BNYメロン・アセット・マネジメント・ジャパン幹部が市場見通しや事業展望を語る

概 況


総資産残高の年平均成長率 機関投資家30%、リテール26%と健全な成長

「BNYメロン・リアル・リターン・ファンド」向け特設サイト開始

BNYメロン・アセット・マネジメント・ジャパンはこのほど、山口省吾代表取締役会長、岸本志津代表取締役社長ら同社幹部が2014年の市場見通しや、同社事業の展望について記者向けに説明した。その一部を紹介したい。

山口省吾代表取締役会長

山口省吾氏

■2014年の金融資本市場の展望

山口省吾代表取締役会長

日本を含む先進国株式を非常に強気でみている。昨年は株価が上がったが、現状では過度に割高な水準にはなっていない。今後の堅調なマクロ指標の発表が株価に反映されやすいだろう。そのほか、強気なのは新興国株式。昨年は伸び悩んだが、先進国株式市場と比較して割安な水準にあり、上昇余地がある。続いて新興国債券。新興国の財政はかなり健全な状態を保っており、新興国経済の伸びに合わせて、この分野も期待ができると思っている。米ドルも強気。量的緩和の縮小(テーパリング)がドル高要因、さらには経常収支の改善が需給面からのプラス要因もある。一方で、少々弱気でみているのは先進国国債、社債、コモディティ、金。米国のテーパリングの最初の動き、金利上昇懸念、新興国からの需要が減るだろうということを含めて投資魅力としては劣後するだろう。

株価は昨年上昇したが、バブルではないと考える。先進国市場では、米国と欧州のP/E(株価収益率)比を見ると、ともに過去の平均に近い水準にあり、過度に買われている状況にはなっていない。一方、新興国市場を見ると、昨年、株価は下落基調をたどり、現状では過去平均を下回るようなバリェーションにあり、先進国市場のP/Eと比較しても低い水準にある。あまり悲観的に見る必要はなく、今年は上昇の可能性が高いのではないかとみている。

株式市場では、一般的に金利が低いと株価が上がって、時にバブルの状態までになり、その後、金利が上昇していくにしたがって、株価も下落するというサイクルが一般的だが、過去の相関を見ると、必ずしもそうはなっていない。米10年国債利回りと米国のP/Eの関係を見ると、米国10年国債利回りが6%を超えるか超えないかというところでP/Eの水準にも比例関係、反比例関係が出てきている。米国10年国債利回りが6%まで上がっていくような中では、緩やかな相関だがP/Eは上がっていく。米国10年国債利回りが6%を超えるようなかなり高い状況になってくると株価と金利は反比例する。現状、米国10年国債利回りの金利は3%を割っており、株式市場に対してはネガティブな状況にはない。

岸本志津代代表取締役社長

岸本志津代氏

■BNYメロン・アセット・マネジメント・ジャパンの事業概況

岸本志津代代表取締役社長

2013年4月から日本株式運用部を立ち上げた。アベノミクスへの期待から日本株は有望であるとの予想の下、外国投資家からのニーズが高まるだろうとの見方からグローバルなサポートを経て発足させた。運用商品・本部も営業を効率的なサポートができるとして、攻めの部分と守りの部分の明確な役割分担を分けた形で組織変更を行っている。リテール営業本部では、今後のリテール向け投信販売でお客さまにきちんとした、分かりやすい情報提供を強化しなくてはいけないということで、リテール営業本部の中でリテール・マーケティング部を立ち上げ、非常にユニークな試みを行っている。当社の総資産残高ではこれまでリテールの残高の比率が高かったが、機関投資家のビジネスも拡大したい。特に非年金の金融法人の拡大、また、年金のお客さまに対しても単なるプロダクト推進だけでなく、ソリューションも提供していきたいとの方針の下で昨年7月にソリューション営業部を立ち上げた。当社の総資産残高は、スタートラインである04年12月の1500億円程度から13年12月には1兆3400億円、年平均の成長率は機関投資家が30%、リテールが26%と健全な成長をしている。13年には、リテールは若干減少したが、昨年1―3月に円安によって豪ドル建てファンドや米ドル建てファンドの基準価額上昇で利益確定の売却が出たことによる。一方、機関投資家は資産が増加しているが、ソリューション営業部を立ち上げて間もない時に非年金の金融機関から比較的大きな受託があった。

今後の全社的な目標は、一つのポイントとしては安定的な収益基盤の構築で、公販のフラッグシップ(旗艦)ファンドの実現を目指しているが、ある程度はできたと考えている。機関投資家ビジネスでの商品戦略および顧客の多様化は、非年金の金融機関から受託をいただいたように、こちらも一定のレベルの成果が上がってきている状況にある。中長期的な目標として3年後に目指すものを掲げているが、その一つとして外資系金融機関としてトップの職場環境の整備を目標とするというのがあるが、これは生産性の向上、収益性の向上、資産残高の拡大というものを目指した時には1人当たりの生産性を向上してもらいたい、そのためには、基本的には従業員一人一人が会社に対して非常に高い満足度を持っていることが最も大切なことではないかということを立てた。

■リテールビジネスの現状と2014年の展望

松岡博敏リテール営業本部長兼リテール営業第二部長

リテール事業は、13年には9本の新規公募設定ファンドがあった。当社ネームの国内籍の公募ファンドが4本、外国籍の公募投信が3本、国内のほかの運用会社に対して当社が運用支援に入ったり、当社グループ傘下の海外運用会社の外国投信を提供したりしているホワイトレーベルが2本ある。「BNYメロン・リアル・リターン・ファンド」と「BNYメロン・日本株式ファンド市場リスク管理型(愛称:攻守自在)」は、公販の旗艦ファンドに育てていくべく、幅広い販売会社に引き続きご提案していく。「リアル・リターン」は13社、「攻守自在」は5社に販売していただいている。

14年のリテール市場は、リスク・オンの相場環境が続くとみている。リス・クオンであれば、投信に資金流入が期待される。昨年末の公募投信の残高が81兆5000億円で、ネットで約10兆円の資金純増となった。今年も同じ規模の資金流入は期待できると予想される。リスク・オンであれば、テーマ型や、地域特化型株式ファンドへのニーズが高まるとみている。また、新たな投資対象の探求化と商品化、好トラックレコードを有するファンドへの選好、根強い分配金ニーズとそれを満たす商品開発商品開発競争が継続、さらにNISA(少額投資非課税制度)向け商品の選別化と商品導入の第2ラウンドの流れが出てくると考えている。こうした展望の下、証券チャネルでは既存販売会社・投資家とのパートナーシップの維持と、当社マルチ・ブティック型ビジネスモデルを生かした商品提供に力を注ぎたい。BNYメロングループは傘下に16のいろいろなアセットクラスの運用に特化したブティック型の運用会社を連ねている。こうした運用力を活用して魅力的な商品を提供していきたい。銀行チャネルでは既存販売会社への販売サポートの充実、将来の旗艦ファンドの育成に向けた取り組みを強化していく。「BNYメロン・リアル・リターン・ファンド」と「BNYメロン・日本株式ファンド市場リスク管理型(愛称:攻守自在)」の販売の拡大に注力したい。特に前者は販売会社が13社に上っているが、NISA向け商品として採用していただいている。市場の局面に応じて、グローバルな資産を組み替えていくマルチアセットのアロケーション型が支持されている。また、こうした戦略は多くの販売会社でも評価を得ている。マーケティング/プロモーションでは、情報提供サービスの強化と、NISAを通じて入ってくる新しい投資家層にも分かりやすい情報提供を目的にリテール・マーケティング部を立ち上げた。その情報コンテンツの一つとして「BNYメロン・リアル・リターン・ファンド」向け特設サイトを当社ホームページに作った。

■機関投資家ビジネスの現状と2014年の展望

西元智機関投資家営業本部長兼機関投資家営業部長

国内の年金市場は成熟化している。厚生年金市場の縮小など厳しい環境は続くだろう。一方で、公的年金に関する有識者会議での提言にもあるように、今後期待される資産配分の変更や投資対象の拡大、具体的なものは順次公表されてくるだろうが、こうしたところにどう食い込めるかが一つの戦略的な課題と思うし、プラス材料といえる。金融法人については引き続き、バーゼル規制等での運用規制があることで債券を求める傾向は続くとみている。こうした環境の中で、2つの優先課題と取組を設定している。金融危機の前後の08―12年の金融法人市場での新規獲得は限定的だった。一方、年金は増えている。金融法人への取り組みのために営業体制を見直し、13年4月にソリューション営業部を新設、人員を増加し、力を入れてきた。金融機関のキャリーを求める動きもあり、当社も受託し、資産を拡大することができた。もう一点はプロダクトの多様化を考えている。BNYメロングループは傘下に16の運用会社があり、将来的なビジネスの安定化のためにはいろいろな戦略を提案していくのが評価には欠かせないと考えている。新商品・サービスとしてソリューション、具体的にはマルチセクターとスマートベータ。また日本株に力を入れていきたい。また、セミナーも開催していく。

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