三井住友アセットマネジメント  「ニッポン割安成長株ファンド(限定追加型)」3月29日新規設定 

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木村忠央氏

木村忠央氏

日本株上昇は「第2ステージ」へ
厳選銘柄に集中投資で高リターンを狙う

株式運用グループ シニアファンドマネージャー 木村忠央氏

三井住友アセットマネジメントは29日に「ニッポン割安成長株ファンド(限定追加型)」を新規設定する。昨秋よりアベノミクス効果で勢いを増す日本株を投資対象とし、一定期日以降は新規購入を受け付けない「限定追加型」とするなど、ほかの日本株ファンドとは一線を画す仕組みが随所に盛り込まれている。ファンドの概要と設定の背景を、株式運用グループシニアファンドマネージャーの木村忠央氏に聞いた。

――まずはファンドの概要を教えてほしい。

「投資対象は日本株。市場は問わず、企業の収益性や成長性、株価の割安度などを勘案して組み入れ銘柄を決定し、アクティブ運用で信託財産の成長を目指す。設定日は3月29日だが、その後7月31日までは新規申し込みを受け付ける『限定追加型』としたことと、基準価額が1万2,500円以上となった場合には繰上償還を行うことも大きな特徴」

――限定追加型とした理由は?

「これまで投資家から敬遠され続けてきた日本株投資。まずは成功体験を味わっていただくことで、魅力を再認識していただきたいと考えた。アベノミクス効果などで最近、日本株の流れが大きく変わったことは多くの投資家が感じ取っているものの、過去の苦い経験から投資に踏み切れずにいる人も少なくない。そこで当ファンドは申込期限という投資のタイミングを提示することとした」

「これは、日本株がこれから中長期的な上昇トレンドに本格突入するだろうとの当社からのメッセージであり、繰上償還条項の付与も同様の理由から。繰上償還となる基準価格が1万2,500円というのは、ほかのファンドと比べても高めの設定(日本株ファンドの場合15-20%超が多い)だ」

「いつでも申し込み可能なオープン型ファンドと比べると、投資タイミングを限定した当ファンドはメッセージ性が強く“とがったファンド”と言えるかもしれない。ただ、マーケットにはさまざまな局面があり、状況に応じて投資戦略は変わってしかるべき。当ファンドは現在の投資環境を反映した最良のツールと自負する」

――日本株市場の今後、どうみる?

「これまではアベノミクスへの期待感だけを頼りに上昇を続けてきたが、ようやく落ち着き、ここから先の第2ステージでは投資先の『選別』が重要に。利益が出せる会社とそうでない会社の違いが鮮明になるだろう」

「昨秋、日本経済の回復が聞かれると同時に大型株が買われた。これは、相場反転直後は往々にして、様子見の動きから流動性が高い銘柄や、外国人投資家が分析せずとも安心して買える知名度の高い銘柄が選好されるため。あるいは、円高で傷ついた主力銘柄群がリターン・リバーサルの動きを見せたことが主な要因だったが、足元では、こうした“勢い”に任せた株価上昇に陰りが見え始めた。今後は『円安メリットを享受しそう』など漠然とした理由だけでなく、海外での競争力やバリュエーション面など投資先企業の詳細分析は必須」

「全般的には今後も日本株の上昇は続くとみる。足元では日経平均株価が1万2,000円を超えてきたところだが(取材日3月15日時点)、2008年のリーマン・ショック前の水準はまだ遠い。一方で、金融危機の発信源・米国は先ごろNYダウが5営業日連続で史上最高値を更新しており、このカイ離を埋めていくトレンドは当面続くだろう」

モデルポートフォリオ(特性)

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――銘柄選定プロセスを教えてほしい。

「利益が出せる会社を選別するため、まずは市場を問わず、時価総額50億円以上の銘柄について、予想ROE(株主資本利益率)、予想経常利益増益率、予想PERを用いてスクリーニングを行う。各業種内で上位50%程度の銘柄を『割安成長株集団』として選り分け、これを詳細にリサーチ。その後、企業の成長戦略やビジネスモデル、株式の流動性などを勘案して、最終的には60-80銘柄程度に絞り込む」

「一見すると、ごく基本的でシンプルな手順だが、当ファンドではスクリーニング後の企業リサーチに重きを置く。具体的には、(1)『拡大しているマーケット』の中で活躍する企業かどうか、(2)『高い競争力』により高シェアを有し、業績拡大が期待できる企業かどうか、(3)成熟市場でも『イノベーション』により業績拡大が期待できる企業かどうか――の3点をチェック。こうして、スクリーニングの前提となる各種指標の達成確度を分析することが非常に重要だと考える」

「マーケットが拡大していても、競争が大変で利益が出せない会社は少なくない。かつて日本のお家芸とまで呼ばれた半導体メモリのように、新規参入が相次ぎ価格競争が勃発(ぼっぱつ)、皆退場では意味がない」

投資対象銘柄例

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――投資先は? 具体的に。

「モデルポートフォリオの段階では中小型株の比率が高く、業種別ではサービスと情報・通信と、内需系が多い。これはほかの日本株ファンドには見られない、当ファンドの大きな特徴の1つ」

「先述したとおり、足元ではこれまでの大型株物色が一巡し、今後は出遅れ気味の中小型株に目が向けられる可能性が高い。また、中小型株は大型株と比べてカバーするアナリストが少なく玉石混合といった状態だが、しっかり企業リサーチを行いさえすれば、業績上ブレなどのポジティブサプライズも狙いやすく、投資妙味は高い」

――なぜ内需を選好するのか?

「業績成長の『確度』という点からいえば、為替など外的要因は極力排除されるほうが望ましい。また、昨年の日本株はパフォーマンスこそさえなかったものの、国内景気は比較的に堅調で、内需株の中には外的要因にも負けず株価上昇を続けるものが少なくなかった。一方で、海外の財務問題など外的要因がマーケットの重しとなり、とりわけ為替感応度が高い銘柄は、アベノミクス以前の相場では総じてボロボロだった」

「利益を稼げる企業かどうか。来期以降の業績動向を考える場合は、やはり、公共投資などの政策にのった銘柄は頼もしい。

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