フランスの持つ成長ドライバーに着目 カレラアセットマネジメント「フランス株式ファンド」

個 別


農業・宇宙航空・ブランド産業などで優位に

カレラアセットマネジメント

左から塩澤聡氏、上原愛氏、児嶋竜三氏、宮元勉氏
運用は4人体制で

カレラアセットマネジメントは3月18日に「フランス株式ファンド」を新規設定する。現在、日本の公募株式投信でフランス株式のみを主要投資対象とする唯一のファンドとなる。同社は2012年7月に公募投資信託の第1号として日本初のニュージーランド株100%のファンド「ニュージーランド株式ファンド」を設定して以降、スイス、メキシコ、オランダ、カタール・アブダビ、ロシア、イタリア、日本の株式や、J―REIT(不動産投資信託)を投資対象にしたファンドを相次いで設定、今回がついに第10弾を迎えた。そこで「フランス株式ファンド」設定の背景や、同国の経済・株式動向、ファンドの魅力などについて、同社運用部チーフインベストメントオフィサーの塩澤聡氏に聞いた。同ファンドの販売会社は安藤証券、他社からも販売参加の希望があれば受け付ける。当初申し込みは3日からスタートしている。

■なぜフランスか

フランスは食・科学・文化の一流国で、農業・宇宙航空・ブランド産業などの各分野で成長ドライバーを有していることにフランス株式の魅力がある。

初めに金融・経済環境に世界的な変化が始まっている。2008年のリーマン・ショックや2010年の欧州債務危機などを通じて、日米欧の先進国を中心に世界各国の中央銀行は金融緩和を進めてきた。こうした対応策が一定の効果を発揮してさまざまな問題も最悪期を脱したことから、FRB(米連邦準備制度理事会)が昨年12月に量的金融緩和政策の縮小を決定した。その結果、量的金融緩和・超低金利によって新興国に流入したマネーが、今後、先進国に引き揚げられると想定される。

また、先進国の経済は米国を中心に回復に向かっている。ユーロ圏についても、南欧債務による危機が終息し、景気の回復の兆しが表れている。こうした環境からグローバル債券や新興国株式から先進国株式に資金が流れやすいと考えられる。

■経済のけん引役

まず、フランスは欧州最大の農業国だ。国土の半分以上が農地で、EU(欧州連合)全体の16%を占めている。食料自給率(2009年)は121%で、アメリカの130%には及ばないものの、同じ欧州のドイツ(93)、イギリス(65)と比べても高い水準。農業生産額はEU最大で、EU全体の19%を占めており、ドイツやイタリアなどを圧倒。農産物輸出額は世界第5位に位置している。大規模経営が主体で、1経営主体当たりの農地面積が非常に広いことが特徴だ。

フランスは原子力発電先進国だ。世界第2位の58基の原子力を有し、発電量の7―8割を原発で占めており、周辺国への電力輸出も行っている。原子力産業は、中国、トルコ、ベトナム、中東欧諸国など新興国を中心に電力の安定供給の観点から原子力発電導入需要は強く、先進国では廃炉ビジネスの潜在需要が大きいことから、今後の成長産業として期待できる。世界最大級の原子力企業のアレヴァがある。

また、フランスには米ボーイング社と並ぶ世界トップクラスの航空機メーカーのエアバスがある。航空宇宙産業はフランスの輸出の10%弱と大きなウエートを占め、ヨーロッパの航空宇宙産業の中核を担っている。世界的な人口増加や中産階級の拡大、観光や移住の増加などで、航空機需要は2023年まで3万6560機へと倍増する見込みだ。

フランスのイメージといえば、ブランド産業だが、高級品部門では世界の売上高の25%をフランス企業が占めている。世界最大の高級ブランドコングロマリットのルイヴィトンMHグループがあり、ファッションだけでなくジュエリー・香水・ワインなどに数多くの一流ブランドを所有している。景気回復に伴い需要が増加すると予想される。

フランスは世界有数の観光立国で、モン・サン・ミッシェルなど世界4位の38件の世界遺産や多くの有名美術館があり、年間8000万人以上の世界一の外国人観光客数を誇っている。1999年以降、観光業は国際収支面でも最大の黒字項目として貢献している。欧州圏からの観光客の回復、中国人観光客の増加、滞在期間の長期化などにより堅調な伸びが期待されている。

人口動態では、欧州トップレベルの出生率で人口が増加し、生産年齢人口比率も相対的に安定しており、生産力や内需面で長期的な競争持続力を持っている。

■EU将来像へ一歩一歩

EUの将来像の財政統合への道のりも一歩一歩進んでいる。まずは、欧州の銀行セクターの規制・監督制度を一元化する銀行同盟では、ECB(欧州中央銀行)が各国中央銀行等を直接監督する単一監督制度の下、2014年に銀行の資産査定やストレステストが実施される予定だ。

■格付け

フランスの格付けは、ムーディーズでAa1、S&PでAAと、非常に高い水準を有している。

■株式市場の特色

株式市場については、資本財・サービスセクターのウエートが20%とトップで、一般消費財・サービス、金融、生活必需品セクターも、10%以上のウエートがあり、比較的幅広く分散していることが特徴だ。個別銘柄では、各セクターで世界的に有力な企業が存在している。

■企業業績

企業業績については、利益予想は2014年から2015年にかけて大幅な増益が予想され、予想ROE(自己資本利益率)も大きく改善する。リーマン・ショックや欧州債務危機前と比較するとさらに改善する余地が残されている。バリュエーションも良好な水準にある。

■株価指数

フランス株価指数(CAC40指数)は、2009年をボトムに回復してきており、戻り高値を更新中だ。過去10年のレンジではほぼ真ん中の水準で、米英独などの先進国株式市場と比較してもキャッチアップの余地がある。

■為替

為替については、ユーロは欧州債務問題の終息により対米ドルで緩やかに上昇し、円安の影響も加わって対円では140円前後に上昇してきている。

以上からフランスの中長期的な経済成長を通じて、株式。為替価値が上昇することが期待されている。

■運用体制

銘柄選定に当たっては事業内容、成長性、収益性、財務健全性などを勘案して厳選する。さらに業種配分、バリュエーション、流動性を考慮してポートフォリオを構築する。これまでと同じく、当ファンドの運用体制は4人。私塩澤がチーフインベストメントオフィサーを務め、サブファンドマネージャーは運用部長の児嶋竜三、チーフトレーダーは参事の宮元勉、アシスタントファンドマネージャーは上原愛がそれぞれ担当する。

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