楽天証券「ETFカンファレンス2013」開催

概 況


東京証券取引所2階「東証ホール」で開催されたETFカンファレンス。普段は機関投資家と向き合う国内外のETF運用会社5社の代表が、超満員の個人投資家向けにプレゼンを行ったことでも話題に。

東京証券取引所2階「東証ホール」で開催されたETFカンファレンス。普段は機関投資家と向き合う国内外のETF運用会社5社の代表が、超満員の個人投資家向けにプレゼンを行ったことでも話題に。

2014年1月よりスタートするNISA(小額投資非課税制度)。1,600兆円ともいわれる個人資産が投資へ向かうことが期待されており、その具体策の1つとして注目が高まっているのがETF(上場投信)だという。楽天証券は11月17日、口座保有者を対象に「ETFカンファレンス2013」を開催。約220人の個人投資家が集結した同イベントの講演内容を抜粋して紹介する。

急拡大する国内ETF市場

東京証券取引所 マーケット営業部
課長 冨田明宏氏

日本取引所グループは2013年度から3年間を対象とする中期経営計画の中で「ETF市場の拡大」を掲げている。ETFの取引が増えれば、裏付けとなる現物資産の取引拡大も期待される。

ETFの人気は急速に高まっており、8月末の残高は6.4兆円、足元では7.3兆円と、昨年末比1.5倍ほどにまで拡大。日本株ETFについては8割超を国内法人が保有し、個人の保有は1割未満にとどまるが、ETFは投資単位が小額との特徴からNISAに向いた商品だと考える。東証上場ETFの7割以上が2万円以下で売買可能なため、複数の銘柄を組み入れて分散投資をしたり、あるいは、ほかの金融商品を購入した余力資金の使い道としても。

米国株は“上がる宿命”に

エグゼトラスト 代表取締役社長 川田重信氏

米国株は史上最高値の更新が続いている。警戒する声も聞かれるが、彼らは視点を変えるべきだろう。例えばわれわれ日本人が見慣れた1,000、1,200、1,400と等間隔で区切られたチャートではなく、10、100、1,000とケタ数ごとに区切られた「対数目盛」のチャートを見れば、米国株はこれまで80年以上にわたってなだらかな右肩上がりの成長を続けてきたことが分かる。

米国株を語るにはS&P500がフェアだろう。時価総額の8割をカバーし、業種の網羅性もある。米国以外の売上高が46%と分散も効いている。EPS(1株当たり利益)は今年120ドルに乗るといわれるなど成長も期待できる。なぜか。米国企業はEPSの向上が使命であり、努力を惜しまない。M&A(企業合併・買収)やリストラなどの意思決定も大胆。S&P500採用銘柄は1995-2011年の17年間で年間平均30社、合計512銘柄が採用除外となるなど、新陳代謝も激しい。

トレンドは「米国株と債券」

ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ 証券営業本部長 リチャード・クレアモント氏

当社が運用する「SPDR S&P500 ETF」は現存する世界最古のETFであり、9月末時点の残高は約1458億米ドルと世界最大級。日次売買高は約206億米ドルと流動性も十分。2011年には東証にも重複上場(コード:1557)しており、信託報酬は0.09%と使い勝手も良い。

米国内での商品トレンドは、間違いなく先進国の株式に向かっている。昨年はコモディティと新興国株に向いていたが、今年は資金流出傾向に。債券ETFも残高を伸ばしている。低金利が続く米国では債券の流動性が低下、その代替として機関投資家がETFを活用するケースが増えたためだ。一方で、金利上昇懸念の高まりを受けて、デュレーションの短い債券を組み入れたETFも登場している。

時間を味方に付けた投資を

日興アセットマネジメント 商品企画部ETFセンター長 今井幸英氏

NISAは最長14年、最大500万円の非課税枠が活用できる制度。良い商品を買ってじっと待つ、時間を見方につけた運用が有効だと考える。イメージは日銀のETF買い付けオペレーションだ。市場が下落したときに一定額を買い付けて保有するだけ。日銀の買いオペは2010年11月のスタート以降、市場環境もあって最大1,000億円ほどの含み損を抱えたが、足元では8,000億円ほどの含み益を持っているような状態に。

長期投資にはインカムの影響も大きい。当社が運用する「上場インデックスファンド海外債券(CitigroupWGBI)毎月分配型」(1677)「上場インデックスファンドJリート(東証REIT指数)隔月分配型」(1345)は、配当を上乗せすると基準価額が10%以上引き上げられる(10月18日時点)。

米国で話題の「MLP」とは?

バークレイズ証券 アシスタント・ヴァイス・プレジデント 古林千明氏

米国ではREIT(不動産投信)のエネルギー版ともいえる金融商品「MLP(マスター・リミテッド・パートナーシップ)」の注目度が高まっている。パイプラインや貯蔵施設など天然ガスのインフラを保有する事業体で、これら施設が生み出すキャッシュフローを投資家に還元することを目的とする。現在はシェールガス関連産業のおよそ20%ほどを占めるが、今後は50%ほどにまで高まるとの試算も。

従来型の資源は政情不安定な地域で産出されるため、価格のボラティリティが高い。一方、米国内に施設を保有してその利用料を収益とするMLPには、安定的という大きな利点が。加えて今後は輸送量の増加に伴うキャッシュフローの増加も期待される。

「iシェアーズ」で世界分散

ブラックロック・ジャパン iシェアーズ事業部 ストラテジスト 渡邊雅史氏

当社の「iシェアーズ」は世界最大のETFブランド。9月末時点の銘柄数は710本、残高は8,633億米ドルで業界首位。7月17日には東証に「iシェアーズ先進国株ETF(MSCIコクサイ)」(1581)「iシェアーズエマージング株ETF(MSCIエマージングIMI)」(1582)、「iシェアーズフロンティア株ETF(MSCIフロンティア100)」(1583)を上場させたが、この3本を持つだけで約70カ国への分散投資が可能に。

NISA向け「iシェアーズ」活用例としては、これら3本に「iシェアーズ日経225ETF」(1329)を加えて分散効果を高めたり、あるいは、値上がり益を重視して「iシェアーズエマージング株ETF」「iシェアーズフロンティア株ETF」のウエートを高くしても。

日本人好み「金ETF」の現状

三菱UFJ信託銀行 フロンティア戦略企画部 調査役 渡邉啓輔氏

当社が運用する「金の果実シリーズ」は、現物資産の裏付けを持つ国内唯一の貴金属ETF。「純金上場信託(現物国内保管型)」(1540)「純プラチナ上場信託(現物国内保管型)」(1541)「純銀上場信託(現物国内保管型)」(1542)「純パラジウム上場信託(現物国内保管型)」(1543)の4種類あり、資源の乏しいわが国で貴金属の備蓄に貢献といった社会的意義も。「純金上場信託」の人気が高く、160銘柄ほどある東証上場ETFのうち、9月の売買高ランキングは15位。上位を日経平均連動型が占める中、コモディティ系ではトップとなっている。

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