スイス、魅力的な投資環境でパフォーマンス向上期待 カレラアセットマネジメント 第2号ファンド「スイス株式ファンド」設定へ

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国際競争力ランキングで4年連続首位
運用部チーフインベストメントオフィサー(CIO) 塩澤聡氏に聞く

左から塩澤聡氏、上原愛氏、児嶋竜三氏、宮元勉氏、運用は4人体制で

左から塩澤聡氏、上原愛氏、児嶋竜三氏、宮元勉氏
運用は4人体制で

カレラアセットマネジメントは12月18日に「スイス株式ファンド」を設定する。同社は7月に第1号ファンドとして「ニュージーランド株式ファンド」を設定し、約4カ月が経過した運用パフォーマンスが好調で11月30日現在、基準価額が1万2260円となり設定来の期間収益率△22.60%となった。「ニュージーランド株式ファンド」に続く第2号ファンドとして、当社はスイス株式を主要な投資対象とする追加型株式投信を立ち上げる。スイスは今年9月に「世界経済フォーラム」(ダボス会議の主催で有名)が発表した国際競争力の総合評価で4年連続第1位を獲得している。当初、販売会社は安藤証券となるが、他社からも販売参加の希望があれば受け付ける予定。当初申し込みは3日からスタートした。同ファンド設定の背景や経緯、魅力などのほか、スイスの経済や株式市場などについて、同社運用部チーフインベストメントオフィサー(CIO)の塩澤聡氏に聞いた。

ファンドの基本概要と設定の背景

当社の第2号ファンドである「スイス株式ファンド」は、公募株式投資信託で、スイスの株式を主要投資対象として直接投資する日本初のファンド。スイス株式市場は、時価総額もヨーロッパではロンドン証券取引所、フランス証券取引所、ドイツ証券取引所に次ぐ大規模な取引所となっており、高いブランド力を有するグローバル優良企業が数多く上場している。社名やブランドを挙げてみると、例えば、ネスカフェやミロなどで知られる世界最大級の総合食品メーカーのネスレ、世界的な総合医薬品メーカーのノバルティス、ロシュ・ホールディング、世界的な総合金融のUBSやクレディ・スイス・グループ、世界最大級の重電メーカーのABB、世界的な保険会社のチューリッヒ・インシュランス・グループ、カルティエ、ダンヒルなどのブラントで知られる宝石や腕時計などの高級消費財を扱うフィナンシエール・リシュモン、世界最大級の農薬、種子などの農業関連産業のシンジェンタ、世界最大級の再保険会社のスイス・リー、オメガやブレゲ、ロンジン、ラドー、スウォッチのブランドで有名な時計、ブティックなどの消費関連のスウォッチ・グループなど、いずれもご存じの名前だろう。 当社が第2号ファンドとしてスイス株を投資対象に選んだのは、他社であまり扱っていない商品という理由からではない。さまざまな要件を調査・検討した結果、総合的な観点からスイス株が、現在、最も魅力的な投資対象と判断したからだ。

スイスの強み

スイスは、日本人にとっては、アルプス山脈、山岳交通、世界遺産等に代表される観光業や山岳地での牧畜業のイメージが強い。日本でおなじみのアルプスの少女・ハイジを生んだ風土だ。さらに、時計をはじめとした伝統技術や各種制度に裏打ちされた良好な投資環境を背景とした第二次、第三次産業中心の先進国だ。スイスの特徴を挙げると、1つ目は国際競争力。良好な投資環境は、有名なダボス会議を主催する世界経済フォーラムの国際競争力ランキング(政府、インフラ、教育、市場効率性、技術等の総合評価)4年連続首位で証明されている。2つ目は政府債務比率の低さ。地理的に政府純債務比率(対GDP=国内総生産)は日本の約5分の1で世界有数の格付け機関3社(ムーディーズが「AAA」、S&Pが「Aaa」、フィッチが「AAA」)の格付けが最上級だ。クレジット・リスクが小さいことで、スイスへの投資は安心感が強い。3つ目は政治情勢。同国が永世中立主義を採用しているという特殊な地位からWHO(世界保健機関)、WTO(世界貿易機関)、ILO(国際労働機関)をはじめ、スポーツ関連でもFIFA(国際サッカー連盟)、IOC(国際オリンピック委員会)とする多数の国際機関本部が設置されるなど政治的に安定を示している。4つ目は自由貿易。自由貿易協定(FTA)については、EU(欧州連合)をはじめ、ほとんどの主要貿易相手国と締結済みだ。5つ目は魅力的な税制度。地方自治体に競争させ、法人税や個人の所得税を低率にし、富豪の移住や有力企業の誘致に努めている。例えば、法人税を比較した場合、日本(東京都)の35.64%、アメリカ(カリフォルニア)の40.75%、ドイツ(平均)の29.48%に対して、スイス(平均)は21.20%と低い。最近では、日本の日用品・ヘルスケア大手のサンスターや、ギリシャで時価総額最大銘柄であるコカコーラのボトリング会社が本社をスイスに移転することが話題になったことが記憶に新しい。

スイス株式市場の特徴

スイスの株式市場は、同国のチューリッヒにあるスイス証券取引所で取引が行われている。株式指数はスイスオールシェア指数。上場しているのは246銘柄、時価総額は1兆238億3500万米㌦に達している(いずれも10月30日現在)。当面の投資環境としては、南欧問題からEU各国の景気低迷やその他主要国の景気減速懸念が台頭する中、スイス株式市場は、スイス銀行にイメージされる金融業などの景気敏感業種のウエイトはそれほど大きくなく、構成比率は、銀行(10%)、保険会社(7%)と合わせても17%にとどまっている。食品・飲料を主力とする生活必需品、医薬品などのいわゆる「ディフェンシブ」業種や時計・宝石に代表される新興国に強い高級ブランド品(ラグジャリー製品)の一般消費財業種がウエートの過半を占めている。ちなみに、生活必需品が22.06%、一般消費財・サービスが5.5%、医薬品・医療関連が32.39%、合計59.95%と役6割に達している。同じ業種で見ると、日本が33.72%、米国が34.21%と、ともに3割程度だ。また、主力銘柄は規模、ブランド力も世界トップクラスで安定した収益力、成長力を有しており、世界的景気拡大局面だけでなく、世界的景気低迷が想定される局面においても安定した投資成果が期待できると考えられる。

為替の影響

また、外貨建て資産については、原則為替ヘッジを行わないが、機動的に市場変動に対応することがある。為替面では、欧州債務問題に伴う混乱を背景に外国為替市場では、スイスフランが対ユーロで上昇基調を強めたため、スイス中銀は、「1ユーロ=1.2000スイスフラン」を、スイスフランの上限目標として設定、スイスフランをユーロに対し無制限介入する政策を採用している。円に対してユーロが強勢になる局面では、スイスフランに対しても同様に投資成果が期待できる。投資タイミングも良いとみている。

運用プロセス

当ファンドの運用プロセスについては、経済・社会・金融・政治・国際情勢などのマクロ分析と、市場の需給、個別銘柄のバリエーション・業績などのミクロ・マーケット分析を通じて、流動性とリスクを考慮し投資魅力が大きい組み入れ銘柄を選定し、ポートフォリオを構築する。当初は、ユニバース(母集団)から厳選した30銘柄程度でスタートすることになる予想している。また、その後、リスク管理と投資成果分析を行いながら、必要に応じて、ポートフォリオを見直していく。

運用体制

当ファンドの運用体制は4人。私、塩澤がチーフインベストメントオフィサー(CIO)、サブファンドマネージャーは運用部長の児嶋竜三、チーフディーラーは参事の宮元勉、アシスタントファンドマネージャーは上原愛がそれぞれ担当する。この4人のチーム運用で、ファンドパフォーマンスの中長期的な向上に向け万全の体制で臨む。

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