機熟す「女性活用」に焦点当てたファンド  BNYメロン・アセット・マネジメント・ジャパン「女性活力日本株ファンド」

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「女性の活躍」をテーマに3つの着眼点で構築

日本株式運用本部長  代表取締役社長 鹿島美由紀氏  岸本志津代氏

日本株式運用本部長       代表取締役社長   
  鹿島美由紀氏          岸本志津代氏

BNYメロン・アセット・マネジメント・ジャパンは、日本の成長戦略の中核である「女性の活躍推進」を投資テーマとする「女性活力日本株ファンド」を設定する。同ファンドは、運用会社である同社社長および運用を統括する日本株式運用本部長が女性であり、かつ運用チームの過半数が女性、さらに受託会社は、4月1日付で国内銀行初の女性社長が就任した野村信託銀行と、同ファンドのコンセプトを象徴するように女性がリーダーとして担い手となっている企業やセクションが集結して投入されたユニークなファンドともいえる。同ファンドは6月5日までエース証券と丸八証券が当初募集を行い、6月6日に設定される。

BNYメロン・アセット・マネジメント・ジャパンの岸本志津代表取締役社長は、「女性活力日本株ファンド」について、「今年に入って、いよいよ今のタイミングで設定するのが良い時期と判断した」という。岸本社長の説明によると、少子高齢化の進展で日本の生産年齢人口(15歳―64歳)は1995年の8,700万人をピークに減少に転じ、2050年には5,000万人まで縮小すると推定されている。OECD(経済協力開発機構)による潜在成長率見通しによると、生産年齢人口の減少で成長が0.7%も押し下げられる。こうした日本の長期的な問題を解決するための方策の一つとして、女性の力の活用が不可欠な情勢となっている。日本の大卒女性の就業率は69.3%と、OECD諸国の平均82.6%を大きく下回っている。また、日本は男女間の賃金格差が大きく、賃金格差はOECD諸国の平均を大きく上回っている。日本の女性の就業率は世界の中で低位で男女の賃金格差も大きくなっているが、逆に言えば、今後に改善の余地があり、改善すれば、日本経済の活性化につながる可能性がある。

アベノミクスでは、「女性の活躍」による成果目標として20年に女性の就業率(25歳から44歳)を73%(現状68%)にし、企業の指導的地位に占める女性の割合を30%程度にすることを掲げている。その推進のための施策として、(1)女性の活躍を支える基盤整備(待機児童解消加速化プラン)。15年度までに約20万人分、さらに17年度までには合計約40万人分の保育の受け皿を新たに確保する。(2)女性の活躍に向けたインセンティブ。女性の活躍促進や仕事と子育ての両立支援に取り組む企業を、助成金や税制により支援する――となっている。

「女性が活躍する企業」は実際、高い収益力や株価パフォーマンスを示している。例えば、女性取締役を有する日本企業で構成したポートフォリオのパフォーマンスは、過去3年および5年でTOPIX(配当込み)を上回っている。

単身世帯の消費性向を男女別に比較すると、もともと、年収にかかわらず女性の方が高い傾向にある。また、若年勤労者単身世帯で女性の可処分所得が09年に男性を上回っている。「女性は男性より消費に積極的。今後、さらに女性の所得水準が向上すれば、プラスの効果が期待できる」と、岸本社長は力説する。

女性が消費支出を増加させることが予想される項目としては、旅行、家電製品、住宅リフォームなどが上位だ。「女性の活躍」によって恩恵を受けるビジネスの例として、育児休業制度の広まりで、育児休暇を利用して出産後も継続して働く女性の割合は増加傾向にある。家事支援サービスを展開する企業の売上高は拡大している。

こうした状況の中で、「女性活力日本株ファンド」は、「女性の活躍」をテーマとし、3つの着眼点に基づき、「女性の活躍」から広い意味で恩恵を受ける、利益成長の裏付けのある企業に投資を行う。「女性の活用積極的に行う企業」「女性向け商品・サービスを展開する企業」「女性の活躍によって間接的に恩恵を受ける企業」の3つだ。

同ファンドの運用を担当するのは、BNYメロン・アセット・マネジメント・ジャパンのマネージングディレクター・日本株式運用本部長の鹿島美由紀氏が率いる日本株運用チームで、13年4月にアイエヌジー投信から、両社合意の下、チーム全員が移籍してきた。チームの半分以上が女性だ。同日本株式運用チームが実質的な運用を行う日本株式ファンド「アイエヌジー・日本株式オープン」は、「日経マネー(14年2月号)」で4,800本以上の投信の中から「投信大賞」に選出されたという実績を持つ。大賞に選ばれた決め手は、「資金安定度」「インデックスに対する勝率」「シャープレシオ」とされる。

鹿島氏は、「女性の活用積極的に行う企業は、業績が良い場合が多いというデータが出ている。女性が有効活用されているほうが、パフォーマンスが良いのは人事効果自体が、男性に対しても公平な会社というところがある。当チーム全体もそうした体制になっている」と指摘。しかし、「女性というテーマに乗っているだけでは魅力的な商品とはならない。上がる銘柄を選択しなければ意味がない。当ファンドで銘柄選別およびポートフォリオ構築のポイントとなるのが、独自の調査に基づき、長期的に予想を上回る業績、成長力、バリュエーションという3つの着目点だ。これらがうまくバランスできている企業を選択する」としている。

分野別の銘柄の参考例として挙げられているのは、「女性の活用積極的に行う企業」ではカルビー、セリア、「女性向け商品・サービスを展開する企業」ではエイチ・アイ・エス、アイカ工業、「女性の活躍によって間接的に恩恵を受ける企業」では綜合警備保障、メッセージだ。

一方、販売会社のエース証券では、優待キャンペーンを行う。株式市場で株主優待を導入する企業は急増しているが、同じ観点で投資信託でも優待制度を導入する。もちろん初めての試みだ。優待その1は、同ファンドを100万円以上購入した人を対象に、毎年12月1日時点の保有額に応じて、100万円以上300万円未満の場合1,500円相当、300万円以上の場合は5,000円相当のカタログギフトをプレゼントする。優待その2として、購入金額100万円ごとに5万円相当の旅行券が当たる権利1回分をプレゼントする。これは毎年4月の決算日の保有額に応じて毎年進呈。当選者数は、販売会社での同ファンドの純資産総額が5億円ごとに2名追加される。その3としてエース/セディナ口座限定で購入金額50万円ごとに1,000ポイントまたは200ポイントをプレゼントする。

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