日興JPM環太平洋ディスカバリー・ファンド(愛称:TPパワー) JPモルガン・アセット・マネジメント

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川嶋昭臣氏

川嶋昭臣氏

「環太平洋地域」から勝ち組企業を発掘

ディスカバリーシリーズ第3弾
投資信託部部長 川嶋昭臣氏に聞く

JPモルガン・アセット・マネジメントは4月26日、日興JPM環太平洋ディスカバリー・ファンド(愛称:TPパワー)を設定した。これは、環太平洋地域(日本などアジア、オセアニア、北米、中南米)の成長を取り込みながら伸びていく環太平洋地域の企業の株式に投資する追加型投信。SMBC日興証券専用で、2003年8月に設定された日本株ファンド「JFジャパン・ディスカバリー・ファンド」、12年4月設定のアジア株ファンド「日興JFアジア・ディスカバリー・ファンド」に続く、人気のディスカバリーシリーズ第3弾となる。JPモルガン・アセット・マネジメントの投資信託部の川嶋昭臣部長に、新ファンドの特徴、魅力などを聞いた。

■ファンドのコンセプト

「日本を中心とするアジア・オセアニア経済圏、米国を中心とするアメリカ経済圏で構成され、高成長が見込まれる環太平洋地域から、勝ち組企業を探し、投資するのが当ファンドだ」

■なぜ環太平洋地域か

環太平洋地域の企業のEPS

環太平洋地域の企業のEPS

「環太平洋地域は成長力が高い国・地域で構成され、経済規模の拡大が見込まれている。また、環太平洋地域は企業利益も大きな伸びが見込まれ、とりわけアジア企業と中南米企業の利益成長率は、世界平均を大きく上回る見通し(右表参照)。株式投資で最も重要なのは企業の利益だ。これが大きく伸びている企業は、投資対象として魅力的と考えられるが、そうした企業は環太平洋地域に大変多い」

■投資テーマおよび参考銘柄(2013年1月末現在)

【アジア・オセアニア】
「アジアにおいては、『もの』のみならず『人』『サービス』『資本』の流れを促す貿易・経済連携の強化が進むとみられることから、その恩恵を受ける企業に注目する。参考までに銘柄例を挙げると、タイの空港管理会社であるタイ空港公社、オーストラリアのガス・石油探査会社であるオイル・サーチなど。また、主要アジア諸国が順調に成長路線を進む一方、これまで投資対象とされなかった市場が徐々に対外開放を伴い投資機会を提供しつつあることも注目点。参考銘柄としては、ベトナムの乳製品メーカーであるベトナム乳業、ミャンマーの不動産会社であるヨマ・ストラテジック・ホールディングス、ラオスで中古車流通業を展開している韓国企業のコラオ・ホールディングスなどだ」

【北米】
「米国では第1次IT革命で構築されたインフラを利用し、消費パターンの変化などをとらえた新しいビジネスの拡大が予想されている。今後は、いわゆる“第2のIT革命”に注目しており、インターネットを通じたテレビ番組・映画配信を手掛けるネットフリックスなどが参考銘柄として挙げられる。このほか、新興国の成長を享受する企業も外せない。銘柄例は農機具メーカーのディア、おむつやティッシュなど消費財の製造販売を行うキンバリー・クラーク、アパレルのマイケル・コース・ホールディングスなど」

【中南米】
「中国との資金コストの格差縮小や、堅調な回復を見せる米国経済を背景としたメキシコ企業の競争力の向上に注目している。参考銘柄は、メキシコに本社を置き石油化学、自動車、加工食品などの事業を展開しているアルファ、同じくメキシコ本社で化学品・石油化学品製造のメキシケムなどだ。また、ブラジルの高速道路管理会社であるコンセッソンエス・ロドビアリア、メキシコの空港管理会社であるグルーポ・アエロポルタリオ・デル・スレステといったインフラ関連も参考銘柄に挙げられる」

■運用プロセス

「運用に当たっては、当社の世界9拠点(日本、ニューヨーク、ブラジル、中国、香港、台湾、韓国、シンガポール、インド)の英知を結集し、ファンド・オブ・ファンズ方式で運用する。具体的には、当初は原則として、JPMアジア・オセアニア・ディスカバリー・マザーファンド(適格機関投資家専用)に60%、既存ファンドであるJPモルガン・ファンズ―USグロース・ファンドに30%、同じく既存ファンドのJPモルガン・ファンズ―ラテン・アメリカ・エクイティ・ファンドに10%を振り向ける。従って、地域別組み入れ比率としては、アジア・オセアニア株式60%、北米株式30%、中南米株式10%となる。各国・地域に精通した運用のスペシャリストがボトムアップ・アプローチを重視し、『ベストアイデア』銘柄を発掘する」

■モデルポートフォリオ

「2013年1月末時点のモデルポートフォリオの国別構成比としては、米国27%、日本15%、中国10%、香港、韓国がそれぞれ8%、ブラジル6%、インド4%…と続く。組み入れ銘柄数は、アジア58社、北米71社、中南米55社の計184社。集中度をある程度高めてインデックスとの差別化を図り、プラスアルファを狙う」

■投資家へのメッセージ

「『環太平洋』と銘打ったファンドはこれまでないとみられ、当ファンドがおそらく日本初だと思われる。日本株、アジア株、米国株とそれぞれに投資するファンドは世の中にあるが、『日本株+アジア株+米国株』と世界の中でも強い地域にフォーカスするファンドはこれまでなく、魅力的な商品となっている。また、日銀による“異次元の金融緩和”、米国でのシェール革命など円安に向かう材料が多く、相対的に円高懸念が後退している環境にあり、ぜひご検討いただきたい」(Q)


<各地域のポイント>

【日本を含むアジア・オセアニア】
「アジアが世界の成長センターになることに異議を唱える人はいまい。その中で、2013年は円安をバネに日本がアジアをけん引する見通し。日本株は長らく放置されてきた分、上昇余地大」

【米国】
(1)シェール革命
「現状、5400億ドルに上る貿易赤字額のうち、エネルギー関連は2900億ドルに及ぶ。シェールガス/オイルの開発進展→エネルギー輸入量減少→貿易赤字縮小と進むことが期待され、また、一説ではシェール革命により20年間で税収3倍増とも言われ、先行き“双子の赤字(貿易赤字、財政赤字)の解消”も読まれる状況。また、エネルギー輸入の必要性低下→中近東の治安維持のための支出減少→強いドル復活(ドル高)→アジア通貨安――につながることから、シェール革命のメリットを米企業のみならず、アジア企業も享受すると考えられている」

(2)TPP
「アメリカ経済圏は人口8億人(米国3億人、中南米5億人)と大きいが、アジア経済圏のそれは32億人弱(中国13億人、インド11億人、アセアン6億5000万人、日本1億3000万人)と、アメリカ経済圏の4倍近くに及ぶ。米国は、アジア市場を取り込み、アジアでも稼げる体制構築を狙ってTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)を推進している」

【中南米地域】
「中南米地域は、資源輸出国として世界経済を支える重要な役割を担ってきた。さらに、地理的な優位性を生かし、製造拠点として台頭してきている。加えて、米国やアジアの成長に伴う環太平洋地域への輸出拡大が見られることから、今後のさらなる成長に期待が持てる状況にある」

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