「CAMインドシナ5カ国ファンド 愛称:インドシナ」 キャピタル アセットマネジメント

個 別


インドシナ 機熟す
タイ中心に今後の経済拡大を見越す

代表取締役社長 杉本年史氏

代表取締役社長 杉本年史氏

代表取締役社長 杉本年史氏に聞く

キャピタル アセットマネジメントは5日に、「CAMインドシナ5カ国ファンド 愛称インドシナ」を設定する。インドシナは急速な経済発展が進行し始めており、今がインドシナ地域の株式を投資対象としたファンド設定の好機ととらえている。同社はアジア株運用に強く、他社に先駆けて立ち上げたフィリピン株ファンドやASEAN(アセアン、東南アジア諸国連合)株ファンドはじめ、これまでのいくつかの既存ファンドで高いパフォーマンスを上げている。今回のインドシナファンドの設定の背景や魅力などついて同社代表取締役社長の杉本年史氏に聞いた。

■ファンドの特徴

当ファンドはインドシナ5カ国の株式に投資し、中長期的な資産の成長を目指す。インドシナ5カ国はベトナム、カンボジア、ラオス、タイ、ミャンマー。BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)に続く、次の成長国として注目している。中心はタイ、次いでベトナム。株式の時価総額でみるとタイが20兆円、続くベトナムが3兆―4兆円で、タイが中心となる。ほかの株式市場がまだ上場銘柄が少なく、これから次第に拡大していくとみている。主要な投資対象の株式市場はタイ、ベトナムだが、インドシナにある企業が一部上場している香港やシンガポール市場にも投資する。株式市場では先駆したBRICsが伸び悩む中で、勢いを保ち続けるインドシナ5カ国がさらにクローズアップされるとみている。

■地域の特色

同地域は今後、経済の高成長が期待でき、投資に魅力的だと判断している。同地域の特徴は、1つ目は生産拠点への期待。日本と同様に生産ピラミッドが完成している。2つ目は地理的に重要な地域であること。インド・中国の巨大な市場の近隣に位置している地理的な条件で、ミャンマーからベトナムを結ぶ東西経済回廊の開通に象徴されるように道路網の整備が進んでいる。3つ目は豊富な労働力。勤勉で、賢明、誠実な国民性と若い人口構成。親日的な地域。主な宗教は仏教で、日本に対する好感度も高い。

■魅力の投資環境

中でもタイの経済発展はこのところ目覚ましい。タイは、欧州で言うと、いわばドイツの位置付けであり、インドシナ5カ国の中心的な存在だ。また、タイは「東のデトロイト」といわれるほどで、日本と同様に、原材料の調達から完成車の組み立ての産業ピラミッドが完成しており、1次部品メーカーが600社を超え、2次、3次サプライヤーは1,700社に上っている。これに伴い、電力や道路網、港湾整備などのインフラが整備されている。2012年に自動車生産台数が245万台に達している。うち輸出が102万台、国内販売が143万台となっている。このように生産基盤が確立している。ほかに電子・電気製品も、多くの日本メーカーが進出しており、自動車と同様な構造となっている。ベトナムでも、勤勉で低廉な労働力を背景に工場進出が加速している。

域内のインフラ投資も拡大中だ。GMS(大メコン圏)プログラムに沿って2001年に10年の基幹プロジェクトが採択された。経済回廊、基幹通信回線、地域電力系統接続、越境貿易・投資の促進が主な基幹プロジェクトだ。その中で、2006年には第2メコン友好橋が構築され、東西経済回廊が完成したことにより、従来のマラッカ海峡を通り、マレー半島を迂回するルートである海上輸送と比較して、時間とコストの圧縮が可能となった。現在はバンコク―プノンペン―ホーチミンの第2経済回廊が建設中だ。

FTA(自由貿易協定)の進展も後押しする。中国とインドの自由貿易協定によりインドシナ地域は30億人の市場アクセスが期待され、生産拠点としての魅力が一段と高まっている。インドシナ諸国の中では、既にタイが2010年から中国・インドと同協定を発効している。そのほかのベトナム・カンボジア・ラオス・ミャンマーは2015年から中国・インドとFTAを発効する予定となっている。人口が13億人の中国と、11億人のインドという巨大市場との連携によりインドシナ地域の経済発展に大きく貢献することになろう。インドシナ5カ国の人口は合計2億3,000万人を抱えており、今後一大生産拠点になることが期待されている。同地域の経済は将来的に大きく伸びていくと予想され、こうした背景から今回、当ファンドを立ち上げたといえる。

■国別のポイント

インドシナを国別に特徴を見ていくと、タイは自動車、電子・電気製品など工業製品の一大生産拠点。これら工業製品が輸出の65%を占めている。国内だけでなく、インドシナ地域内でのインフラ投資にも積極的な関与、同地域の中心的な役割を果たしている。ベトナムは、工業団地に日本の自動車や電気メーカーなどが進出している。2011年には大洪水に見舞われ、経済も大きな影響を受けたが、災害後もほとんどの企業が再び操業している。ラオスは鉱物や森林、水など豊富な天然資源が魅力で、水力発電による電力を輸出している。また、オーストラリアの企業が銅やレアアースなどを目的に進出している。カンボジアは観光産業がGDP(国内総生産)の15%を占めている。観光事業を手掛ける香港上場企業もある。またタイの企業もカンボジアに結構進出している。ミャンマーは民主化が進み始め、経済もこれからが有望な国といえる。

共通しているのは平均年齢の若さだ。タイは30歳代、ほかの4カ国は平均年齢が20歳代だ。経済の成長とともに所得が向上、さらに経済を引っ張る中間所得層がこれから徐々に拡大していくと予想される。特に中心のタイは生産拠点としての製造業だけでなく、徐々にサービス産業へと移行しつつある。

■ファンド構成

当ファンドの国別構成比については、タイ株が65%、ベトナム株が20%、ラオス・ミャンマー・カンボジア関連株が15%と考えている。タイの企業でミャンマーやカンボジア、ベトナムで活躍しているケースも見られる。また、ミャンマーの上場企業はまだ少ないが、シンガポールで上場している企業もある。こうしたさまざまな企業の株式への投資を考えていきたい。タイ株のセクター別では、不動産、耐久消費財・アパレル、テクノロジー・ハードウエア機器、食品・生活必需品などの順となろう。

■マクロ面の魅力

マクロ面では、BRICsなどのほかの新興国は、経済の回復が遅れる一方で、インフレも高止まりという状況にある。インドシナの国々はタイ、ベトナムなどインフレが低下しながら経済もそこそこ高い状態を維持している。投資対象としては魅力的といえる。

■CIMインベストメントからアドバイス

運用プロセスについては、トップダウン分析とボトムダウン分析を組み合わせたアプローチの方法を採用する。運用に当たっては、CIMインベストメントのアドバイスを受ける。同社は、ロンドンを拠点にシンガポールやンドネシアの子会社を通じて運用を行っており、東南アジアに強みを持っている。

■今後もアジア株運用中心

当社は今後も、アジア新興国の株式を中心に据えたファンドの設定を行っていきたい。幸い当社は既存ファンドでも好調なパフォーマンスに恵まれ、評価機関がまとめた2月末現在での過去1年間のリターンで、当社のフィリピン株ファンドは72.5%と、国際株式型のジャンルで第1位を獲得した。強みの運用力を生かしてアピールしていきたい。

戻る