中国A株を対象にしたETF  「中国A300」「南方A50」上場  JDR(日本預託証券)形式によるETF初登場

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中国A株に投資をしたいと考えている投資家に朗報! 中国A株の主要300銘柄で構成する「CSI300指数」に連動するETF「中国A300」(1575)と、中国A株の時価総額上位50銘柄で構成する「FTSEチャイナA50インデックス」に連動するETF「南方A50」(1576)が2月27日、東証に上場したのだ。

【はじめに】

中国株と一口で言っても、A株、B株、香港株に分かれ、私たち外国人個人投資家が個別銘柄を買えるのは、B株と香港株だけ。A株を買えるのは、中国国内の人や、許可された海外機関投資家のみとなっており、“許可された海外機関投資家”のことを「QFII(適格外国機関投資家)」「RQFII(人民元適格外国機関投資家)」という。こうした制度下、私たち外国人個人投資家が中国A株に投資する手法は、QFII、または、RQFIIの資格を持つ運用会社などを介したファンドやETF(上場投信)に限られている。

ETFに関しては、“日本株と同様に売買できる中国A株ETF”といえば、従来は「上場パンダ」(1322)、「上証50連動投信」(1309)の2本だけだったが、このたびの「中国A300」と「南方A50」の上場によりラインアップが4本に拡充したことになる。

既存2銘柄との違いとしては、新規2銘柄はともに、既に香港市場に上場している人気ETFを元にしたJDR(日本預託証券)であることが挙げられる。JDRによって、香港の人気ETFを、外国証券取引口座を開設することなく、日本円で、国内株式と同じように市場で売買できるようになった。それぞれのETFの概要、特徴は次の通り。

【中国A300について】

■概要・特徴

中国A300の正式名称は、「ChinaAMC CSI300 Index ETF-JDR」という。中国A株の主要300銘柄で構成する「CSI300指数」に連動することが最大の特徴だ。売買は10口単位、分配金支払基準日は年1回(通常7月予定)。同ETFの管理会社は、チャイナ・アセット・マネジメント(香港)リミテッド。同社の親会社は、中国最大の資産運用会社・華夏基金管理有限公司で、中国のETF運用において最も長いトラックレコードを誇る。

■なぜCSI300指数なのか

CSI300指数は、2000社を超える中国A株銘柄のうち、時価総額が大きく流動性の高い300銘柄で構成され、中国の代表的な株価指数の1つ(同指数構成銘柄は、合計時価総額では中国A株全体の60%を占め、純利益でも中国A株合計の85%を占める)。セクターバランスの観点では、金融、資本財、素材セクターと実体経済における重要セクターが60%以上を占める一方、生活必需品や一般消費財、ヘルスケアといった急成長セクターも20%以上あるなど、バランスが取られているといえる。

同指数は、CSI(中証指数有限公司)が2004年12月31日の基準値を1000とし、浮動株比率を考慮した時価総額加重平均により算出している。「中国株インデックス運用ファンドをはじめとする国内外の投資家に、中国A株のベンチマークとして最も用いられ、指数先物も開発されている。こうしたことからCSI3000は、日経平均によく似た指数といえる」(チャイナ・アセット・マネジメントの陳佳鈴CEO)。

■香港市場での人気度

同社は昨年7月、中国A300の元になっている香港ETFを香港市場に上場させた。今年1月時点の運用残高は2400ミリオン米㌦(2200億円相当)、平均売買代金は54.59ミリオン米㌦(50億円相当)。同指数に連動するETF(中国本土に上場するものを除く)の中で、最大、かつ、最も流動性のある銘柄の1つとなっている。

【南方A50について】

■概要・特徴

南方A50の正式名称は、「南方 FTSE 中国A株50 ETF」という。中国A株の時価総額上位50銘柄で構成される、代表的な株価指数「FTSEチャイナA50インデックス」に連動することが最大の特徴だ。売買は10口単位、分配金支払基準日は年1回(通常12月予定)。同EFTの管理会社は、中国南方アセット・マネジメント・リミテッド。同社の親会社は、南方基金管理有限公司(チャイナ・サザン・アセット・マネジメント、CSAM)で、中国初のファンド運用会社のうちの1社。連動型を除くファンド運用資産は、中国資産運用会社の中で第2位。全RQFII投資枠取得業者の中で最大の投資枠を保有している。

■香港市場での人気度

南方A50の元になっている香港ETF「CSOP FTSEチャイナA50 ETF」が、昨年8月に香港証券取引所に上場した。グローバル投資家からかなり注目されており、早くも運用資産は233億香港㌦(2800億円相当)と当初に比べ3倍以上に拡大し、1日当たり売買代金は10.21億香港㌦(120億円相当)の商品に育っている。香港市場に上場しているRQFII適用対象のETFでは最大規模で、最も成功を収めているといわれている。

【中国A株の魅力】

「中国政府は、穏中求進(安定を保ちつつ経済成長を促すという意)を目指し、『経済成長の質と効率の向上』という財政・金融政策の姿勢を昨年末に発表。単なる数値目標だけでなく、質の高い成長、質の高いライフスタイル達成という目標を掲げ、さまざまな“リフォーム策”を打ち出してきており、中国は今後も消費拡大が見込まれる」(中国南方アセット・マネジメント・リミテッドの丁晨CEO)と中国株投資の魅力を語る。

中国の経済成長率は、金融危機、輸出減など、強大な外的要因の影響を受けた結果、ここ数四半期は鈍化したが、直近数カ月のデータは継続的な回復を示唆している。一方、中国A株のバリュエーションは、2008年の金融危機当時並みにディスカウントされ、時価総額上位50銘柄のA株で構成されるFTSEチャイナA50インデックスの値は、2007年の高値から6割安の水準にある。

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