あおぞら投信 柳谷俊郎社長に聞く 公募投信第1号「ぜんぞう」をコア商品の一つに

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これまでと違うコンセプトの商品提供に注力

柳谷俊郎氏

柳谷俊郎氏

あおぞら銀行が2月に全額出資で設立した「あおぞら投信」が5月15日業務を開始し、7月に公募投信の第1号商品「あおぞら・新グローバル分散ファンド(限定追加型)2014-08 愛称ぜんぞう」の募集を開始した。当初募集期間は終了しているが、限定追加型商品として9月30日まであおぞら銀行にて販売を継続している。同社の設立の背景や商品・運用戦略とともに、第1号ファンド「ぜんぞう」の特徴や仕組み、狙い、魅力などについて、あおぞら投信社長の柳谷俊郎氏に聞いた。

■設立の背景と狙い

当社設立の背景や商品・運用戦略を説明するにあたり、まずは親会社であるあおぞら銀行が推進しているビジネスモデルを紹介したい。同行は、ビジネスモデルにおける注力業務として4つの柱を掲げているが、1つ目の柱がシニア層にフォーカスしたリテールバンキングである。リテール業務は、あおぞら銀行にとって重要なビジネス柱であり、とりわけ、「Brilliant60sを、ごいっしょに」というキャッチフレーズのもと、アクティブに生きる輝ける60歳代を応援する資産運用専門の銀行を目指し、マスアフルエント層(保有金融資産が3,000万円-5億円程度の層)との取引に注力している。2つ目が地域金融機関との協働であり、地方銀行や信用金庫、信用組合などとの多様なコラボレーション、協業を推進している。3つ目が中堅・中小企業を中心とした企業向けファイナンスの推進、そして、4つ目がスペシャリティ・ファイナンス(レバレッジドファイナンスやM&A=企業合併・買収、海外向けファイナンスなど)への取り組みである。あおぞら銀行グループとして、このビジネスモデルを深化させる狙いから今般投信子会社設立に至った。

■商品・運用戦略

こうした状況下、私自身の仕事について振り返ると、現職に就く以前、あおぞら銀行で運用に20年間従事し、さらに、機関投資家に対するファンドや証券化商品などさまざまな商品供給に携わってきた。直近では、リテール営業推進部で個人向け商品企画に携わり、投信、保険、仕組債、仕組預金などの商品導入を行ってきた。これらの経験を通じ、あおぞら銀行グループが次のステージに進化するためには2つの大きな課題があると思っている。まずはリテール営業員の育成である。お客さまに対するコンサルティング力の強化が不可欠であるが、あおぞら銀行では昨年度、人材育成の専門部署である「あおぞらアカデミー・アット・青山」を創設した。もう1つの課題は商品供給力だ。リテール顧客を対象とする公募投信、地域金融機関を対象とする私募投信における世の中のラインナップを見た際、今までと同じような商品供給でいいのかという疑問を持っている。先進国の成長率が下がり、日本・ドイツの低金利の状況、アメリカの金利も期待値ほどには上昇しない状況を見たときに、資産形成に寄与し、かつリスクをコントロールした商品はまだまだ開発・供給余地があるのではではないかと感じている。日本の投信の資産残高は80兆円となったが、個人金融資産1,630兆円のわずか4.8%にすぎない。また、日本がデフレの20年を終えて、少しでも成長、物価の底打ちを目指す状況の中で、キャッシュ・イズ・キングという状態から、投資経験のないお客さまにこそ、投資の世界に入ってきていただきたいと考えている。そうなると今までと同じ投信商品でいいのか。資産形成に資するため、個人の金融資産を減らさずに少しずつ増やすことを狙いに商品を組成していきたい。ここに当社創設の役割のひとつがあると考えている。

■商品と情報の提供

当社にはお客様に2つ提供できるものがある。一つは商品、もう一つは情報。お客さまが聞きたいと思う、ニーズにマッチした情報だ。具体例をお示しすると、現在あおぞら銀行主催の経済セミナーを、当社の第1号投信のプロモーションも兼ねて個人向けに全国規模で開催している。セミナーでは日本の今後の行方と世界経済というテーマのもと、日本が貿易・経常収支の赤字という状況の中で、成熟国として世界への投資でリターンを上げていく国になっていくことや、世界の成長に向けて個人のおカネを活かすことが日本の役割という意味や、また投資の機会という意味で、今後さらに重要になっていくことなどをお話しさせていただいている。

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