キャピタルAM 新ファンド設定 「東京再開発ファンド」1月16日新規設定

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成長に向けて変化する“東京”に厳選投資

杉本年史氏

杉本年史氏

キャピタル アセットマネジメント
代表取締役社長 杉本年史氏

アベノミクスの号砲とともに上昇を続けてきた日本株。2020年東京オリンピック開催をひとまずのメドに、国内では複数の大型開発案件が浮上するなど、この先も材料は豊富だ。そのため昨年は日本株を投資対象とするファンドが多数設定されたが、ついには「東京」にフォーカスしたファンドが登場。その名も「東京再開発ファンド」を1月16日に新規設定したキャピタル アセットマネジメントの杉本年史代表取締役社長に新ファンドの概要や魅力を聞いた。

――まずはファンドの概要を教えてほしい。

「東京で再開発関連ビジネスを手掛ける企業に注目した。中で、比較的に流動性の高い株式に厳選投資を行う。基本的には長期投資により信託財産の成長を目指す。決算は年2回とし、基準価額の水準など運用実績を勘案して収益分配の有無を決定する」

「多様な投資家ニーズに応えるため『円コース』のほか、『米ドル』『ユーロ』と3つの通貨コースを用意した。当ファンドが保有する資産は円建てだが、米ドル、ユーロコースではそれぞれ円売り・外貨買いの為替取引を行うことで、この先の円安進行の恩恵も同時に享受できる仕組みに」

――キャピタルAMにとって初めての日本株ファンドだ。

「いわゆるアベノミクス効果で日本株は一昨年末より上昇基調が続いている。これに伴って昨年は日本株にフォーカスしたファンドが多数出現。そんな中、当社は『東京』にフォーカスしたファンドを立ち上げることとした」

「当社は運用ファンドが16と本数こそ多くないが、常にアイデアで勝負していると自負する。例えば、現在はごく一般的になった米国シェールガスをテーマにしたファンドを12年8月に設定するなど、他社に先駆けた商品提供を得意とする。とりわけ新興国投資に強みを持ち、エジプト、フィリピン、南アフリカ、UAEそれぞれ単独国の株式を投資対象とするファンドを運用しているが、いずれも業界の先鞭(せんべん)をつけている」

――なぜ「東京」にフォーカスしたのか。

fig1「長期的に見て、少子高齢化が進む日本経済の先行きには閉塞(へいそく)感が漂っている。しかし、東京に限ってみれば、その限りではないと考えたからだ。東日本大震災からの教訓により防災・減災の必要性が高まっているほか、老朽化した各種インフラの更新など、日本には多くの建設需要がある。東京は日本経済の中心であり、災害などにより都市機能がマヒした場合、その損害は甚大だ。今までの公共事業は地方が焦点だったが、今後は東京に焦点が当たると考える。東京は再開発を進め、国際都市としての魅力を高め、成長しようとしている。そこに投資機会がある」

「東京を含む関東エリアでは、全国平均より総じて高い消費マインドが確認されている点もポジティブ。そして国内の消費マインドは足元ようやくリーマン・ショック前の水準まで回復している」

――東京再開発の中身を知りたい。

「昨年12月、首都高速道路を管理する首都高速道路(千代田区)は、老朽化した首都高に対して改修工事の計画を発表。総事業費は約6300億円と大規模だ。今後はさらに、防災・減災を目的に老朽化したインフラや建設物の改修が続くとみられる上に、東京オリンピックに向けて渋滞緩和のための交通網の整備が進むだろう」

「加えて政府は近年、ビジネスや観光で訪日する外国人数の増加を目指して、外国人にとって魅力的な街づくりを進めているほか、東京都は独自で税政優遇や補助金交付を行って外国企業の誘致を進める『アジアヘッドクォーター特区構想』に着手。特区では、外国企業に対する法人税率を20%台まで下げるなど、外国企業が日本を拠点にアジアで事業展開しやすい環境を整える。都では16年度までに外国企業500社以上の誘致を目指している」

東京都心は再開発が目白押し(クリックで拡大)――具体的に。

「東京都が公表する再開発エリアは大きく6つ。(1)『東京都心』では、三越や高島屋など老舗百貨店に囲まれた日本橋エリアの再開発、東京ドーム約5個分もの築地市場跡地の再開発といった大型案件を多数抱えており、(2)『臨海地域』ではお台場にカジノ構想が浮上している」

「(3)全国最大級のターミナル駅『新宿駅周辺』にはハブ機能を生かして、商業施設に文化施設と住宅を加えた新しい建造物『ショールームタウン構想』が。(4)『渋谷駅周辺』では、都内一高い250メートル級の商業ビルを建設中で、27年完成を目指す」

「(5)リニア中央新幹線の始発となる『品川駅周辺』は20万平方メートルともいわれるJR車両基地跡地の再開発案件を抱えるほか、活性化を見据えて40年ぶりの山手線新駅建設のウワサも聞かれる。加えて、羽田・成田の両空港と、名古屋や大阪につながる東海道新幹線が乗り入れるとのアクセスの良さゆえ、東京都の『アジアヘッドクォーター特区』に指定されている。政府が掲げた『国家戦略特区』への認定も期待されており、将来的には新たな“アジア地域の統括拠点”への転身が期待されている」

「羽田空港の拡張事業で発生した(6)『羽田空港跡地』も、国家戦略特区の有力候補といわれる。認定されれば、先端医療、マンガやアニメなど“クールジャパン”といった日本の得意分野が集積されて、日本経済高成長の原動力となることが期待される」

――ファンドの投資対象は?

「ゼネコンなど建設関連、不動産関連を筆頭に、セメントやコンクリートなど資材関連、建設機械関連、あるいは、開発区内や周辺に土地を所有する鉄道関連などが挙げられる。さらに、東京の活性化が進めば、政府が進める外国企業や訪日外国人の誘致活動と相まって、日本の玄関口としての重要性が増すだろう。百貨店など小売関連や観光関連もにぎわうことが想定される」

「投資対象は多岐にわたるが、本ファンドでは、成長に向けて変化する東京の恩恵を受けると考えられる10-20銘柄程度を抽出して、厳選投資を行う」

――関連銘柄は既に値上がりしているとの指摘もある。

「確かに、全体相場が上昇を続けていたため、対象銘柄の株価は総じて数年来高値圏にあるが、目を凝らせば割安銘柄も存在する。例えば『地価』。足元の価格は、この先の成長を織り込んでいるとは言えない。“土地持ち”企業には妙味がありそうだ」

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