“イチローのように”ヒット(収益)重ね 総合的なリターンの積み上げ狙う

概 況


世界最大の運用会社ブラックロック「グローバル・アロケーション運用戦略」
コア資産として約24年の安定した実績誇る

ダン・チャンビー氏

ダン・チャンビー氏

ポートフォリオ・マネージャーの1人、ダン・チャンビー氏に聞く

運用資産世界最大の運用会社、ブラックロックの旗艦運用戦略の1つである「グローバル・アロケーション運用戦略」のポートフォリオ・マネージャーの1人、ダン・チャンビー氏がこのほど来日した。同戦略に基づいた運用資産は約8兆円と世界最大級だ。同戦略が採用されている日本でのファンドは、新光投信「世界街道 グローバル・アロケーション・ファンド」としてみずほ証券を通じて販売されているほか、ブラックロックの国内投信および米ドル建て・豪ドル建ての外国投信を通じても販売されている。同氏にグローバル・アロケーション運用戦略の特徴や強み、魅力などについて聞いた。

■約24年の実績があるグローバル・アロケーション運用戦略の狙いとは?

当運用戦略は1989年に運用が始まり、約24年の実績を有している。87年のブラックマンデーを機に、株価下落局面ではその影響を抑えつつ、株価上昇時にはその恩恵を享受することを目指して誕生した。同戦略の狙いは、伝統的な株式ポートフォリオよりも少ないリスクで競争力のあるリターンの実現に向けて、幅広い投資家の皆さまに対してコア(中心的)な保有資産として適した運用を提供することにある。それ以降、同運用戦略はさまざまな経済環境または市場環境を経験してきたが、同戦略の運用成果はまさにこの狙いを実現してきた。

■世界最高水準と評される運用戦略、8兆円の運用力とは?

3年間の累積リターン

3年間の累積リターン

同戦略のリターンは長期にわたり、世界株式や世界債券を上回るパフォーマンスを総じて示してきた一方、リスクは株式の3分の2程度という相対的にリスクの低い運用を実現してきた。同戦略は短期的な値上がり益を追求するものではなく、ある程度長期的に見ることでその良さが示されている。1年ごとのパフォーマンスではマイナスとなる年もあったが、99年以降の3年間の累積リターンで見た場合、マイナスとなったのはリーマン・ショック後に数回あっただけで、それ以外の150数回ではプラスのリターンとなった。さらに、10年間の累積リターンではどのタイミングで投資してもほぼ倍のリターンを提供してきた。このように、リスクを抑えながらも、中長期に保有していただくことで安定的で競争力のあるリターンを実現してきたことから、ブラックロックの「グローバル・アロケーション運用戦略」は世界最高水準と評されることもある。同戦略は上記の実績がさまざまなお客さまから評価された結果、信頼を得ることで、運用資産残高は足元約8兆円となっている。

■ブラックロックのグローバル・アロケーション運用戦略の投資哲学とは?

同戦略の投資哲学は、主に3点ある。

(1)低・中程度のリスクを維持しつつ、比較的高いリターンの達成を目指す

(2)ボトムアップとトップダウンを融合したリサーチを徹底して行い、バリュー志向の柔軟なアプローチを採用することで、世界中から最良の投資機会を追求する

3アセットクラス、国、証券にわたり幅広く分散投資を行う

特に下落リスクに対して細心の注意を払っており、同哲学を実践する際には2つの指針がある。1つ目は“フレキシビリティ(柔軟性)”で、さまざまな投資環境に応じて、株式や債券、短期金融商品等に柔軟な配分をしている。もう2つ目は“分散投資”で、さまざまなアセットクラス、地域、規模、銘柄、通貨などを幅広く見て、700銘柄以上、40カ国、30通貨に幅広く分散投資している。

■運用戦略を実践する上での特徴は?

同戦略の特徴は、グローバル・トップダウンとボトムアップを合わせ、グローバル・マイクロもしくはグローバル・ボトムアップと称したアプローチをとっていることである。トップダウンを見ているのが主にポートフォリオ・マネジャーの3人で、私ダン・チャンビーはそのうちの1人となる。この3人は、マクロ経済指標の結果や短期的な株価指数の数字を当てるということは考えておらず、主に、世界の潮流がどこに向かっているか、グローバルなトレンドがどう変わろうとしているのか、もっと中長期的な観点から世の中の流れを見てどこに投資機会が生まれてくるのか、そのような世界の変化の中から投資機会をどのように捉えていくべきか、といったことを常に議論し考えている。

そして、3人のポートフォリオ・マネジャーが議論している「世界のトレンド、世界の潮流を見て投資機会を考える」という点について、チーム内のアナリスト達がボトムアップで一つ一つ丁寧に検証している。本当に考えているテーマが個別銘柄ベースで確認できるのか、投資機会としてとらえられるのかどうかなど、投資テーマや個別銘柄について、トップダウンとボトムアップで一つ一つ確認するという、グローバル・マイクロ、グローバル・ボトムアップと呼んでいる地道な作業を通してポートフォリオを作り上げている。この作業は、グローバル・アロケーション運用戦略専属の40人以上のスペシャリストにより構成される運用チームにより行われ、同運用戦略を熟知しているからこそ可能な日々の議論の上に成り立っていると考えており、運用上の最大の特徴と言えるだろう。

■具体的な投資例は?

例えば、90年代にCB(転換社債)を保有したことがある。株式相場下落局面での下方リスクを抑える債券としての特性を備えるとともに、一方で株式相場反転時に備えて株式の特性も有し、株価上昇の恩恵も受ける場合があるCBを、当時、最良な投資対象の1つと判断して組み入れた例がある。

さらに最近の例だと、キャッシュフローの分析によるリスク・リターンから見て、昨今の一部大手通信会社のような株式は、債券に近いと考えられる場合がある。株式としてのリスクはそれほど大きくない一方、潤沢なキャッシュフローを背景に安定的で比較的高い配当を継続しているのが理由だ。このように、企業の財務諸表のエクイティ(株式)サイドだけを見るのではなく、負債(債券)サイドの状況をも見た上で、どの銘柄が最良なのかを議論して探し出していくプロセスをチームで採っている。

■現金など、短期金融商品の活用の仕方は?

上述の通り参考ベンチマークとして株式6割、債券4割としているが、ポートフォリオに占める現金などの割合は過去3%から33%まで柔軟に変化させている。現金を保有する際の目的はさまざまだが、足元では一部の債券に金利上昇やバリュエーションに対するリスクが比較的に高いと考え、償還までの期間が短い債券を現金のような位置付けで保有している。また、為替リスクをとる場合、将来何かあった時の運用を行う待機資金として持っている場合、金融危機の場合の解約資金に備えて置く場合などさまざまな目的に応じて現金を投資にうまく使い、ポートフォリオのボラティリティを抑えることに活用している。

■投資家の皆さまへのメッセージ

当運用戦略は長期に保有していただくことにより真価を発揮するものと考える。短期的な目先の値動きを追っかけるものではなく、長期的にリスクが抑えられた安定した競争力のあるリターンを目指している。例えて言えばイチローのようなファンドである。一発逆転ホームランを狙う運用は行わない。700銘柄、40カ国、30通貨以上の投資対象からこつこつと収益(ヒット)を重ねて総合的なリターンの積み上げを狙っていく運用戦略だ。こつこつ銘柄を丁寧に分析してやっていくので派手さはない。しかし、それが資産を安定的に成長させるための、回り道のようで実は資産価格を中長期に増やしていく一番の近道だと考えている。中長期的に投資家のコアな資産を中長期的に預ける投資先として何が一番良いのかと考えるとき、長期にわたりこのような実績を誇り、世界の投資家からの信頼を勝ち取ってきたブラックロックのグローバル・アロケーション戦略を1つの選択肢としてご検討いただきたい。

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