米ハイ・イールド債の良好な投資環境に着目 国際投信投資顧問 「US短期ハイ・イールド債オープン 愛称:スプリンター」

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米金利上昇にも配慮、5年以内の債券に

国際投信投資顧問 「US短期ハイ・イールド債オープン 愛称:スプリンター」

金井和人氏

金井和人氏

為替プレミアムコース(毎月決算型)
為替ヘッジありコース(毎月決算型)/(年2回決算型)
為替ヘッジなしコース(毎月決算型)/(年2回決算型)

商品企画部副部長 金井和人氏に聞く

国際投信投資顧問は4月22日、「US短期ハイ・イールド債オープン 為替プレミアムコース(毎月決算型)、為替ヘッジありコース(毎月決算型)/(年2回決算型)、為替ヘッジなしコース(毎月決算型)/(年2回決算型) 愛称:スプリンター」を設定・運用を開始した。同ファンドにおいてハイ・イールド債券とは、格付け機関による格付けがBB+格相当以下の債券のこと。同ファンドは、米ドル建の短期ハイ・イールド債券に投資する。米ドル建の短期ハイ・イールド債券を投資対象にしたファンドで、同社は単位型のシリーズ化したものを設定しているが、追加型では今回が初めてという。同ファンドの特徴や仕組み、魅力、また、米ドル建のハイ・イールド債券の投資環境などについて、同社商品企画部副部長の金井和人氏に聞いた。

■基本的な特徴

当ファンドの主要な投資対象は米ドル建の短期ハイ・イールド債券。主として、格付けがB-格相当以上の短期ハイ・イールド債券に投資する。原則としてCCC+格相当以下の債券には投資しない。また、年限は残存5年以内のハイ・イールド債券。ポートフォリオの平均デュレーションとしては2(年)以下に設定している。投資環境によっては、保有する債券について債券先物を売り建てて、金利変動リスクの低減を図ることもある。債券の実際の運用についてはモルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメント・インクが行う。同社が運用を行う「ショート・デュレーション・ハイ・イールド・ボンド・ファンド」と、当社が日本の公社債で運用する「マネー・プール マザーファンド」に投資するファンド・オブ・ファンズ方式のファンドだ。

また、為替戦略と決算頻度の組み合わせによって合計5つのコースを設けており、投資家のさまざまなニーズに応えられるようにしている。まず為替戦略については保有する米ドル建資産について原則として対円で為替ヘッジを行い、為替変動リスクの低減を図る「為替ヘッジありコース」、原則として為替ヘッジをしない「為替ヘッジなしコース」、これら2つのコースは外貨建資産を投資対象とするファンドでは一般的なものだが、このほか「為替プレミアムコース」を用意した。これは、保有する米ドル建資産について円に対する米ドルのコール・オプション(対円で米ドルを買う権利)を売却することでカバード・コール戦略を構築して、米ドル高・円安となる場合の為替差益を放棄する代わりに、オプション・プレミアムの獲得による収益の上乗せを目指すものである。決算頻度については毎月決算型と年2回決算型の2種類。「為替プレミアムコース」は毎月決算型のみだが、「為替ヘッジありコース」「為替ヘッジなしコース」はそれぞれ毎月決算型と年2回決算型の2種類を用意、この結果、為替プレミアムコース(毎月決算型)、為替ヘッジありコース(毎月決算型)、為替ヘッジありコース(年2回決算型)、為替ヘッジなしコース(毎月決算型)、為替ヘッジなしコース(年2回決算型)の5つのコースとなる。

■為替戦略のシミュレーション

2014年1月末までの直近10年間の市場データに基づく各コースの為替戦略のシミュレーションを行うと、10年全期間では「為替プレミアムコース」のリターンが3コースの中で最も高くなった。また、米ドル高・円安局面では「為替ヘッジなしコース」、米ドル安・円高局面では「為替ヘッジありコース」、米ドル円が一定の範囲で推移するレンジ局面では「為替プレミアムコース」のリターンが最も高くなった。ここから為替戦略については、米ドルの先行きに強気の方には「為替ヘッジなしコース」、慎重な方には「為替ヘッジありコース」、一定のレンジ相場を想定される方には「為替プレミアムコース」がそれぞれ適している、ということもできる。

■投資環境の現状と見通し

現在のマーケットの環境は、長い間低金利が続いてきて景気回復とともに足元ではテーパリング(量的緩和の縮小)が始まった。テーパリングの開始とともに、15年以降の政策金利の引き上げが予想される環境下にある。年限を5年以内と短くしたのは、金利上昇による債券価格の変動リスクを抑えることが目的だ。一般的に残存が短い債券ほど債券価格の変動が小さい傾向にあるからだ。ハイ・イールド債券は、基本的に企業の信用リスクをとる資産であり、景気や業績が良くなる環境下で良好なパフォーマンスを出す傾向のある資産クラスだ。金利が上昇するような景気の回復・拡大期は、ハイ・イールド債券にとっては良い投資環境といえる。とはいえ、投資家の皆さまの中には足元で金利上昇に対する警戒感も根強いことから、ハイ・イールド債券の中でも残存期間を短くして、金利上昇による価格変動リスクを抑えることに重点を置いた。過去のデータを見ると、ハイ・イールド債券は、残存期間を短くしてもリターンはそれほど損なわれない、一方でリスクは減らせるという傾向が見て取れる。よって、当社は今回、ハイ・イールド債券でも残存期間が短めのものを主要な投資対象にするファンドを投入した。

短期ハイ・イールド債券のスプレッド(国債に対する上乗せ金利)を見ると、1月末時点で3.2%となっている。リーマン・ショック後には20%程度まで大きく上昇したが、その後、現在までの5年間は縮小傾向が続いている。スプレッドは縮小傾向にはあるが、リーマン・ショック前の景気が良かった04―07年当時の水準である2%台までは達していない。ここから先、米国の景気が底堅く推移すれば、スプレッドの低下余地はなお残っていると考えられる。また、格付け別デフォルト率の推移を見ると、当ファンドが投資対象としているBB格、B格についてはかなり低く、格付けから見ても米ドル建のハイ・イールド債券マーケットの現在の投資環境は良い状態にあることが示されている。

■運用会社の強み

米ドル建のハイ・イールド債券の投資環境は良好だが、今後はより調査力・運用力が勝負になるとみている。実質的に運用を担当するモルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメント・インクの運用の特徴の1つとして、ベンチマークに入っていない中小型銘柄の発掘に強みを持っている点が挙げられる。この観点からも今後のパフォーマンスに期待ができるのではないかと考えている。米ドル建の短期ハイ・イールド債券の利回りを見ると指数ベースでは1月末で3.8%となっているが、当ファンドの投資対象となる「ショート・デュレーション・ハイ・イールド・ボンド・ファンド」の1月末のモデル・ポートフォリオでは最終利回りが6.2%となっている。これはリスクをとって高いリターンを目指していることを示すもので、裏付けとなる調査力・運用力のうまさを物語るものといえる。

なお、モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメント・インクは、モルガン・スタンレーの資産運用部門として世界19カ国に展開しているモルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメントの米国拠点。モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメントの運用資産残高は昨年末時点で約39兆円に上っている。

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