25年以上にわたる幅広い分散と柔軟な運用 ブラックロック「グローバル・アロケーション運用戦略」

概 況


運用残高は10兆円超え世界最大級の規模誇る

ダン・シャンビー氏

ダン・シャンビー氏

ポートフォリオ・マネージャーの一人 ダン・シャンビー氏に聞く

運用資産世界最大の運用会社、ブラックロックの旗艦運用戦略の一つである「グローバル・アロケーション運用戦略」は10.4兆円と世界最大級の規模を誇る。今回、この戦略のポートフォリオ・マネージャーの一人であるダン・シャンビー氏が来日した。同戦略は、新光投信の「グローバル・アロケーション・ファンド(愛称 世界街道)」「グローバル・アロケーション・オープン」「グローバル・ドライブ」や、三井住友アセットマネジメントの「日興ブラックロック・ハイ・クオリティ・アロケーション・ファンド」として日本でも販売され、順調に残高を伸ばし続けている。同氏にグローバル・アロケーション運用戦略の特徴や魅力、投資環境、相場見通しなどを聞いた。

■グローバル・アロケーション運用戦略

当戦略は、1989年に運用を開始して以来25年の実績がある。87年のブラック・マンデーで大きな損失を被り投資に対して消極的になっていた投資家のために、株価下落局面ではその影響を抑えつつ、株価上昇時にはその恩恵を享受することを目指して誕生した。同戦略の狙いは、伝統的な株式ポートフォリオよりも少ないリスクで競争力のあるリターンの実現によって、幅広い投資家の皆様に対してコア(中心的な)資産としての保有に適した運用を提供することにある。この目標を実現するには、特定の資産クラスやテーマを追いかけるのではなく、幅広く分散された柔軟な運用が必要だと考え、25年以上運用を行ってきた。運用開始してからこれまでの間、さまざまな市場の激動を乗り越えてくる中で、同戦略の運用成果はまさにこの狙いを達成してきた。こうしたコア資産としての実績をご評価いただき、世界の幅広いお客さまの信頼を得ることで、戦略の運用残高は10兆円を超えて成長してきている。

■運用の特徴

当戦略の特徴は大きく3つある。

(1)世界中に投資機会を求め、アセットクラス、国、証券、通貨などに対して幅広い分散を行う。

(2)投資機会やリスクに応じて、キャッシュを含めた投資証券の配分比率を柔軟に変更する。

(3)投資機会の追求やリスクの特定には、ボトムアップとトップダウンの分析を融合した「グローバル・マイクロ」のリサーチを徹底的に行う。

ちまたにある多くのアロケーション・ファンドは、指数(インデックス)を対象としたファンド・オブ・ファンズ形式のようなものが多い。われわれのポートフォリオはこれらとは異なり、個別の銘柄をボトムアップのリサーチで見つけ出し、グローバルで700銘柄以上に分散された、手作りで丁寧なポートフォリオ構築を行う。われわれはグローバル・マイクロと呼んでいるが、トップダウンでグローバルの中長期的なトレンドから投資機会を探し出し、その恩恵を受けるしっかりした割安な銘柄をボトムアップで探し出し、分散されたポートフォリオを作っていく。このプロセスの中で主にトップダウンの投資機会を担当しているのが、ポートフォリオ・マネージャーの3人で、私ダン・シャンビーがその一人だ。

中長期的な視点に立った「グローバルなトレンドや潮流を特定しながら、魅力的な投資機会を世界中から探し出す」投資を行っていることから、われわれのポートフォリオの中身は、通常はゆっくりとしか動かない。しかしながら相場が急変した場合は機動的な対応も行う。トップダウンとボトムアップを融合したリサーチ、中長期的な視点と機動的かつ柔軟なポートフォリオの運用が、私たちの運用の特徴となる。

■今後の投資環境のポイント

今後の投資環境を考えるにあたって、2008年のリーマン・ショック以降で何が起こってきたかを振り返る必要がある。経済危機への緊急措置として各国の中央銀行が大量に流動性を供給してきた。これにより世界経済は恐慌になることを免れたが、流動性が相場を支配するという一面も見られてきた。そしてこうした緊急避難的な金融政策の効果から、地域ごとの跛行性はありながらも世界経済は徐々に回復した。そのため、大量の流動性を供給してきた金融政策が出口に向かって動きだし始めた。

キャッシュに逃げ込んで動かなかったお金を動くようにするための金融政策が出口に向かってくると、金利が上がってくるリスクが高くなってくる。今後、債券から得られるリターンは、せいぜいクーポンの金利程度だが、金利がちょっと上がるだけでもその利益は帳消しとなる。高くなった債券のリスクを考えると、相対的にみて株式の方が安いといえよう。

ただし株式が絶対的に割安というわけではなく、株式市場全体のバリュエーションは総じて見ればフェアな状態だ。アメリカなどでは過熱感が見られる一方、欧州や日本は相対的に割安だと判断している。特に日本株については、株主資本価値の向上余地が大きく、過去の水準と比較しても割安なことから魅力的な投資先だと考えている。

参考ベンチマークとして株式6割、債券4割となっているが、こういったことを背景に、現在のポートフォリオでは、債券は大幅に保有を抑え、その分キャッシュ比率を高めに保有している。

■新興国への投資の考え方

新興国は、例えば中国の場合、世界の工場として輸出主導で急成長してきたやり方には限界がきており、輸出主導の成長モデルから消費主導の成長モデルに構造改革しなければならないという課題に直面している。構造改革には時間がかかる。大きな変化になるため、過去のような成長は、新興国全体に対して総じて期待できないかもしれない。ただし変化の中で国全体のGDP(国内総生産)以上に大きく伸びる個別分野が必ずある。そして必ずしも新興国の企業に投資する必要はなく、先進国に上場していて、新興国の伸びる分野でビジネス展開している企業に投資することで、新興国の成長を収益に結びつけることができると考えている。

分野として大きく伸びると考えている1つがヘルスケアだ。現在、新興国のGDPに対する医療費の比率は先進国と比べかなり低水準にとどまっている。しかし、今後、所得向上で生活に余裕が出てくることで医療機関にかかる機会が増え、高度な医療へのニーズが高まるものとみている。GDP成長率自体も先進国よりも高い。新興国でビジネスを行っている医薬品や病院、医療機器などで恩恵が得られる銘柄に注目している。

■目指すもの

われわれの運用は、野球に例えるなら、イチローのようなコツコツと着実にヒットを打つような、地道な運用の積み重ねだ。お客さまの長期的なコアの資産として保有していただくには、できるだけ損をしないような安定した運用が重要だと考えている。そして最終的に大きく資産を成長させるためには、野球のペナントレースと同じようにコツコツと勝ち続けることが大事だ。これまでの25年、さまざまな金融危機を含めた相場環境を経験してきた中で、こうした運用が実績につながり、幅広いお客さまの信頼を勝ち得てきた。これからも色々なことが起こるだろうが、これまでの実績に甘んじることなく、安定してお客さまの資産価値を成長させる運用を行うことで、あらゆる世代のコアな資産としての価値を提供していきたい。私自身の例でも、私、私の父親、二人の娘という私の家族3世代すべてがコアな資産として当戦略のファンドを持ち続けている。日本の投資家の皆さまにも、ブラックロックのグローバル・アロケーション運用戦略をぜひとも選択肢の一つとしてご検討いただければ幸甚だ。

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