを目的としており、投資家にとって非常にメリットがある制度だ。また、NISAの非課税メリットは、投資の経験などに関係なく、幅広い投資家層がその恩恵を享受することができる。当社は、NISAが資産形成の手段として多くの方に活用され、国民的な制度として普及していくよう、運用会社として積極的な取り組みを行い、投資信託業界の発展につなげていきたいと考えている。運用会社としてのNISAの取組方法は諸々あるが、多様な投資家の中長期的な資産形成に貢献できる商品の開発・提供が重要なポイントだと考えている。

NISAの非課税メリットを享受する投資家層は、新規投資家・資産形成層と既存投資家層に大別してとらえることができる。それぞれの投資家層の特徴を考察してみると、いろいろな側面が考えられる。新規の投資家は、大きな価格変動に対する警戒感が強いと考えられリスクに敏感な投資家と思われるが、新規投資家には比較的年齢の若い資産形成層も含まれる。資産形成層は、本来、投資の成果を追う時間的な余裕があり、比較的リスク許容レベルは高い投資家ととらえられる。新規投資家・資産形成層には、リスクレベルの慎重な検討とシンプルで分かりやすい商品設計が望まれるだろう。一方、既存投資家層についてはどうか。現状の投信マーケットでは、依然として毎月分配型の人気が高く、年金の補完として投信を活用している投資家が多いと考えられる。その一方で、分配金を受け取らず複利効果を狙って積極的に収益を追求する投資家もいる。毎月分配型はNISAに適合しにくいとの意見も聞かれるが、普通分配金が非課税になる部分を享受できれば投資家にとってメリットがあると考えられるし、積極的にリスクを取って投資をしている投資家であれば、大きな値上がり益を狙って、NISAの非課税メリットを最大限享受できる側面もある。

このようにNISAを活用する投資家の思考は多岐にわたると考えられる。投信の販売会社も多様なニーズに対応するためにさまざまな戦略を検討されているだろうから、そのニーズに応えられるよう、当社においても幅広いNISA対応商品ラインアップを用意している。

■代表的な商品

NISAでは、分配金の再投資は新規投資と見なされ投資枠を消費してしまうことになる。また、特別分配金はそもそも非課税であり制度上のメリットを享受できない。これには注意が必要だ。そのため今後は分配金を極力抑えて、複利効果により中長期的に収益を積み上げていける商品へのニーズが高まることが想定される。そこで既に長期の実績がある毎月分配型ファンドを年1回決算型にして新たに投入することの検討も進めている。

「コーポレート・ボンド・インカム(為替ヘッジ型/1年決算型)/(為替ノーヘッジ型/1年決算型)【愛称:泰平航路1年決算型】」

NISA導入を契機にリスク許容度の観点から価格変動を抑制した形の商品が望まれるケースが多くなってくるだろう。いくつか当社のラインアップを紹介したい。まず、「コーポレート・ボンド・インカム(為替ヘッジ型)/(為替ノーヘッジ型)」【愛称:泰平航路】」は、2009年5月23日に設定した毎月分配型のファンド。米ドル建ての投資適格社債に投資するもので、格付けが高く、信用力の高い投資対象を選んでいる。為替ヘッジ型と為替ノーヘッジ型の2つのコースがある。「泰平航路」は、投資対象の信用力が高く、為替ヘッジ型は為替リスクも抑えているので、基準価額は相対的に安定した値動きだ。その安定性に着目し、1年決算型の「コーポレート・ボンド・インカム(為替ヘッジ型/1年決算型)/(為替ノーヘッジ型/1年決算型)【愛称:泰平航路1年決算型】」を新規に設定し、NISAでの活用を提案したいと考えている。

「グローバル・マルチボンド・ストラテジー(1年決算型)【愛称:債券ナビ】」

「グローバル・マルチボンド・ストラテジー(1年決算型)【愛称:債券ナビ】」については今年6月に新規に立ち上げたファンドだ。NISAでは非課税投資枠が上限に達してしまうと買い替え(リバランス)ができないことから、さまざまなマーケット環境に適応していけるようなバランス型ファンドへのニーズが高まることが想定される。バランス型は株や債券、REIT(不動産投信)などいろいろな資産が含まれているのが一般的な姿だが、当ファンドはNISA向けということを念頭に、安定的な資産で運用したいというニーズに応えられるよう債券だけを対象にしてさまざまな種別に分散させることとした。つまり債券のバランス型と位置付けられる。投資対象は先進国の投資適格債券(含ソブリン債券)と新興国のソブリン債券だ。投資比率については、先進国の投資適格債券70%、新興国のソブリン債券30%を基本としている。先進国の投資適格債券は安定性が魅力ではあるが、現状、利回りへの大きな期待は持てない。一方新興国のソブリン債券は、高い利回りが期待できるが値動きは相対的に大きくなってしまうことが特徴として挙げられる。そこで安定性を意識しながら収益性も狙える比率ということで「70:30」を基本配分に置いた。これをベースに市場環境の変動に応じてプラスマイナス20%まで動かせるように機動性を持たせている点がポイントとなる。もう一点、海外債券ファンドということで為替変動リスクを考えていく必要がある。海外債券への投資にあたっては、為替が価格変動の大きな割合を占めているため、基準価額の下落を抑制するために、為替ヘッジも機動的に行っていくという機能をつけている。このように投資対象から株を外して、債券でも格付けの低いハイイールド債は対象外にすることによって、シンプルで、分かりやすさを追求した商品性にしている。NISAの制度を踏まえ、債券のアロケーションと為替ヘッジの機動性をファンドの中で持たせている、こうした点が当ファンドの設計上の根幹に当たるところだ。

そのほかにも、積極的にリスクを取っていけるような投資家向けには「三井住友・グローバル・リート・オープン(1年決算型)【愛称:世界の大家さん(1年決算型)】」を用意している。「世界の大家さん」の毎月分配型は、来年で設定から10年となり、純資産残高は約1500億円、取扱販売会社(取次含む)も150社を超えているロングセラーのファンドだ。実績のあるファンドの「1年決算型」として当ファンドも多くの販売会社に提供していきたいと考えている。

■今後の商品投入の取り組み

先に述べた既に長期の実績がある毎月分配型ファンドを年1回決算型にして新たに投入することと同時に「債券ナビ」の考え方の延長線上にあるバランス型ファンドの市場投入の検討も進めている。「債券ナビ」は、価格変動の安定性や商品設計のシンプルさ、分かりやすさを意識して債券のみを投資対象としたが、検討中のバランス型ファンドは、株やREITも投資対象に含め、その配分比率を機動的に変更するタイプの商品だ。

NISAに関連する今後の商品投入に関する考え方の一部を紹介させていただいたが、投資家の需要を分析しつつ、良質なファンドを随時市場投入していくことを基本的な考え方として位置付けている。

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