下値抵抗力の強さに安心感  戦略的オプション戦略も特色 「日本高配当株式プレミアムファンド」2月28日設定

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中村哲郎氏

中村哲郎氏

BNPパリバ インベストメント・パートナーズ
クライアント サービス部
プロダクト マネジャー 中村哲郎氏語る

BNPパリバ インベストメント・パートナーズは「日本高配当株式プレミアムファンド」を28日に設定する(販売は岩井コスモ証券)。配当利回りに着目して日本株を選別投資する一方、日経平均のコール・オプションを売却する“株式プレミアム戦略”を組み合わせることで、一層のトータルリターン向上を狙った同ファンドの主な特色や魅力などについて、クライアント サービス部の中村哲郎プロダクト マネジャーに話を聞いた。

――まず、「日本高配当株式」を投資対象に選んだ理由から聞きたい。

「これまでの株式投信は、外国株に投資するタイプが主流で、為替で損失が出る例が目立った。そこで今回は、為替の影響のない日本株に焦点を当てることにした。最初に大きく損が出ると、挽回(ばんかい)が難しくなる。その点、高配当株は歴史的に見ても、値動きが穏やかで、下値抵抗力が相対的に高いことは大きな強みと言える。日本株の『これからの上昇局面』を取りにいく中で、とりわけ下値不安の小さい高配当株を対象とし、さらに“株式プレミアム戦略”を追加するのが、このファンドの狙いだ」

――高配当株の選定プロセスは、どうなっているのか。

「1日当たり平均売買金額が約9億円(1000万米ドル)以上の東証1部銘柄を対象に、配当利回りが高い順に上位50%以上のものが組み入れ候補となる(ただし財務諸表などの基準が異なる金融株は対象外)。この中から、『配当の裏付け』(財務健全性をもとに、ファンダメンタルズに裏付けられているかどうか)と『配当の見通し』(成長性やキャッシュフローから評価した将来の配当)の両面で採点を行い、四半期ごとに上位20銘柄を選定していく」

――合計でのポートフォリオ構成銘柄数は?

「3、6、9、12月に各20銘柄ずつ選定するので、延べ80銘柄となる。翌年3月を迎えると、前年3月に選定したものと入れ替わることになる。ただし、当然ながら、既存の銘柄と重複する銘柄も選定されるので、合計数が80になるわけではない」

――モデルポートフォリオの内容はどうか。

「昨年12月末現在で計42銘柄だ。上位10銘柄は、組み入れ比率5.87%の豊田通商を筆頭に、ダイハツ工業、KDDI、三菱商事、NTT、NTTドコモ、三菱ケミカルHD、富士フイルムHD、キリンHD、ケーズHD――となっている。複数の四半期で、重複して選定された銘柄は、組み入れ比率が高くなる」

――上位銘柄でも、例えば富士フイルムは昨年12月末現在の配当利回り2.1%台と、必ずしも高くないようだが…。

「利回りの高さだけで決まるわけではない。前述の基準に基づいて、流動性や財務面などさまざまなデータを考慮してスクリーニングした結果が反映されたものだ」

――こうした銘柄群を市場で買い付けるのか。

「当ファンドが直接、現物株を買うわけではない。実際の買い付け対象となるのは、『日本高配当株式プレミアム指数連動債』という債券だ。これは、『日本高配当株式運用戦略』と『株式プレミアム戦略』を組み合わせて高パフォーマンスを目指す日本高配当株式プレミアム指数に運用成績が連動するように設計されている」

――それでは、「株式プレミアム戦略」とは?

「日経平均のコール・オプション(買う権利)の売却を行うオプション戦略によって、売却時に得られるプレミアム(オプション料)収入の獲得を目指している』とも呼ばれる」

――相場下落時にはプレミアム収入を得られる一方で、上昇相場に入ると上値を放棄させられる、“弱気派の戦略”ということにならないか。

「単に、コールを『売りっ放し』であれば、当然そうなる。BNPパリバ・グループでは既に欧州や米国のファンドでも利用されている戦略的な手法をよりパフォーマンスを高めるべく改良し、今回、日経平均オプションでも応用することになった」

――もう少し具体的に説明してほしい。

「少し専門的になるが、下落基調と判断した場面では、権利行使価格が低めのコールを売り建てることで多くのプレミアムが得られ、逆に上昇基調では、行使価格が高めのコールを売ることで、権利行使されるリスクを抑えられる。また、本格的な上昇相場にありがちだが、市場のボラティリティが大幅に低下した場合(20%未満)には、コールの売りをすべて外す、といった各種対応を決めて、ルール通りに運用している」

――戦略的な対応であることは分かったが、「上昇基調」「下落基調」といった相場的な判断は誰が下すのか。

「定性評価を交えず、クオンツモデルで対応する。ルール自体は単純で、日経平均が200日移動平均線を上回る場合を『上昇基調』、下回る場合を『下落基調』などと規定している」

過去データが有効性裏打ち

――それでも、「高配当」に「プレミアム」を組み合わせた戦略は、「下げ相場に強いが、上げ相場はどうか?」との印象も残るが、過去にさかのぼったシミュレーションデータのパフォーマンスはどうなっているのか。

「2001年1月4日を100として指数化したグラフは別掲の通り。『日本高配当株式運用戦略』のみによるパフォーマンスは、日経平均を一貫して上回ってきたが、『株式プレミアム戦略』を加えたものは、それらを、さらに大きく上回っている。このモデルのもとでは、2005年の小泉解散・総選挙で日本株が急騰した場面ではコールをほとんど売っておらず、上昇相場を享受できた一方、2008年のリーマン・ショック前後の相場ではコールを思い切り売っており、プレミアム収入によって、暴落の痛手をある程度カバーすることができたと言えよう」

――このほかにも、何かファンドの特色はあるのか?

「ファンド設定後の2018年2月5日までの期間において、基準価額が1万2000円以上となった場合には、速やかに短期公社債、短期金融商品等による安定運用に切り替え、繰上償還を行う」

パフォーマンス比較

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