「RS日本株式ファンド 愛称:市場リスク配慮型日本株式ファンド」日興アセットマネジメント

個 別


大きな変動は避けつつ、じっくり長期で日本株投資
独自開発「リスクセンサー」活用で投資ニーズに対応

河原聡氏

河原聡氏

資産運用サポート部 チーフアドバイザー 河原聡氏に聞く

日興アセットマネジメントは18日に「RS日本株式ファンド 愛称:市場リスク配慮型日本株式ファンド」を設定した。同ファンドは、「売買のタイミングをさほど気にしなくてもよい、中長期投資に適した日本株ファンドがあったら」という投資家ニーズを踏まえて開発・提供される商品。こうした商品性を可能にしたのが同社が独自開発した「リスクセンサー(RS)」という機能だ。同ファンド最大の特徴である「RS」とは何か、ファンドの特徴や、仕組み、魅力などとともに、同社資産運用サポート部チーフアドバイザーの河原聡氏に聞いた。

■ファンドの基本的な特徴

当ファンド名にある「RS」は「リスクセンサー」という意味で、「株式市場の変動が大きくなる局面」を判断するために日興アセットが独自に算出するリスク指標のこと。このファンドは日本株を主な投資対象とするが、この「リスクセンサー」機能が付加されているというところが、ほかの日本株ファンドとは決定的に異なっている点だ。

「RS日本株式ファンド」は、通常時は「日経平均株価」への連動をめざし、株式の実質組入比率100%を目標とした運用を行う。ただし、株式市場の変動が大きくなると判断される局面では、市場変動がファンドの基準価額に及ぼす影響を抑えるために、株式の実質組入比率を50%に引き下げた運用に切り替える。つまり、市場変動が大きくなると思われる局面では、リスクテークを半分にするということ。中長期投資を実践する間には、市場が一時的に大きく変動する可能性も当然考えられるが、そうした際に基準価額が大幅に下落するリスクを軽減しようという狙いを持ったファンドだ。

そこでポイントとなるのが、「株式市場の変動が大きくなる局面」をどのようにして判断するかという点。この判断を「リスクセンサー」を活用して行っている。

■具体的な運用方法

通常時、株式の実質組入比率100%を目標とした運用を行う際は、資産の約半分を現物の株式などに、残りの半分は機動性を持たせるために日経平均の先物に投資する方針。株式市場の変動が大きくなり、リスク度合いが高まると判断される局面では、先物の方に投資している50%部分のポジションを解消して、実質組入比率を100%から50%に引き下げる。このように先物に投資する部分をコントロールすることで、当ファンドの株式の実質的な投資比率を適宜切り替えていく。

■リスクセンサーの要素

「リスクセンサー」は、投資家のリスク回避的な投資行動をいち早くとらえることを目的に当社が開発したリスク指標で、当ファンドの最も大切なキーとなる部分だ。

日本の株式市場が大きく変動する局面では、高い確率で起り得る事象がいくつかある。例えば「為替市場の変動」。金融市場でリスクが高まる際、投資家は流動性の高いものから売却する傾向があり、為替市場が株式市場に先行して動くケースが過去には多く見られた。また、資源国通貨や新興国通貨などから円やスイスフランなど相対的に安全性の高いとされる通貨に資金が動き始めることで、為替市場の変動が非常に大きくなることもある。

「金融市場の価格変動」も日本の株式市場のリスクの高まりを感知する上で有効な要素だ。日本の株式市場で高い売買シェアを占める海外投資家は、金融市場の価格変動が高まる局面では売り越しを継続する傾向が見られるからだ。こうしたいくつかの要素・データを参照し、当社が独自開発したモデルによって、リスク指標値を算出する。この指標のシグナルが一定水準以上になった場合に「株式市場の変動が大きくなる局面」と判断し、市況動向なども総合的に勘案した上で、株式の実質組入比率を50%に引き下げる仕組みになっている。

■リスクセンサーの有効性は

「リスクセンサー」機能の発動の効果がどの程度期待できるかについて、シミュレーションを行っているので、ご参考までにその結果を紹介したい。2003年3月-2013年5月までの約10年間のシミュレーションでは、リスクセンサー発動に基づき市場変動が大きくなると判断される局面で株式の実質組入比率の目標を50%とする運用に切り替えることで、2007年のサブプライムローン問題や2008年のリーマン・ショック、2011年の欧州債務懸念などの局面において、株式市場の下落の影響を抑制できたという結果が得られた。言い換えれば、こうしたマーケットの大きな下落の際にはリスクセンサーが発動し、実質組入比率の目標を50%に引き下げるようにとのシグナルがしっかり発せられた。逆に、2009年の世界的な景気回復局面では、リスクセンサーは実質組入比率の目標を50%から100%へ引き上げるシグナルを出していた(図表をご参照のこと)。

もちろん、あくまでもシミュレーションの結果であることにご留意いただく必要がある。今後、実際の運用において、どのタイミングでリスクセンサーが発動したかについては、当ファンドの運用レポートを週次ベースで公表することにしており、このレポート上で開示していく方針だ。

過去10年のシミュレーションと日経平均株価の推移

過去10年のシミュレーションと日経平均株価の推移

■どのような投資家にマッチしているか

「RS日本株式ファンド」は、投資家の皆さまにとって「値動きが分かりやすく」「売買のタイミングをそれほど気にしなくてもよい」ファンドとなることを目指して開発された。中長期で日本の株式や経済の成長をとらえたいとお考えのお客さまに特に適していると考えている。短期的・機動的な売買を好まれるお客さまは、通常のインデックスファンドでそうした運用を行っていただくことももちろん可能。ただ、市場動向などを見て、その都度タイミングを判断しながら売買するというような投資手法は難しいと感じられるお客さまも多く、そうした投資家の皆さまにはこのファンドのメリットを強く実感していただけるのではないかと思う。

■NISAにも適したファンド

来年1月からNISA(少額投資非課税制度)がスタートするが、「RS日本株式ファンド」はNISAの非課税口座でご投資いただくのにも適している商品と考えている。NISAは株式投信などの譲渡益や分配金が非課税になる制度。年間1人100万円まで投資が可能で、その投資から得られる収益が5年間非課税になるというもの。非課税期間終了時に損失が出ていると非課税メリットを享受できない点や、仮に損失が出た場合に課税口座と損益通算が出来ない点などのNISAの制度上の特性を考えると、市場変動が大きくなる局面でリスクを抑制する機能を持つ「RS日本株式ファンド」は、NISAへの親和性が高いファンドといえる。

■「RS」シリーズ第2弾

リスクセンサー機能を持った「RS」シリーズとしては、今回の「RS日本株式ファンド」のほかに、2012年7月に設定した「RS豪ドル債券ファンド(愛称:為替リスク配慮型豪ドル債券ファンド)」がある。文字通り、豪ドル建ての債券を主な投資対象とする「RS豪ドル債券ファンド」は、為替変動や信用リスク、流動性などといった要素をもとに金融市場の変動が高まる局面をリスクセンサーが感知し、そうした局面では為替ヘッジを行ってリスクを抑制する仕組みを持つファンドだ。運用開始以来、純資産総額も着実に増加しつつある。今回運用を開始した「RS日本株式ファンド」は、この「RS豪ドル債券ファンド」に続く、いわば「RS」シリーズの第2弾。リスクセンサーという最大の特徴を生かして、「大きな変動は避けつつ、じっくり長期で日本株投資を考えたい」という投資家ニーズにお応えしていきたい。

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