日本経済の本格好転を買う 新光投信「新光日本株成長戦略ファンド(通貨選択型/繰上償還条項付)」8日設定

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アベノミクス恩恵銘柄が対象

関口智信氏

関口智信氏

円含む6つの通貨コースから選択

運用調査本部 運用一部 国内株式チーム
ファンドマネージャー 関口智信氏語る

新光投信は8日、「新光日本株成長戦略ファンド(通貨選択型/繰上償還条項付)」を設定した(8日から継続申込期間、販売は、みずほ証券ほか)。アベノミクス政策“3本の矢”から恩恵を受ける日本株に投資する当ファンドの特色や魅力について、新光投信運用調査本部運用一部国内株式チームの関口智信ファンドマネージャーに話を聞いた。

――まず、アベノミクス政策に着目した今回のファンド設計の理由、背景などについて聞きたい。

「昨秋以降に安倍晋三首相の打ち出した政策はいずれも的を射ており、これから日本経済が一段と好転に向かうとみて、安倍政権の政策に恩恵を受ける銘柄群に焦点を当てることにした」

――ファンド名で「成長戦略」をうたっているが、“3本の矢”の1、2番目に当たる「大胆な金融政策」や「機動的な財政政策」よりも、3番目の「成長戦略」を重視するという表れか。

「あくまでも、3つそろってこそ日本経済改善を促すとの位置付けだ。“本丸”の成長戦略が十分な効果を発揮するまでには、どうしても、ある程度のタイムラグが生じてしまう。デフレ下では投資は伸びない。まず、真っ先に打ち出した金融緩和でデフレ解消に働きかけ、民主党政権下で滞っていた財政政策を進め、そして成長戦略につなげていく。これらは、今の日本にとって必要な『だんどり』として評価している」

――5.23暴落(日経平均1,143円安)を経て、一時期のアベノミクス礼賛論ばかりではなく、マイナス面を批判する論調なども目にするようになってきたが…。

「どんな政策にも一定の副作用を伴うことはある。しかし、デフレとインフレのどちらが経済に悪影響を及ぼすかといえば、やはりデフレだ。インフレは、設備投資や消費を刺激するプラスの効用が大きい。『2%』というインフレ目標を掲げているが、これを超えていくようであれば金融政策は相応の対応が図られると思われ、今の段階でハイパーインフレは懸念していない。そもそも、5月下旬からの株式市場の調整は、あくまでも米国金融政策の“出口政策”への警戒感に起因するものだ。急落したのは日本株だけではなく、新興国の株式相場も崩れているのがその表れと言えよう」

――とはいえ、安倍政権による肝心の成長戦略発表直後にも株式は大幅安しており、市場では「総花的で期待外れ」といった声も聞かれたが、これをどうみているか。

「発表内容自体は、おおむね想定通りだ。参院選前というタイミングを考えれば、批判・反対勢力が台頭しかねず、踏み込んだ内容にはならないことは想定されていた。むしろ、参院選で与党が安定多数を確保した後で、秋口にかけて新しい成長戦略がいろいろと浮上してくると考えている」

――新しい政策が表面化してくれば、それに対応してファンドの組み入れ銘柄も変わってくるのか。

「もちろん、ポートフォリオの中身は機動的に変更し、その時々で魅力のあるものを組み入れていく」

――ポートフォリオ構築のプロセスを聞きたい。

「まず、トップダウンで政策内容を分析し、恩恵を受ける産業分野を選定する。対象となるセクターの中から、次にボトムアップでの銘柄選択を行う。普段から企業調査を行っているアナリストとファンドマネージャーが具体的な投資対象を絞り込んでいく。例えば、政策効果で円安が見込まれると判断した場合、恩恵を受けるのは、自動車を筆頭とする輸出業界ということになる。中でも収益メリットが、より大きい個別企業はどこかといった手順で組み入れ銘柄選定を進めていく」

――“3本の矢”のそれぞれについて恩恵が期待される業種は。

「例えば、『金融政策』で恩恵が期待されるのは、自動車、銀行、不動産など。『財政政策』で、建設、総合電機、ITなど。『成長戦略』では、ノンバンク、食品、医療、バイオ、といったところが挙げれられる」

――ファンドの販売用資料の中の参考ポートフォリオでは、組み入れ銘柄数は50となっていた。

「これは、あくまでも4月30日現在での参考ポートフォリオだが、組み入れ銘柄数については、できるだけ絞り込んだものにしたいと考えている。ただし、ファンドの規模によって、あるいは今後の成長戦略具体化に伴って小型株の組み入れが増えてくれば、50銘柄を超えてくることも十分あり得る」

――参考ポートフォリオの「代表的な構成銘柄」としてはトヨタや三菱UFJ、三井不動産などの名が挙げられていたが、これについては…。

「前述の通り、もちろんファンドの具体的な組み入れ銘柄を示すものではないが、ここでトヨタを挙げたのは、自動車株大手の中でも『日本での生産を維持した』という側面を持ち、為替の影響(円安メリット)が大きいことが背景だ。また三菱UFJフィナンシャル・グループは、大胆な金融緩和による脱デフレで資産価格上昇が想定される経済環境下で恩恵の大きいメガバンクとして注目。三井不動産も同様に資産価格上昇が直接的なメリットとなる」

――参考ポートフォリオの中で紹介された上位銘柄は時価総額の大きい主力株ぞろい。失礼ながら、少々面白みに欠ける顔触れのようにも思えるのだが。

「実を言うと、小型株も運用しており中小型株にも注目しているのだが、現状は日本経済の本格的な回復が予想され、一段の外国人買いも期待されるこれからは、業種代表銘柄を買っていく相場になると考えている。参考ポートフォリオの上位銘柄の顔触れも、こうした相場観を受けてのものだ。今後、成長戦略の恩恵を受けて投資妙味が高いという観点から銘柄選択をした結果、時価総額が相対的に小さい銘柄を組み入れることもあるだろう。特に、これから具体化してくる成長戦略はさまざまな分野にわたるので、業績動向が大きく変わってくる小型株も出てくると考える」

――日本株の今後について強気スタンスのようだが、先行きをどうみているのか。

「日本企業の増益率は主要各国の中でも非常に高い。現在の日経平均の水準では、PERで16倍程度。過去の水準と比べても、また、米国株など国際比較上からも、なお割安水準にあり、魅力的な投資対象と言える。来期予想利益をベースに、2006、07年ごろのPER20倍水準で試算すると、ゆくゆくは日経平均で2万円程度の水準も見えてくるのではないか。5月下旬からの急落展開も、むしろ『(急騰を続けてきた相場が)やっと調整してくれた』との受け止め方だ。米国が金融緩和の出口戦略に動いた過去の例では、1992年や2004年にも相場は大きく荒れたが、米国の金融引き締めは、長期金利上昇、ドル高・円安につながるため、相場が落ち着けば、日本株の上昇要因となる。例えば04年の相場と比較すると、新興国経済にいまひとつ元気がない点などの違いがあり、本格的な上昇局面入りは、なお数カ月を要する可能性もあるが、現在の株価水準なら中長期スタンスで投資していく好機となろう」

――新興国のリスク要因として、最近にわかに脚光を浴びてきた「中国シャドーバンキング(影の銀行)」問題については、どうみているか。

「当社の外国株チームとも随時ディスカッションし、情報交換を行っている。中国の政策は経済健全化の方向にかじを切っているが、その過程でも金融システムを壊すようなことはしないだろうという見立てだ。短期金融市場の逼迫(ひっぱく)が懸念された6月末も、最終的には中国人民銀行が資金供給に動いており、ハードランディングさせるつもりはないことを印象付けている」

――「通貨選択型」としたこともファンドの大きな特徴で、円コースのほか、米ドル、ユーロ、ブラジルレアル、トルコリラ、ロシアルーブルと計6つの通貨コースを設けている。その理由は何か。それと、「トルコリラコース」は珍しいのでは…。

「アベノミクスにより、中長期的な円安傾向が期待されている。今後の日本株高を享受しつつ、それぞれの通貨の上昇を取りにいく選択肢を加えようと考えた。投資家の好みに合わせて、先進国・新興国各3つの通貨コースを設定した。ちなみにトルコは、足元こそ政情不安なども指摘されるが、長い目で見て、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)に続く成長新興国としても期待される国だ」

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