フィデリティ投信 「資産成長型」コースのファンド拡販に注力

概 況


複利効果を生かせる「資産成長型も本流」をアピール

太田創氏

太田創氏

商品マーケティング部長 太田創氏に聞く

金融庁はこのほどNISA(少額貯蓄非課税制度)口座の利用状況などについて発表した。NISA口座開設数(3月31日現在)は650万3,951口座。制度導入時点(1月1日)の約475万口座から、3カ月で約175万口座、約37%増。年代別の口座数を見ると、60歳代以上の割合は59.8%、制度導入時点の60歳以上の割合(63.4%)より3.6%低下し、50歳代以下の現役層の割合が増加している。NISA総買付額は1兆34億4,608万円、商品別内訳は、投資信託が6,212億822万円(61.9%)でトップ、上場株式3,645億1,357万円(36.3%)、ETF(上場投資信託)91億417万円(0.9%)、REIT(不動産投資信託)86億2,012万円(0.9%)。年代別の買付額内訳を見ると、総買付額に占める60歳代以上の割合は64.9%となっている。

こうした中、フィデリティ投信は、NISAでの運用にも適している資産成長型ファンドの取り組み強化に乗り出している。その背景や意味、今後の戦略などについて、同社商品マーケティング部長の太田創氏に聞いた。

■資産成長型にも徐々に資金流入

投資信託では、依然として毎月決算型の人気が根強い。ETFを除く追加型株式投信のうち、毎月決算型のシェアはほぼ7割となっている。日本証券業協会の調べでは証券会社のNISA口座は、500万口座弱、NISA口座で運用された資産(稼働資産)のうち、株式は6割程度、投資信託は3割強。こうした状況において、NISAを視野に入れつつ、昨年以降順次設定してきた当社の「資産成長型」コースが脚光を浴び始めている。現状においては、NISA活用のコア層となるべき若年層の存在がまだまだ小さい。それでも相応の資金が当社の「資産成長型」ファンドにも流入してきており、6月末日時点で300億円弱(全6ファンドの合計)に達している。

■資金の運用効率を優先するなら資産成長型

NISAのような非課税制度を利用し、中・長期投資を志向する投資家には、運用効率上、累積投資を志向する資産成長型が望ましい。当社の「フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド」(毎月分配型)の純資産総額は1兆3,000億円兆超(6月末時点)だが、諸般の条件が変わらない限り、分配金払出額は年間で約2,000億円にも及ぶ。それだけ、分配金の外部流出が運用効率に与えるインパクトは大きい。また、受益者がこのファンドから受け取った分配金をそのまま預金に置いておくとすれば、再投資収益を得られないことになる。特に資産形成期若年層の方々には、ぜひ当社の「資産成長型」コースのファンドに着目いただき、複利効果を生かした長期的な資産形成に取り組んでほしい。

■他社に先駆け、複利効果を生かせる有力ファンドの設定を企画

当社は2012年の早い時期から、現NISAのような制度が導入されることも見据え、無分配型ファンドの商品ラインアップの企画検討を始めた。その後、数カ月にわたり社内で議論を重ねた結果、長期間のトラックレコードを持つ既存有力ファンド(毎月分配型)をベースに、「資産成長型」コースのファンドを複数投入するという決定に至った。当社は昨年5月以降、「フィデリティ・ストラテジック・インカム(資産成長型) Cコース(為替ヘッジ付き)/Dコース(為替ヘッジなし)(愛称:悠々債券)」、「フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド(資産成長型)」、「フィデリティ・USリート・ファンド(資産成長型)C(為替ヘッジあり)/D(為替ヘッジなし)」を順次立ち上げ、さらに今年4月、「フィデリティ・グローバル・ハイ・イールド・ファンド」の資産成長型コースを設定した。当社の資産成長型コースのファンドには、販売会社の方々も注目している。設定後は、とりわけ「フィデリティ・ストラテジック・インカム・ファンド」と「フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド」の資産成長型コースのファンドへの資金流入が堅調だ。

■資産成長型、若年層などにアピール

長期投資が前提となるNISAの法制変更・恒久化期待などから、今後当社の資産成長型ファンドに対するニーズはますます高まるであろう。非課税枠で複利効果を生かせる資産成長型コースの各ファンドを投資家にアピールするべく、当社は新聞広告やインターネット上で告知を続けている。日本の投資信託市場では毎月分配型ファンドが主流だが、複利効果を享受できるという意味で、資産成長型コースのファンドも“本流”であることを投資家の方々に認識していただければと願っている。とりわけ、30歳代前後の資産形成期にある若年層の方々への啓蒙(けいもう)・認知拡大活動を行っていきたい。

■「フィデリティ・世界インカム株式・ファンド」の拡販にも注力

トラックレコードが比較的短いファンドでは、2010年12月に設定した「フィデリティ・世界インカム株式・ファンド」も資産成長型コースと毎月決算型コースの2タイプを用意している。当ファンドは通信・公益セクターのグローバル株式およびREITを主な投資対象としている。双方とも良好なパフォーマンスに支えられており、どちらのファンドも基準価額(累積投資額)は1万5,000円を超えている(6月末時点)。同ファンドの販売はフィデリティ証券が本年5月より開始しており、今後は販売会社の拡充を図っていきたいと考えている。

資産成長型コース(計6ファンド) 販売会社採用状況 【2014年7月1日現在】
フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド(資産成長型) フィデリティ・ストラテジック・インカム・ファンド C/D(資産成長型) フィデリティ・USリート・ファンド C/D(資産成長型) フィデリティ・グローバル・ハイ・イールド・ファンド(資産成長型)
販売
会社名
取扱 取扱い
開始日
取扱 取扱い
開始日
取扱 取扱い
開始日
取扱 取扱い
開始日
野村證券 13/8/17 13/5/8 13/6/19
SMBC日興証券 13/8/6 13/6/19
三菱UFJ信託銀行 13/12/16
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 13/10/30 13/10/30
りそな銀行 14/1/6 14/1/6
埼玉りそな銀行 14/1/6 14/1/6
近畿大阪銀行 14/1/6 14/1/6
SMBCフレンド証券 13/10/24
東海東京証券 13/10/21 13/12/16
静銀TM証券 13/10/22
足利銀行 13/12/20
北越銀行 13/6/10
十六銀行 13/12/16
スルガ銀行 14/3/17
三重銀行 ●(Cのみ) 13/11/1 ●(Cのみ) 13/11/1
京都銀行 13/12/16
大垣共立銀行 13/12/20 13/12/20
ワイエム証券 13/12/24 13/12/24 13/12/24
福岡銀行 13/12/16 14/7/1
熊本銀行 13/12/24
親和銀行 13/12/24
北陸銀行 ●(Dのみ) 13/10/21
京葉銀行 13/12/16
長崎銀行 14/5/19
ソニー銀行 13/11/15 ●(Cのみ) 14/6/6
髙木証券 14/2/24 13/10/28 13/8/26
あかつき証券 13/12/16 13/12/16
エース証券 13/12/27 13/12/27
SBI証券 13/8/8 13/8/8 13/8/8
楽天証券 13/9/27 13/6/28 13/9/27
イオン銀行 13/9/30 13/9/30 ●(Dのみ) 13/9/30
八十二証券 13/11/15
フィデリティ証券 13/5/20 13/5/7 13/6/17 14/4/14
計25社 計13社 計20 社 計2社

 

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