ロシア、エネルギーで優位なポジション カレラアセットマネジメント「ロシア株式ファンド」

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株式市場のバリュエーションが非常に魅力的

カレラアセットマネジメント

左から塩澤聡氏、上原愛氏、児嶋竜三氏、宮元勉氏
運用は4人体制で

運用部チーフインベストメントオフィサー
塩澤聡氏に聞く

カレラアセットマネジメントは、8月29日に「ロシア株式ファンド」を新規設定する。同社は昨年7月に公募投資信託の第1号として日本初のニュージーランド株100%のファンド「ニュージーランド株式ファンド」を設定。以来、「スイス株式ファンド」「カレラJリートファンド」(愛称ナショナルテニス サポーターファンド)、「メキシコ株式ファンド」「オランダ株式ファンド」「カタール・アブダビ株式ファンド」に続く第7弾。同社の商品ラインアップは着々と拡充している。販売会社は安藤証券、他社からも販売参加の希望があれば受け付ける。当初申し込みは12日から開始。そこで「今、なぜ、ロシア株式なのか」など設定の背景や、同国の経済・株式動向、ファンドの魅力などについて、同社運用部チーフインベストメントオフィサーの塩澤聡氏に聞いた。

■「今、なぜ、ロシア株式なのか」

ロシアは、豊富な天然資源をベースに個人消費とインフラ投資の増加により経済成長が期待でき、現在、株式市場のバリュエーションが非常に魅力的である点に着目した。

世界的な人口増加と新興国の経済成長という世界の社会・経済の2つの重要なファクターにより、中長期的にエネルギー需要が増加し続けると想定されている。特に、今後の10―20年のエネルギー需要見通しを品目別に見ると、今まで以上に石油と天然ガスが一段と重要な地位を占めることが想定される。こうしたトレンドから、石油と天然ガスというエネルギーに立脚したロシアは優位なポジションにいる。

■世界有数の資源国

まずエネルギー資源については、世界トップクラスの石油・天然ガス大国だ。石油は生産シェア12.8%の世界2位で、埋蔵量は世界8位。天然ガスは生産シェア17.6%、の世界2位で、埋蔵量も世界2位だ。ロシアの輸出金額での燃料・エネルギー製品の割合は約7割と非常に重要な位置を占めている。

鉱物資源についても、世界有数の資源国。ステンレスに使われているニッケルは、生産量世界3位・埋蔵量世界4位、工業製品に幅広く活用される銅は、生産量世界6位・埋蔵量世界6位、ガソリンエンジン触媒に使用される白金族金属は、プラチナ生産量世界2位、パラジウム生産量世界1位、ダイヤモンドの生産量も世界トップクラスだ。ロシアの主要産業の一つである非鉄金属産業は、新規設備建設や生産性向上で、2030年にまで現在の1.5倍程度に増加すると予想されている。

■個人消費も注目

欧州で最大の1.4億人の人口を有する個人消費市場は、拡大が期待されている。小売売上高は2010年以降前年比6―7%の成長が続いている。近年、失業率が着実に低下して、賃金が上昇、可処分所得が増加していることが背景だ。IMF(国際通貨基金)のデータでは、1人当たりGDP(国内総生産)の水準も2012年の1万4247ドルから2018年には2万2906ドルへ約60%の増加が予測されている。

■経済構造の転換

1990年代のソビエト連邦崩壊・ロシア危機で低水準に落ち込んだ固定資産投資は、2005年のIMF債務完済以降、鉱業や製造業のインフラ整備向けに大きく増加している。ソ連時代に形成された宇宙航空・自動車・IТなど幅広い産業の構造改革・設備の近代化が図られている。

2014年のソチ・オリンピック・2018年のサッカーワールドカップの開催に向けて、交通インフラなどの都市基盤の整備に多額な固定資産投資が行われている。また、ソチではオリンピック施設の活用でF1ロシアグランプリが2014年より開催される。

石油・天然ガスの生産・輸出によって得た資金で内需の底上げを図り、天然資源輸出に依存した経済構造から内需主導型への転換が図られている。

■世界戦略を東方にシフト

世界戦略を東方にシフトしているロシアで、2012年9月に極東のウラジオストクで開催したAPEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議に合わせて、大規模なインフラ投資を行い、極東開発を推進した。また、ESPO(東シベリア太平洋パイプライン)が稼働し始め、東シベリア産原油を東アジアへ輸出することが期待される。6月に石油最大手企業のロスネフチが中国への25年間の原油を供給する契約を締結した。契約金額は推定2,700億ドル、2018年に推定日量60万バレルに達する見込みだ。既存分と合わせると、現在のロシア原油生産量の約1割になる。ESPO原油価格は、将来、東アジアの指標銘柄になる可能性がある。

■経済成長新分野

経済成長新分野としては、(1)石油化学、(2)観光・MICE、(3)金融・情報が期待される。石油化学分野については、プラスチック製品の需要は今後世界的に増加すると予測され、原油を単に輸出するよりも石油化学生産によって付加価値の高い輸出に重点を置いている。同様に、「Gas To Liquids」によって天然ガスから環境負荷が低く、付加価値の高い石油製品を製造することに力を入れている。

観光・MICEのMICEは、Meeting(会議・研修・セミナー)、Incentive tour(報奨・招待旅行)、Convention またはConference(大会・学会・国際会議)、Exhibition(展示会)の頭文字をとった造語で、ビジネストラベルの一形態を指す。国際会議などのビジネストラベル分野の誘致に注力している。また、カタール航空やエティハド航空(アブダビ)というハイクラスの航空会社を有していることが強みとなっている。

■金融・情報

金融・情報については、潤沢なオイルマネーをバックにした金融センターとしての重要度は高く、イスラム金融の高まりにより存在感を増している。また、アルジャジーラという英語とアラビア語の24時間ニュース放送している衛星テレビ局を有しており、アラブの世論形成や世界への情報発信で大きな影響力を与えている。

■株式市場

株式市場については、MSCIでカタールとUAEのカテゴリーがフロンティア市場から新興国市場に格上げされる。今後、取引量の増加とともに投資対象としての魅力が高まることが期待される。セクター・ウエートの特色は、金融セクターのウエートが非常に高く、カタールで6割弱、アブダビで7割強を占めている。株価指数は、リーマン・ショック後の高値を更新して順調に上昇してきている。企業業績は10%前後の増益が期待されている。

■為替相場

為替相場については、カタールリヤルとUAEディルハムとも米国ドル・ペッグ制を採用しており、安定的にコントロールされている。

こうした状況から総合的に考えてカタールとアブダビ株式の中長期的な上昇を既定している。

■運用ポートフォリオ

カタールとアブダビの株式市場の上場銘柄数は、カタールが42銘柄、アブダビが66銘柄で、合計108銘柄。当ファンドのポートフォリオについては、厳選した二十数銘柄で構築したいと考えている。

■運用体制

当ファンドの運用体制は4人。私がチーフインベストメントオフィサーを務め、サブファンドマネージャーは運用部長の児嶋竜三、チーフトレーダーは参事の宮元勉、アシスタントファンドマネージャーは上原愛がそれぞれ担当する。

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