投資信託・2012年パフォーマンスランキング 11月以降、リターンが大きく好転 

概 況


トルコ株、フィリピン株、インド株投信の上昇目立つ

公募投信の外貨建て純資産額(年末・月末) 日本で設定・運用されている公募投資信託の2012年のパフォーマンスはおおむね10月までは低調だったが、11月の円安進行をきっかけに大幅に好転している。

投資信託の基準価額で上昇が大きかったのは、年初から10月までは主に株式指数や商品指数などを投資対象にしたベアファンドが中心だった。株などの指数が下落すれば、基準価格が上がる仕組みの投信だ。例えば、4-9月の半年間の上昇率ランキングではベアファンドが上位を独占した。ベアファンドが上位を占めるのは昨年と同様で、まさに株安の裏返しといえる。しかし、上昇率自体はそう大きくない。4-9月の上昇率で10%以上上昇したファンドは30本強、最高でも30%台が1本、20%台が1本にとどまっていた。

11月以降は、安倍発言を契機とした円安進行で、日本株の上昇と、外貨高・円安によって海外資産を組み込んだ投資信託の円ベースでの上昇がもたらされた。この結果、1-12月の1年間のパフォーマンスは全般的に大きく向上した。

別表(追加型投信、除くETF、残高10億円以上の条件で選別、26日現在)の通り、ランキング上位の顔触れは、それまでのベアファンド中心の構成とは大きく異なっている。

最近の市場環境の好転を背景に1-12月(12月26日現在)までの過去1年間では、10%以上の上昇率が350本以上を数える。上位にランキングされたファンドは50%以上の上昇となっている。最高で70%台の上昇だ。

別表のように条件(追加型、残高20億円以上など)を付けた場合、上昇が目立ったのはトルコ株、フィリピン株、インド株を投資対象にしたファンド。現地の株式相場の上昇に円安が加わってパフォーマンスが向上した。トルコ株、フィリピン株は、次の有力新興国として注目の国。ともにソブリン債が格上げされたのが共通。経済成長と財政基盤の安定性が評価され、格上げ前からその期待で株や債券、通貨が上昇していた。また、インド株はしばらく調整を経て、このところ戻り歩調を強め、12月に入ってSENSEX指数は年初来高値を更新した。ムーディーズが格付け見通しを「安定的」に維持したことや、政治状況が経済改革を進める方向に動くとの期待、さらにインド中銀が早期の追加利下げに踏み切るとの見方も明るくしている。

S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス株価指数によると、1-11月の国別パフォーマンスは、トップがトルコの49.95%、2位がフィリピンの40.64%となっており、日本のファンドでも大きなリターンを享受している。インドは11位の22.60%と上位にある。

また、リートファンドも好調だ。安定したパフォーマンスが引き続いて人気を集めている。このほか、ユーロ危機で欧州株のイメージは良くないが、欧州株ファンドも上昇率が拡大している。

一方、1年間の純資産増加額ランキングでは、ピクテ投信投資顧問の「ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)」が3024億円を筆頭に、フィデリティ投信の「フィデリティ・USリート・ファンドB」が2219億円、野村アセットマネジメントの「米国ハイ・イールド豪ドルコース 毎月分配型」が2160億円、大和投資信託の「ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)」が1946億円、大和投資信託の「ダイワ米国リート・ファンド(毎月分配型)」の1747億円、国際投信投資顧問の「エマージング・ソブリン・オープン(毎月決算型)」が1746億円、野村アセットマネジメントの「野村新興国債券投信Aコース(毎月分配型)」が1319億円、日興アセットマネジメントの「ピムコハイインカム毎月分配型トルコリラ」が1292億円など、新興国の株や債券を投資対象としたファンドやリードファンドの人気が強い。また、日本国債で運用する、大和投資信託の「ダイワ日本国債ファンド(毎月分配型)が1100億円増と健闘が光る。ベアリング投信投資顧問の長寿投信として評価が高い「BAMワールド・ボンド&カレンシー・ファンド」が1016億円と1000億円を超える増加となった。

投資信託の2012年上昇率ランキング(オープン型、純資産残高10億円以上、12月26日現在)
ファンド名 投信会社 基準価額(円) 過去1年の
上昇率(%)
オ-ロラⅡ トルコ投資ファンド 野 村 16,550 74.91
損保ジャパン-フォルティス・トルコ株式オープン 損保J日本興 11,573 70.92
日本株トリプル・ブルベアオープン(ブル) SBIアセット 11,870 70.37
楽天日本株トリプル・ブル 楽 天 8,758 70.06
ライジング・トルコ株式ファンド 損保J日本興 10,713 68.44
日本株2.5ブルベア・オープン(日本株2.5ブル) 国 際 9,775 58.07
ノムラ・アジア・シリーズ(フィリピン) 野 村 14,428 57.67
J-REIT 豪ドル 年2回決算型 東京海上 12,881 54.91
HSBC インド株式ファンド(3ヶ月決算型) HSBC 5,313 45.92
新光Wブル・日本株オープンⅡ 新 光 3,844 45.66
225ブル型オープン2 岡 三 13,327 45.1
T&Dインド中小型株ファンド T&D 11,036 44.98
DCトヨタグループ株式ファンド トヨタ 10,037 44.00
ノムラ・アジア・シリーズ(タイ) 野 村 12,545 43.49
ダイワファンドラップ J-REITセレクト 大 和 8,427 43.37
MHAM J-REITアクティブファンド みずほ 11,834 43.08
SMT J-REITインデックス・オープン 三井住友TA 8,242 42.35
野村J-REITファンド(確定拠出年金向け) 野 村 13,607 42.24
eMAXIS 国内リートインデックス 三菱UFJ 14,194 42.21
野村エマージング債券投信(トルコリラコース) T&D 13,630 42.08
Jリートインデックス・オープン(SMA専用) 三井住友TA 16,485 42.01
ダイワ/モルガン・スタンレー新興4カ国不動産 大 和 9,309 41.67
J-REIT 豪ドル 毎月分配型 東京海上 10,799 41.59
トヨタグループ株式ファンド トヨタ 12,163 41.55
野村世界業種別投資シリーズ(世界金融株投資) 野 村 9,503 41.41
HSBC インド・インフラ株式オープン HSBC 4,765 41.35
MHAMJ-REITインデックスF DC みずほ 10,811 41.23
DC・ダイワJ-REITオープン 大 和 11,291 41.19
HSBC インド オープン HSBC 13,786 40.93
インド消費関連株オープン 岡 三 10,739 40.86
フィデリティ・欧州中小型株・オープン B フィデリティ 15,320 40.64
J-REIT ルピア 年2回決算型 東京海上 10,864 40.54
シュローダー中東/北アフリカ・ファンド シュローダー 6,740 40.48
ネット証券専用ファンドシリーズ 新興国中小型株F DIAM 11,232 40.31
フィデリティ・レバレッジド・カンパニーB フィデリティ 10,448 40.24
ブル2.5倍日本株ポートフォリオ2 大 和 6,799 39.75
イーストスプリング・インド消費関連ファンド イーストスプリング 11,643 39.69
JPM・VISTA5・ファンド JPモルガン 10,933 39.43
スパークスジャパンスモールキャップファンド スパークス 14,993 39.38
アムンディ・りそなインド ファンド アムンディ 4,789 38.77
戻る