日興アセットマネジメント「インデックスファンドМLP(毎月分配型)」

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МLP、米エネルギーインフラ投資拡大で注目

日興アセットマネジメント SMBC日興室 シニアアドバイザー 牧野健氏に聞く

牧野健氏

牧野健氏

日興アセットマネジメントが今年2月18日に設定・運用を始めた「インデックスファンドМLP(毎月分配型)」が着実な人気を集めている。パフォーマンスでも幸先のよいスタートを切っている。MLPは、日本ではまだなじみが薄い存在とはいえ、今後、長期的には、関心が高まっていくのは必至だ。MLPとは何か、その投資の魅力や将来性、そしてMLPを投資対象とした同ファンドの基本的な特徴や強みなどについて同社SMBC日興室シニアアドバイザーの牧野健氏に聞いた。

■MLP注目の背景

MLP(マスター・リミテッド・パートナーシップ)に対する注目が高まっている。MLPとは、主に米国で行われている共同投資事業形態の一つ。日本にはない仕組みで、日本の投資家にとってはなかなかイメージしにくいが、米国の金融商品取引所に上場されており、株式などと同様に売買されている。MLPの多くは、主に原油や天然ガスなどのパイプラインや貯蔵施設などといったエネルギーインフラ関連事業に投資を行い、その利用料などを収益源としている。米国では、シェール革命を背景にエネルギー増産が進みつつあり、エネルギーインフラが不足傾向にある。実需拡大に伴い、今後、長年にわたって多額のエネルギーインフラ投資が予想されている。具体的には、パイプラインや貯蔵施設などのエネルギーインフラ分野の年間平均投資額 (2014-25年)は約800億ドル(約8兆円)と予想されている。エネルギーインフラを管理・運営して輸送料や設備使用料などを得るMLPは、その恩恵をダイレクトに受けると考えられる。

米エネルギーインフラ分野の投資拡大に伴う年間平均の雇用創出予想(14-25年)は約89万人といわれている。こうした雇用創出が消費拡大につながり、それがさらにエネルギー需要を一段と押し上げると期待されている。こうした好循環は「エネルギーインフラ・スーパーサイクル」と呼ばれ、MLPの中長期的な収益拡大期待につながっている。

■MLPとREITの共通点

MLPは、REIT(不動産投資信託)と仕組みが似ているといわれる。REITは、投資家から集めたお金を不動産に投資し、賃貸収入を得て、それを中心に投資家に分配する。МLPは、主にエネルギーインフラに投資して、そこから得られた収益を投資家に還元する。МLPはREITのエネルギー版ともいわれているので、REITの仕組みをご理解いただいている方には、イメージしていただきやすいかもしれない。

■MLPの安定感ある収益構造

エネルギーというと、もしかしたら変動が激しいとのイメージを持たれる向きもあるかもしれないが、MLPの収益構造は安定する傾向にある。エネルギー関連事業は、川の流れに例えて、ガス・油田などの探査・開発・生産などの「川上事業」、ガス・石油の輸送や貯蔵などの「川中事業」、そして卸売や小売の「川下事業」の3つに分類することができる。このうち「川上事業」と「川下事業」は、収益が資源価格や需要の変動による影響を受けやすい。これに対して「川中事業」は、主な収益の変動要因が資源の輸送量などであるため、資源価格や需要の影響をダイレクトには受けにくい。MLPの事業別構成(14年4月末現在)を見ると「川中事業」が87%とその大半を占めており、比較的安定性のある事業ととらえられよう。

■投資対象としての魅力

投資対象として魅力の多いMLPだが、その主な魅力を挙げると大きく2つある。まず第1に「相対的に高い利回り」。利回り実績を見ると4月末時点で5.2%と、ほかの資産と比較しても高い水準にあり、一般に高い利回りと認識されているREIT(3.6%)よりも高い。第2に「パフォーマンスの良さ」。03年1月末-14年4月末の約10年間のパフォーマンスを見ると、MLPはおよそ5.5倍にまで上昇している。ここまで上がると、逆に今後の動向を心配される方もいらっしゃると思われるが、エネルギーインフラが不足している中では事業環境は良好な状況が続くと予想されており、今後も堅調な推移が期待できると考えている。

■拡大するMLPマーケット

MLPは1980年代に米国で誕生した。60年代に始まった米国REITに約20年遅れてのスタートだったが、その市場規模を見ると、昨年12月末現在で時価総額が5213億ドルと、米国REITの時価総額5058億ドルに匹敵するまでに成長している。市場規模がこのように拡大していることもMLPの魅力の一つといえる。米国ではMLPに対する投資が個人投資家のほか年金基金や機関投資家にも広がっている。MLPのインデックスを対象としたETF(上場投資信託)も、米国では活発に取引されている。

■MLPでは国内初のインデックスファンド

「インデックスファンドMLP(毎月分配型)」は、主に米国の金融商品取引所に上場されているMLPやMLPに関連する証券を主要投資対象として、「S&P MLP指数(円換算ベース)」の動きに連動する投資成果を目指すインデックスファンドだ。「S&P MLP指数」は、ニューヨーク証券取引所やナスダックなどに上場するMLPなどのうち、GICS(世界産業分類基準)でエネルギーセクターまたは公益事業セクターのガス産業に属する銘柄を対象とした浮動株調整後の時価総額加重を基本とする指数。構成銘柄数に上限がなく、MLP市場を幅広くとらえられる点に特徴がある。

2月18日に運用を開始してからまだ日が浅いが、当ファンドの基準価額は設定来、順調に推移している。当ファンドは毎月収益分配を行うことを目指す「毎月分配型」ファンドだが、4月から30円ずつ分配を始め、4-6月で計90円の分配金を出した後の基準価額は1万1020円(6月20日現在)と、非常に堅調といえる。

国内の投資信託で投資対象の一部にMLPを組み入れたファンドは少しずつ増えつつあるが、MLPのインデックスに連動した投資成果を目指すファンドは当ファンドが国内初となる。おかげさまで日興アセットは古くからインデックスファンドの開発・運用実績において投資家の皆さまから高くご評価いただいているが、こうした商品開発力やパッシブ運用能力を駆使して、今回、新しい資産であるMLPを対象としたインデックスファンドの開発を実現した。インデックスファンドなので、指数に連動することを目指すという分かりやすさの点でも魅力を感じていただけると思う。

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