カジノを含むIR(統合型リゾート)を投資対象とした日本初の公募投信が誕生

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「YOURMIRAI ワールド・リゾート」8月1日新規設定 三井住友アセットマネジメント

宗正彰氏、藤井徹也氏

 宗正彰氏              藤井徹也氏

投信営業第一部 担当部長 宗正彰氏
商品部 シニアマネージャー 藤井徹也氏

三井住友アセットマネジメントの投信ブランド「YOURMIRAI(ユアミライ)」のシリーズ第4弾は「カジノを含む統合型リゾート」。国内には約5,000の公募投信があるものの、「リゾート」を切り口にしたファンドはほかに存在しない。ファンドの発起人に設定の背景を聞いた。

――ファンドの概要を教えてほしい。

日本を含む世界の株式等の中から「統合型リゾート(IR)」関連銘柄と「テーマパーク・ホテル」関連銘柄、加えて「旅行者の移動・消費の拡大」から恩恵を受ける銘柄に投資する。成長性や財務健全性、流動性などに配慮しつつ、個別調査とバリュエーションから投資価値を判断するなどしてポートフォリオを構築し、信託財産の成長を目指した運用を行う。

「IR」とは、カジノなど娯楽施設とホテル、ショッピングモール、国際会議場・展示施設などが一体となった、地域のランドマークとなるような大型施設のこと。「テーマパーク・ホテル」「旅行者の移動・消費の拡大」とともに観光市場を活性化させる要素であり、これら3つのテーマは今後、投資魅力の高まりが期待される。

――なぜ今「リゾート」に着目したのか?

世界規模での経済回復、あるいはLCC(格安航空会社)の台頭などを背景に、世界の海外旅行者数は2010年の9.5億人から、20年には13.6億人にまで増加すると予想されている。とりわけ中所得層の増加が著しいアジア太平洋地域の伸びが大きく、10年の2億人から20年には3.6億人と、年率5.7%ペースで拡大するとみられている。

リゾートを代表するIRなどがもたらす経済効果については、シンガポールの例が有名だ。シンガポールは観光振興を目的に06年にカジノを合法化して、10年にはカジノを擁するIR「マリーナベイ・サンズ」を開業。まるで宙に浮かぶような、地上55階建てビル屋上の巨大プールが注目を集め、「マリーナベイ・サンズ」は同国の新たなランドマークとなった。開業した10年はシンガポールへの来訪者数が前年比20%増と躍進。今やシンガポールはアジア屈指のリゾート地として世界中から観光客を引きつけている。

シンガポールの成功に倣い、特にアジア太平洋地域を中心にカジノ市場が拡大している。そして日本でも、訪日外国人観光客増加の切り札として20年東京五輪開催までのIR開業を目指す「IR推進法案」の審議が国会で始まっており、9月にも始まるとされる臨時国会での法案成立が現実味を帯びてきた。

――3つのテーマについて、投資先を具体的に。

第1のテーマ「IR」には大型商業施設の開発業者のほか、世界中でカジノやホテルを運営する企業、アミューズメント機器メーカーなどが該当するだろう。

「IR」同様に外国人旅行者増加の恩恵を受けるのが「テーマパーク・ホテル」だ。日本政府は20年に向けて訪日外国人旅行者数2,000万人を目指す方針を掲げ、ビザ発給要件の緩和など各種施策を講じている。訪日外国人数の増加に比例して、海外からの東京ディズニーリゾート入園者数はここ数年で順調に拡大している。あるいは、中間所得層が増加しているアジアでは15年に上海ディズニーリゾート開業が予定されるなど、今後もテーマパークの入園者数は世界規模で増加し、これに伴う主要ホテルの売上高の堅調推移も期待される。

3つ目の「旅行者の移動・消費の拡大」には、空港運営会社など旅行者の移動にかかわる事業を手掛ける銘柄と、ショッピングモール運営や高級ブランド品を世界で販売する企業など、高額消費関連銘柄が挙げられる。高級ブランド品の主要顧客と考えられる世界の高所得者は10年の9.2億人から20年には16.3億人まで増加すると予想されている。

――国内ではカジノ慎重論も聞かれる。

日本ではカジノをギャンブルととらえる人が少なくないようだが、海外では洗練された大人のレジャーとして確立されている。セキュリティーが厳しく施設内は安全、入場にはドレスコードが設けられているケースもある。

カジノばかりがクローズアップされるが、日本で検討されているIR施設は「ビジネス」の側面を併せ持つシンガポールタイプだ。世界では近年、MICE(マイス)と呼ばれる施設の経済的影響の大きさに注目が集まっている。MICEはミーティング(M)、インセンティブトラベル(I)、コンベンション(C)、エキシビジョンイベント(E)の頭文字の略で、多くの集客が見込めるビジネスイベントや国際会議などの総称。MICEを備えたIRの開設により観光客やビジネス客が増加するだけでなく、雇用が増加して地域経済が活性化するといった効果も期待される。米国の調査では、09年の米国GDP(国内総生産)に対するミーティング産業の貢献は約3%(約4600億米㌦)にも上った。アジアでの国際会議の開催件数は03年の1,500件から、12年には3140件に増加しており、日本でも観光庁の主導でMICEの誘致が進められている。

もしも日本にカジノが開設された場合。当初は全国で2、3カ所、最終的には10カ所程度の誘致が見込まれているが、その経済波及効果は最大約7.7兆円、雇用者数は最大で約79万人と試算されている。経済波及効果は試算の前提で大きく変わるものだが、大事なポイントは、カジノ施設はオリンピック関連施設とは異なり、イベント終了後も永続的な経済効果が期待されることにある。

――最後に投資家に向けてメッセージを。

当社の投信ブランド「YOURMIRAI」のコンセプトは「お客さまの明るい未来」。これまで日本の投資家がアクセス困難な投資のカテゴリーを埋めるべく品ぞろえを進めてきた。シンガポールの成功を受けて世界的に注目が高まり、日本での開業も期待される「ワールド・リゾート」。これらの関連銘柄を投資対象とすることで、「今後の成長という“夢”を買う」といった、投資本来の楽しみを大胆かつ華麗に味わっていただきたい。

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