フィデリティ投信「2013年サラリーマン1万人アンケート」調査結果

個 別


サラリーマン3人に1人が投資家も、退職金「運用派」はわずか8%

野尻哲史氏

野尻哲史氏

フィデリティ退職・投資教育研究所 所長 野尻哲史氏

フィデリティ投信は先ごろ、サラリーマン約1万人を対象に「退職準備の度合いと資産運用」に関するアンケート調査を実施、その分析結果を発表した。同調査は3年ぶりに実施されたもので、前回回答との比較から「退職準備の格差が拡大」などいくつかのポイントが浮かび上がった。今回は「投資に対するスタンス」に焦点を当てて調査結果を紹介する。

(アンケート概要)
調査対象:20歳―59歳の会社員、公務員など
調査地域:全国
調査方法:インターネット
調査期間:4月5日-12日の8日間
回収サンプル:1万1,507人

「投資」に対するスタンス/投資家の心理的変化

投資先は「日本株」が7割

現在投資している投資商品

現在投資している投資商品


サラリーマン1万人に聞いた結果、「実際に投資を行っている」と答えたのは3,590人。彼らに具体的な投資商品を聞くと、複数回答で、7割が日本株を保有していると答えた。日本株投信、外国株投信、外貨預金、毎月分配型投信などはそれぞれ2割程度となっている。

性別、年代別、年収別に見ると、日本株は40歳―50歳代男性、FXは20歳-30歳代男性、毎月分配型投信は40歳―50歳代女性に嗜好(しこう)される傾向があり、これは3年前と変わらない。

なぜ、投資をしないのか?

投資をしない理由

投資をしない理由

一方で「投資をしない」と答えた7割にその理由を聞くと、トップは「まとまった資金がないから」だった。相対的に年齢の高い層がこれを理由にしている。ただ、この3年間で48.4%→39.0%と10ポイント近く比率が低下している。

次点は「資金が減るのがいやだから」で性別、年代、年収にかかわらずほぼ3分の1が回答している。「何をすれば良いか分からない」「色々勉強しなければならない」など知識不足を挙げる声は若い女性に多い。

投資のイメージが若年層で改善

投資という言葉を聴いて感じるイメージは

投資という言葉を聴いて感じるイメージは


「投資」と聞いて感じるイメージを、「前向き」「楽しい」「儲け」「明るい」といった明るいイメージの言葉と、「リスク」「ギャンブル」「損失」「怖い」といった負のイメージの言葉(合計8つ)から選択させた。

依然、投資に対するイメージの典型は「リスク」であり、全体の45.8%が選択。一方で、明るいイメージの4つの言葉を選んだ人の比率は2,010年の22.8%から24.3%に上昇している。

足元では長らく低迷を続けてきた株式市場が好転の動きを見せ始めたこと、為替の円安転換を目の当たりにしたことなどが要因と思われるが、投資を「明るい」とイメージする人の比率が20歳代女性のほうが40歳―50歳代男性よりも高いというのは象徴的だろう。

退職金の準備状況

公的年金以外に3,000万円必要も、準備0円の老後難民予備軍が4割!

退職後の生活資金として用意できている金額

退職後の生活資金として用意できている金額

退職後の生活費として公的年金以外にどれくらい必要かを聞いたところ、全体1万1,507人の平均値は3,016万円。しかしながら、この金額が用意できると考えているサラリーマンは少ない。「準備できる」と答えた人の比率は9.5%で、「少し足りないくらいまでは準備できる」25.0%を足しても34.5%にとどまる。

実際に用意できている金額を聞いた結果、平均値は627.6万円で、2010年の515.6万円に比べて21.7%増えている。一方で、退職準備額が0円と答えた人は40.3%と、前回調査の44.3%から減ったとはいえ、依然として4割の最大構成比となっている。50歳代男性でも3割弱の人が0円としており、退職準備が進んでいない実態がうかがえる。

さらに分析すると、50歳代で「退職準備金0円」は26.7%と、前回調査27.3%からわずか0.6ポイントの低下にとどまる一方で、「1,000万円以上」が23.9%から29.2%に増加。これが平均値の押し上げに寄与しており、この3年間で退職準備における格差が広がっていると指摘できよう。

「資産運用派」はわずか8%

退職後の資産形成のために行っていることとして、「積極的に資産運用を行っている」「計画的に貯蓄している」「計画的ではないができる範囲で貯蓄をしている」「特に何もしていない」の4つの選択肢を用意した。「積極的に資産運用を行っている」はわずか8.3%で、「計画的に貯蓄している」と合わせても24.9%にとどまる。前回調査の22.0%から若干増えてはいるものの、一方で「何もしていない」が40.5%から41.7%に増えており、“老後難民”への懸念は現在も払拭(ふっしょく)されていない。

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