良好なファンダメンタルズ、利上げ先行で脚光 日興アセットマネジメント「ニュージーランド公社債ファンド(毎月分配型) 愛称:ニュージーボンド」

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酪農製品中心の輸出や観光業などで将来性大きい

角本直美氏

角本直美氏

資産運用サポート第1部
シニアアドバイザー 角本直美氏に聞く

日興アセットマネジメントは、「ニュージーランド公社債ファンド(毎月分配型) 愛称:ニュージーボンド」を2月18日に設定、運用を開始している。良好なファンダメンタルズやほかの先進国に先駆けて利上げを行ったことなどで注目を集めているニュージーランドドル建ての債券に投資するファンドとあって、同ファンドへの人気が高まっている。まさに“旬”の国とも言える同国経済の特徴や将来性、同ファンドの仕組みや魅力などについて同社資産運用サポート第1部シニアアドバイザーの角本直美氏に聞いた。

為替リスクをとって外債ファンドに投資する場合、投資家ニーズとしてはやはり一定水準の金利が欲しいということになるが、主要先進国が低金利政策を続ける中、高いインカム収益を確保するのはなかなか難しい。これまで相対的に高金利の先進国というとオーストラリアに注目が集まる傾向にあったが、それと合わせてニュージーランドを分散先の一つとしてお考えいただきたいと考えている。

■NZドル建て債券投資の3つの魅力

ニュージーランドドル建て債券に投資する魅力は主に3つあると考えている。1つ目はほかの先進国に比べて相対的に高い金利水準にあること。高い金利を求めてオーストラリア債券に投資するファンドをお持ちのお客さまは多いが、ニュージーランド債券の利回りはそのオーストラリアを上回る、魅力的な水準となっている。2つ目の魅力は高い信用力。ニュージーランドは、大手格付け会社ムーディーズから、アメリカやドイツ、カナダ、オーストラリアと並ぶAAA(トリプルA)を付与されている。財政の健全性が高く高格付けでありながら、相対的に高金利の国といえる。3つ目の魅力はニュージーランドの経済状況が良好な状態にあることだ。2013年10―12月期の経済成長率は前年同期比3.1%(7―9月期は3.3%)と、先進国では相対的に高い経済成長を続けている。その理由は大きく3点あり、まず1点目は乳製品などの酪農製品を中心に、中国やASEAN(東南アジア諸国連合)向けの輸出が大きく伸びている点。アジアでは食の欧米化などにより乳製品の需要が拡大傾向にある。乳製品価格はアジア向け輸出の伸びで大きく上昇しており、交易条件(輸出価格÷輸入価格)が40年ぶりに好転している。2点目はカンタベリー地震からの復興需要。3点目は低金利政策。今年3月に約3年8カ月ぶりに利上げを行ったが、それまで政策金利は2.5%と史上最低水準で、これを追い風として住宅投資の拡大も続いている。同国は移民を受け入れており、これも住宅需要の強さの一因となっている。住宅価格の上昇による資産効果から個人消費も堅調だ。IMF(国際通貨基金)の予想ではGDP(国内総生産)成長率は今後も2―3%台の高い伸びが見込まれている。住宅価格には過熱感が出ており、中長期的にはインフレ率が上昇するとみられていることから、今後さらなる金利の引き上げが予想されている。これが通貨の先高観につながり、ニュージーランドドルは昨年来、対円で20%超上昇しており、今後も上昇基調が期待できる。

■NZドルと豪ドルの比較

ニュージーランドドルをオーストラリアドルとの比較で見ると、過去には双子の通貨と呼ばれていたように、両通貨は対円で同じような動きをしていた。しかし、2012年ごろから徐々に大きくカイ離する状況となっている。地理的な近さから両国には似たイメージを抱きがちだが、経済成長を支える産業は全く異なっている。オーストラリアの主な輸出品は鉄鉱石や石炭などの資源。鉄鉱石の価格は中国の景気減速の影響をダイレクトに受けて下落し、これがオーストラリアの金利や通貨にも影響を与えた。これに対してニュージーランドの最大の輸出品は乳製品などの酪農製品。食料は景気の減速の影響を受けにくい側面があり、また、最大の輸出先である中国では1人当たりの所得が上がっていることなどもあって、中国向けの酪農製品の輸出は減るどころか、拡大の一途をたどっている。これがニュージーランドの経済にも良い影響を与えて、通貨の上昇にもつながっている。両国の産業構造や金融政策の違いを背景に異なる動きを見せる両通貨を併せ持っていただき、適切な分散を図ることはとても有効ではないかと考えている。

■経済を支える、将来性豊かな産業

ニュージーランド政府が推進する、今後の同国の経済を支える産業について紹介したい。注目される推進分野は主に3つある。

まずは貿易。同国は畜産が盛んで、世界でも有数の農業大国だ。輸出量ランキングで見ると、チーズで世界第3位、バターで世界1位、粉ミルク(全粉乳)でも世界1位となっている。同国の輸出全体を見ると、2000年から2013年の間に輸出金額は1.6倍に拡大。輸出先では中国向けが大きく増えており、2000年の3%から2013年は23%にまで拡大している。要因としては、2008年のFTA(自由貿易協定)締結や中国の1人当たりの所得の向上、人口の増加、食の欧米化の進展などが挙げられる。また中国では一人っ子政策の緩和が始まる。現在、年1600万人の子供が生まれているが、規制緩和でさらに200万人が上乗せされるといわれている。中国では価格が高くても、質がよく安全な外国産のミルクが人気化しており、中国が輸入するミルクの8割はニュージーランド産で占められているという。輸出先の環境が変わることで、さらに追い風になることが期待されている。ニュージーランドは、ASEANともFTAを締結しており、地理的な近さもあって、アジア地域でのビジネス拡大がいっそう期待されている。

現在、加盟希望国との拡大交渉が行われているTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)だが、同交渉の参加各国はニュージーランドからみれば輸出額の約41%と大きなシェアを占める相手先だ。TPPが発効されれば、ニュージーランドにとって大きなビジネスチャンスが広がる可能性が高い。

次に挙げられるのが観光振興。ニュージーランドは昨年1年間で270万人の観光客を集めた。これは、同国の人口450万人の半数を超える規模だ。増えているのは中国をはじめアジアの国からの方々で、これもアジアの経済成長の恩恵によるものだ。所得水準が向上してゆとりができた中で、また地理的にも近い上、ダイナミックな自然を享受できる同国に、多くの観光客が訪れている。観光収入は、酪農製品の輸出額に次ぐ規模で、同国にとっては大きな収入源であり、今後もニュージーランド経済を支える大きな柱になっていきそうだ。

最後に挙げられるのが再生可能エネルギー。同国は再生可能エネルギーによって発電の73%を賄っている。政府は2025年までに電力の90%を再生可能エネルギーで賄うことを目標にしており、これが実現すれば、天然ガスや原油の輸入が大きく減少する見込みで、同国の経常収支や貿易収支などの大幅な改善につながるとみられる。エネルギー輸入がかさんで貿易赤字や経常赤字が拡大している日本とは真逆だ。こうした点も中長期的にニュージーランドドルが強くなる要因になると考えられる。

fig■投資対象として魅力のある国とは

ニュージーランドは小粒といわれるが、投資で重要なのは規模ではない。同国の経済は堅調、金利はさらに上昇が見込まれ、通貨は見通しが良好で流動性も高く、ポピュラーな通貨といえる。政治も安定しており、将来的にも魅力のある国といえよう。先進国債券投資で人気のあるオーストラリアは鉄鉱石や石炭、カナダは石油と、ともに鉱物性資源の国であるのに対して、ニュージーランドは食料資源の国という特徴がある。それぞれに分散して投資していただくことが有効ではないかと考える。

■ファンドの投資対象

当ファンドは主にニュージーランドドル建ての公社債に分散投資する。投資対象は国債、政府保証債、国際機関債、社債などで、社債は、同国の企業に限らず、世界の優良企業がニュージーランドドル建てで発行した社債なども投資対象に含まれる。直近のポートフォリオで発行体を国別に見ると、国際機関のほか、オーストラリア、ニュージーランド、アメリカ、カナダなどとなっている。ニュージーランド国債の市場規模は近年拡大している。これは2010年、2011年と2年続けて大地震が発生し、震災復興予算のための資金調達を目的に発行額が増えたことなどが背景にある。同国の財政は比較的良好とあって、今後、発行額は減少することが予想されている。

■日興アセットグループの現地運用会社の強みを活用

当ファンドの運用にあたって、ニュージーランドの経済状況や金融政策などについては、当社グループの現地有力資産運用会社「ティンダル・インベストメント・マネジメント・ニュージーランド・リミテッド」からの助言を受ける。日興アセットは自社グループ内に、ニュージーランド当地で長い歴史を持ち、現地資産の運用実績も豊富なティンダル社を有している。現地のマーケットだけでなく、政治・経済などに関しても詳細な調査・分析をダイレクトに運用に生かしていけることが、ほかにはない大きな強みになっていると考えている。

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